千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法学校編

5-31 ミネルside

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 レタアちゃんが必死になって思い出そうと奮起する。それをサポートする形で一緒に考えていく。

「おや、レタアさん、もう具合はよろしいんですか?」

 その時、見知らぬ人が話しかけてきた。どうやらレタアちゃんの知り合いらしい。

「あ、はじめまして。ええと……?」
「ええと、誰じゃったっけ?でも知っているような……ふ、ふ、ふぁ……」

「あれ? この一瞬で忘れられてしまいましたか。アハハハハ! ……ゴホン、失礼。私はこの第三図書館の司書を務めております、ファッツァと申します。」
「そうですか、ファッツァさんですか。私はミネルヴァ・キールと申します。」
「そうじゃそうじゃファッツァさんじゃ! 思い出したぞ!」

 このファッツァさんという人、レタアちゃんに忘れられて落胆すると思いきや、笑い飛ばしたぞ。……もしやこの人、ただ者ではない?

 と、脳内で迷推理を披露している間、レタアちゃんとファッツァさんは尚も会話を続けていた。

「ところで、具合ウンヌンと仰っていましたが……ワシ、何故倒れたのか分からなくて。ファッツァさんは何か知りませんか?」
「おや、先程のことも覚えていないと? ふむ……」

 おやおや? この人、レタアちゃんが倒れた時、その場にいたな……?

 と、今度こそ名推理を脳内で披露した後、私は行動に移した。

「ファッツァさん、ちょっと良いですか?」

 レタアちゃんを一人にするのは忍びないが、私も事情は把握しきれていないのだ。この際全て聞いておこう、と言う作戦だ。

 レタアちゃんの耳に入らない程まで離れ、状況を聞く。どうしてもあの四人から聞くと、主観的な話ばかりだったから──それが悪いとは言っていない──客観的な話が聞きたかったのだ。

「それで、ファッツァさんから見た様子を窺いたくて。かくかくしかじかで……」
「ふむ、成る程。そうでしたか。では私の視点で見た時の状況をお話しします。」







 そして話された一切を聞き終えた私が最初に放った言葉と言えば、

「え、ファッツァさん幽霊だったの!?」

 だった。

 いや、ちゃんと話は聞いたさ。それでもその事実にたいそう驚いてしまったのも無理は無いだろう。だって普通の人間と見間違うほど不透明だし、足もあるし──幽霊だと言われた瞬間に確認した──、なごやかに話もできるし……

 まあ、それこそが記憶を失う間接的な理由だったのには複雑な思いしか無いが。
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