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50話
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僕達が視線を向けていると、それに気づいたように【竜の爪】のリーダー【大剣使いのロイ】が僕達の前にやってきた。
「よぉ、ライド。
話は聞いたぜ。
俺達より先に最下層を攻略したらしいな」
「う、うん」
僕達の噂は冒険者達の間でたくさん知れ渡ったから、もちろんロイ達の耳にも届いていたのだろう。
「どんな裏技を使ったんだ?」
「え?」
しかし、ロイは僕達の噂を全く信じていないように、そんなことを言った。
「だってそうだろ?
役に立たなかったお前が俺達より先に進めるわけがない」
「はぁ!?」
ロイは未だに僕を無能だと罵るように話した。
40階層の失敗を経験してもなお、ロイの気持ちは僕を解雇した時のままだとわかった。
「まぁ、いい。
すぐにまた最下層の攻略に復帰する。
俺達には頼もしい仲間が加わったからな」
そこでロイから本題でもある新加入したメンバーの話になった。
「あの人が誰かわかっているの?」
僕は思い切って、ロイに新メンバーである【魔法使いのクレア】のことを聞いてみた。
「なんだよ、興味あるのか?
冒険者唯一の攻撃できる魔法使いだろ。
その才能は俺達、トップ冒険者パーティーに相応しいじゃないか」
するとロイは自慢するように言った。
確かに表向きはすごい冒険者ではあるのだけど、その裏にある噂が問題なのだ。
「悪い噂があるのも知っているよね」
「あぁ、パーティーが壊滅するって噂か。
そんなのトップ冒険者である俺達には関係ない話だ」
僕がクレアの悪い噂の話をしても、ロイはまるで信じていないようにそう言った。
結成当初から組んでいた元メンバーだけに「不幸な出来事が起きてほしくない」と思ったが、僕の気持ちは無駄なようだ。
悪い噂よりもクレアのその実力を過信しているように感じる。
「危険だよ」
「俺達は平気だ。
他の冒険者と違って、俺達はトップ冒険者だからな」
僕が止めようとするも虚しく、ロイは全く聞く耳をもたない。
その後必死に止めようとしたが、すぐにロイは僕の話を聞くことはなくなり去っていってしまった。
ーーただ、その数日後、ロイが言ったように【竜の爪】が60階層を突破したという噂が流れてきた。
それは【虎の牙】に続いて、3組目の突破である。
今まで突破することができなかった階層をクレアが加入してすぐに突破したということは、確かにその実力は本物だといえる。
「よぉ、ライド。
話は聞いたぜ。
俺達より先に最下層を攻略したらしいな」
「う、うん」
僕達の噂は冒険者達の間でたくさん知れ渡ったから、もちろんロイ達の耳にも届いていたのだろう。
「どんな裏技を使ったんだ?」
「え?」
しかし、ロイは僕達の噂を全く信じていないように、そんなことを言った。
「だってそうだろ?
役に立たなかったお前が俺達より先に進めるわけがない」
「はぁ!?」
ロイは未だに僕を無能だと罵るように話した。
40階層の失敗を経験してもなお、ロイの気持ちは僕を解雇した時のままだとわかった。
「まぁ、いい。
すぐにまた最下層の攻略に復帰する。
俺達には頼もしい仲間が加わったからな」
そこでロイから本題でもある新加入したメンバーの話になった。
「あの人が誰かわかっているの?」
僕は思い切って、ロイに新メンバーである【魔法使いのクレア】のことを聞いてみた。
「なんだよ、興味あるのか?
冒険者唯一の攻撃できる魔法使いだろ。
その才能は俺達、トップ冒険者パーティーに相応しいじゃないか」
するとロイは自慢するように言った。
確かに表向きはすごい冒険者ではあるのだけど、その裏にある噂が問題なのだ。
「悪い噂があるのも知っているよね」
「あぁ、パーティーが壊滅するって噂か。
そんなのトップ冒険者である俺達には関係ない話だ」
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「危険だよ」
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その後必死に止めようとしたが、すぐにロイは僕の話を聞くことはなくなり去っていってしまった。
ーーただ、その数日後、ロイが言ったように【竜の爪】が60階層を突破したという噂が流れてきた。
それは【虎の牙】に続いて、3組目の突破である。
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