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魔法学校編

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「……分かりました。しかし敬語はもう癖ですので、そこだけはご容赦を。これからよろしくお願いしますね、レタアちゃん。」

「ああ!」

 ここに来てリィコの笑顔が溢れた。気を許してくれていると分かり、ワシもとても嬉しかった。



「フフフンフ~ン」

 友達が一人増え、下位クラスからすれば意味のない交流会にほーーーんの少し感謝しながら帰路に着くのだった。











 次の日の放課後に、窓側の皆とリィコの顔合わせをしようと約束した。これからリィコの特徴をどうにかするにあたって、皆と会う頻度も高くなるだろうからだ。

 実際にリィコの影薄を見ていないからなんとも言えないが、どんな原理でそうなっているのか、とても興味がある。

 ガウディロ、グリタリア、ニイナ、リィコ。昨日会っていない四人が仲良くなっているところを想像して、一人授業中にクフフと笑む。今日は一日中座学だったから、想像したり呪文について思考を巡らせたりと忙しかった。

 授業内容はだいたい知っていることだったので聞き流している。記憶力ない中でも覚えていられることもあるんだからね。えっへん!

 ちなみにこの話を皆にすると口を揃えて『威張れるほどじゃあないけどね』と苦笑いされるのは聞かなかったことにする。


 閑話休題。


 ついにその待ちに待った放課後になり、一人スキップしながら生徒玄関に向かう。リィコは小屋の存在を知らないだろうから、誰でも分かる場所で待ち合わせて一緒に向かうことにしたのだ。

 玄関に着きワシは辺りを見回すが、リィコの姿は見えない。ただ、彼女はすっごく頑張ってようやっと人並みの影の薄さになると言っていたし、もしかしたらワシに見えていないだけかもしれない。

 そう思って感知魔法を展開しようとするが、そうするとワシの膨大な魔力が他の人に知られてしまうと気がついた。

 どうも保有する魔力は隠せても、使う魔力は隠せないらしいからなあ。オリウェンドもワシの魔力を察知して飛んでくるくらいだし……。

 この阻害魔法も改善しないといけないな、と脳内やることリストに書き足す。

「レタアちゃん、遅くなりました。」

 さてどうしようかとウンウン唸っていると、リィコの声が右側から聞こえてきた。その方向に顔を向けると、昨日よりは薄いがなんとか認識できる程度の影薄さのリィコがそこにいた。きっとすっごく頑張ってくれているのだろう。

「リィコ! ワシも今来たから気にするな!」

「そうでしたか。……それで、どこに向かわれるのでしょうか?」

 少し不安そうにするリィコのそれを吹き飛ばすように、ワシはニシシと笑って一言だけ音にした。

「ああ、秘密基地じゃよ。」

 それを聞いたリィコは、不安に満ちていた目をほんの少しだけ輝かせたのだった。
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