52 / 80
52話
しおりを挟む
ーー僕達がギルド公式大会の開催日を知ったのは、62階層の攻略をボスがいるフロアまで終えてからだ。
【双剣使いのアル】と【双剣使いのルア】の活躍で、無事に攻略ルートを確立することができた。
その報告のためにギルドに戻った際、【受付嬢のミリア】から聞いた。
開催日は今から一か月後であり、早い開催ともいえる。
出場が決まった10組の冒険者パーティーには、既に貢献度の順位が出ていた。
これまで最前線の攻略を行なっていた【竜の爪】と現在最前線で攻略を行なっている【パレード】が同一でトップに並んでいる。
そして、今回【竜の爪】より先に突破した【虎の牙】もいる。
後のパーティーは交代も激しく、初出場のパーティーも多くいた。
ただその中に1組、有名なパーティーの名前がある。
「【幻影】・・・」
パーティー名は有名だけど、誰もメンバーを見たことがない冒険者パーティー。
僕達と同じ最前線の攻略組で、【竜の爪】や【パレード】が結成する前からあるような古参でもある。
本来なら称号を持っていてもおかしくないパーティーなのだが、それを辞退していて今まで何も持っていなかった。
しかし今回、出場者に選ばれたということは辞退しなかったということになる。
今までだったら、この順位が発表された段階で称号を得られていたのだけど、今回は違う。
トップが2組並んでいるのもあるし、今回のことでその2組を追う【虎の牙】も優れているということ。
そこで改めて、パーティーの実力を見るために模擬戦が行なわれるのだ。
今回出場する【幻影】がその際、姿を見せるのか疑問でもある。
「ミリアさんは、【幻影】について何か知っているのですか?」
僕はミリアに選ばれた経緯を聞いてみた。
「ごめんなさい、私も知らないのよ。
上の人からの命令で、今回の大会にエントリーさせろと言われて・・・」
「そうですか」
ギルド職員であるミリアでも【幻影】の存在は謎のようだ。
ただミリアより上の人なら何か知っているような感じがした。
多分、謎に包まれたまま活動できているのも、その上の人が認めているからだろうと思う。
今、僕達にできるのは急ピッチで模擬戦の会場が建設される中、その模擬戦に向けて実力をつけていくしかない。
【双剣使いのアル】と【双剣使いのルア】の活躍で、無事に攻略ルートを確立することができた。
その報告のためにギルドに戻った際、【受付嬢のミリア】から聞いた。
開催日は今から一か月後であり、早い開催ともいえる。
出場が決まった10組の冒険者パーティーには、既に貢献度の順位が出ていた。
これまで最前線の攻略を行なっていた【竜の爪】と現在最前線で攻略を行なっている【パレード】が同一でトップに並んでいる。
そして、今回【竜の爪】より先に突破した【虎の牙】もいる。
後のパーティーは交代も激しく、初出場のパーティーも多くいた。
ただその中に1組、有名なパーティーの名前がある。
「【幻影】・・・」
パーティー名は有名だけど、誰もメンバーを見たことがない冒険者パーティー。
僕達と同じ最前線の攻略組で、【竜の爪】や【パレード】が結成する前からあるような古参でもある。
本来なら称号を持っていてもおかしくないパーティーなのだが、それを辞退していて今まで何も持っていなかった。
しかし今回、出場者に選ばれたということは辞退しなかったということになる。
今までだったら、この順位が発表された段階で称号を得られていたのだけど、今回は違う。
トップが2組並んでいるのもあるし、今回のことでその2組を追う【虎の牙】も優れているということ。
そこで改めて、パーティーの実力を見るために模擬戦が行なわれるのだ。
今回出場する【幻影】がその際、姿を見せるのか疑問でもある。
「ミリアさんは、【幻影】について何か知っているのですか?」
僕はミリアに選ばれた経緯を聞いてみた。
「ごめんなさい、私も知らないのよ。
上の人からの命令で、今回の大会にエントリーさせろと言われて・・・」
「そうですか」
ギルド職員であるミリアでも【幻影】の存在は謎のようだ。
ただミリアより上の人なら何か知っているような感じがした。
多分、謎に包まれたまま活動できているのも、その上の人が認めているからだろうと思う。
今、僕達にできるのは急ピッチで模擬戦の会場が建設される中、その模擬戦に向けて実力をつけていくしかない。
0
お気に入りに追加
1,479
あなたにおすすめの小説
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
勇者、追放される ~仲間がクズばかりだったので、魔王とお茶してのんびり過ごす。戻ってこいと言われても断固拒否。~
秋鷺 照
ファンタジー
強すぎて勇者になってしまったレッグは、パーティーを追放され、一人で魔王城へ行く。美味しいと噂の、魔族領の茶を飲むために!(ちゃんと人類も守る)
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる