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52話

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ーー僕達がギルド公式大会の開催日を知ったのは、62階層の攻略をボスがいるフロアまで終えてからだ。


【双剣使いのアル】と【双剣使いのルア】の活躍で、無事に攻略ルートを確立することができた。


その報告のためにギルドに戻った際、【受付嬢のミリア】から聞いた。


開催日は今から一か月後であり、早い開催ともいえる。


出場が決まった10組の冒険者パーティーには、既に貢献度の順位が出ていた。


これまで最前線の攻略を行なっていた【竜の爪ドラゴン・ネール】と現在最前線で攻略を行なっている【パレード】が同一でトップに並んでいる。


そして、今回【竜の爪ドラゴン・ネール】より先に突破した【虎の牙タイガー・ファング】もいる。


後のパーティーは交代も激しく、初出場のパーティーも多くいた。


ただその中に1組、有名なパーティーの名前がある。


「【幻影ファントム】・・・」


パーティー名は有名だけど、誰もメンバーを見たことがない冒険者パーティー。


僕達と同じ最前線の攻略組で、【竜の爪ドラゴン・ネール】や【パレード】が結成する前からあるような古参でもある。


本来なら称号を持っていてもおかしくないパーティーなのだが、それを辞退していて今まで何も持っていなかった。


しかし今回、出場者に選ばれたということは辞退しなかったということになる。


今までだったら、この順位が発表された段階で称号を得られていたのだけど、今回は違う。


トップが2組並んでいるのもあるし、今回のことでその2組を追う【虎の牙タイガー・ファング】も優れているということ。


そこで改めて、パーティーの実力を見るために模擬戦が行なわれるのだ。


今回出場する【幻影ファントム】がその際、姿を見せるのか疑問でもある。


「ミリアさんは、【幻影ファントム】について何か知っているのですか?」


僕はミリアに選ばれた経緯を聞いてみた。


「ごめんなさい、私も知らないのよ。
上の人からの命令で、今回の大会にエントリーさせろと言われて・・・」


「そうですか」


ギルド職員であるミリアでも【幻影ファントム】の存在は謎のようだ。


ただミリアより上の人なら何か知っているような感じがした。


多分、謎に包まれたまま活動できているのも、その上の人が認めているからだろうと思う。


今、僕達にできるのは急ピッチで模擬戦の会場が建設される中、その模擬戦に向けて実力をつけていくしかない。

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