5 / 58
5話
しおりを挟む
「このクエストを受けます」
受付嬢が見せてくれた四枚のクエストを見て、【鑑定士】トビは一枚のクエストを選んだ。
それは、採取クエストの薬草採取である。
この四枚だと採取クエストよりも討伐クエストの方が報酬額は多い。
だけど戦闘経験もないトビは無謀な挑戦はしなかった。
それに採取クエストの方がトビにとって都合が良かったのだ。
「わかりました。
くれぐれも無理はなさらないでくださいね」
トビは受付嬢から更に危険なことはしないようにと念を押され、送り出された。
◇◇◇
「ーーこんなものかな」
あらためて冒険者となったトビは、クエストを受けた後ギルドから出て、冒険者用の装備を整えた。
初心者冒険者が使う手頃な装備だ。
そして、肝心の武器だけど、短剣とナイフを用意している。
力のないトビでは扱える武器は少なく、短剣が精一杯だったのだ。
ナイフは採取や解体に使うものである。
更に、盾を使うことも考えたが防御力も低いから盾で防ぐよりも回避に専念した方がいいと判断し、持たないことに決めた。
後は、戦闘の邪魔にならないバッグを持って、その中にもしもの時のために応急処置の道具を用意している。
「そろそろいこうか!」
そして、準備も整ったところで、街の外に続く門へと向かう。
トビと同じようにこれから街の外へ向かう冒険者もたくさんいる。
トビもこれからその冒険者達の仲間入りすることになるのだ。
「ーーこれはすごい」
それから門をくぐり外に出た。
街からほとんど外に出たことないトビはどこまでも広がる自然に目を奪われたのだ。
これからはこの場所がトビの仕事環境になっていく。
「いこう」
観光気分でいつまでも呆けている場合ではないので、気を取り直してクエストの目的地を目指して歩き始める。
実はトビはここへ来る前に、ギルドの受付嬢から今回受けたクエストの情報を聞いていた。
クエストの目的である薬草が多く取れる場所と見本である薬草を見せてもらっている。
場所に関しては闇雲に探しても見つけられる保証がないということで快く教えてもらえた。
見本を見せてもらったのは、薬草の種類がわからなければ見つけようがないということ、それにトビにとっては必要な情報だった。
「ーーこの辺りかな」
そして、街からそれほど離れてない位置に小さな泉がある。
受付嬢から教えてもらった情報ではこの泉の近くで薬草が多く目撃されているそうだ。
多くあるとはいえ、茂みの中から探すのだから簡単には見つからない。
「始めるか」
そこで、トビは秘策を使うことにした。
【鑑定士】ならではの探索方法だ。
『鑑定』
まずは鑑定スキルで、草木を鑑定していく。
トビの知らない草や木の情報なら鑑定しても名前が表示されないことを確認する。
今トビが知っているのは受付嬢から見せてもらった薬草の情報だけなので、名前が表示されるのが薬草だけとなる。
この鑑定スキルを使えば、くまなく探すという手間が省けるというものだ。
受付嬢が見せてくれた四枚のクエストを見て、【鑑定士】トビは一枚のクエストを選んだ。
それは、採取クエストの薬草採取である。
この四枚だと採取クエストよりも討伐クエストの方が報酬額は多い。
だけど戦闘経験もないトビは無謀な挑戦はしなかった。
それに採取クエストの方がトビにとって都合が良かったのだ。
「わかりました。
くれぐれも無理はなさらないでくださいね」
トビは受付嬢から更に危険なことはしないようにと念を押され、送り出された。
◇◇◇
「ーーこんなものかな」
あらためて冒険者となったトビは、クエストを受けた後ギルドから出て、冒険者用の装備を整えた。
初心者冒険者が使う手頃な装備だ。
そして、肝心の武器だけど、短剣とナイフを用意している。
力のないトビでは扱える武器は少なく、短剣が精一杯だったのだ。
ナイフは採取や解体に使うものである。
更に、盾を使うことも考えたが防御力も低いから盾で防ぐよりも回避に専念した方がいいと判断し、持たないことに決めた。
後は、戦闘の邪魔にならないバッグを持って、その中にもしもの時のために応急処置の道具を用意している。
「そろそろいこうか!」
そして、準備も整ったところで、街の外に続く門へと向かう。
トビと同じようにこれから街の外へ向かう冒険者もたくさんいる。
トビもこれからその冒険者達の仲間入りすることになるのだ。
「ーーこれはすごい」
それから門をくぐり外に出た。
街からほとんど外に出たことないトビはどこまでも広がる自然に目を奪われたのだ。
これからはこの場所がトビの仕事環境になっていく。
「いこう」
観光気分でいつまでも呆けている場合ではないので、気を取り直してクエストの目的地を目指して歩き始める。
実はトビはここへ来る前に、ギルドの受付嬢から今回受けたクエストの情報を聞いていた。
クエストの目的である薬草が多く取れる場所と見本である薬草を見せてもらっている。
場所に関しては闇雲に探しても見つけられる保証がないということで快く教えてもらえた。
見本を見せてもらったのは、薬草の種類がわからなければ見つけようがないということ、それにトビにとっては必要な情報だった。
「ーーこの辺りかな」
そして、街からそれほど離れてない位置に小さな泉がある。
受付嬢から教えてもらった情報ではこの泉の近くで薬草が多く目撃されているそうだ。
多くあるとはいえ、茂みの中から探すのだから簡単には見つからない。
「始めるか」
そこで、トビは秘策を使うことにした。
【鑑定士】ならではの探索方法だ。
『鑑定』
まずは鑑定スキルで、草木を鑑定していく。
トビの知らない草や木の情報なら鑑定しても名前が表示されないことを確認する。
今トビが知っているのは受付嬢から見せてもらった薬草の情報だけなので、名前が表示されるのが薬草だけとなる。
この鑑定スキルを使えば、くまなく探すという手間が省けるというものだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
131
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる