千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法学校編

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 小屋に着くまでワシとニイナの間には会話もなく。しかし気まずい空気にもならず目的の場所に辿り着いた。

 小屋の中に入って一息ついたところで、ニイナが口を開いた。

「ご、ごめんねレタア。き、教室で……」
「ん? 何のことじゃ?」
「あの、声を……掛けなくて……」

「ああ、それか。全然気にしてないぞ。……じゃが、急にどうした? 昨日まで……ああ、いや、今日の午前中までは変わりなかっただろう?」
「そ、それが……」

 言いづらそうに口をつぐみ目を泳がせるニイナ。その様子から、何かあったのだろうことは分かった。まあ、詳しい内容までは分からなかったが。

「き、今日ね……昼休み……クラスの人達に……窓側の癖に馴れ合うなって……言われて……」
「ああ……なるほど。」

「それで、えと……暴力も振るわれそうになったんだけどね、なんか不思議なことが起きてね……今度は理解出来ない対象として怖がられちゃって……これからどうなるか……。だ、だから少しの間、人の目がある所ではお互い一人でいよう、って……なって……」

「そうか。その場にワシもいられたらまた違った対処ができたのにな……すまない。」

 ワシは魔法のことになると周りが見えなくなるようだ。ワシが呑気に一人で本を探している間に、四人がそんな目に遭っていただなんて。

 ワシは何故一人を選んだんだ? そんな風に後悔していると、ふと疑問が湧いた。

「そういえば、不思議なことって何じゃ?」
「そ、それは……こう、拳が私達に当たる直前、見えない何かに弾かれたみたいな……感じで……? 私達も良く分からなくて……」

「あ、不思議なことってそれか。」
「え……れ、レタアは分かるの!?」

「うむ、どうやら四人には防御魔法が掛けられているようじゃからな、そのおかげだろう。」
「ぼ、防御魔法!? そ、そそそんな高度な魔法が!?」

「うむ、それも……多分掛けたのはワシ。覚えてないってことは記憶を失った間に掛けられたもの、じゃな。」

 感知魔法を使った時にそれを見つけた。ワシの魔力で掛けられたこともすぐ分かった。

 防御魔法を掛ける程大事に思っていた四人のことを忘れたって……ワシ、馬鹿なのか? ……うむ、馬鹿なのじゃろうな。自問自答したら一瞬で答えが出た。

「み、み、み……」

 と、まあ脳内で自分の記憶力を嘆いていると、ニイナはフルフルと体を震わせ『み』を連呼する。み、み、みってなんじゃ?

 そう考えて首を傾げると、それに気づいたらしいニイナはクワっと目をカッ開く。

「み、皆が来たら話し合いだからね!」
「お、おおう……?」

 ニイナの凶変にタジタジになってしまうのも仕方なかろう。そもそもニイナの今の感情は何じゃ? 焦り?怒り?それとも……




 それがハッキリしたのは、ニイナから他の三人へ先程の話を聞かせてからじゃった。
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