千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法学校編

5-30 ガウディロside

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 僕達窓側四人は、レタアとミネルさんのやり取りを傍から眺めることしか出来なかった。記憶を失った直接的な原因は僕達だから。

 そんな罪悪感を胸に秘めながら、二人の会話を聞くことに徹する。

「なぁ、ミネル。ワシ、今回は何を忘れたんじゃろうな。……今回は何故か思い出さなければならない気がして……。どうすれば良いと思う?」

「ふーむ、そうだねぇ……じゃあさ、記憶を失くした場所、つまり倒れる前にいた場所に行ってみたら? どこだっけ、ああ、ええと、第三図書館だっけ。そこに行ってみれば思い出すかもしれないじゃん!」

「それは良いな! 物忘れが激しいのはいつものことじゃが、やはり自分だけが忘れているのはスッキリしないからな!」

 僕たちの記憶を忘れたこと以外は普通で、あまりにもいつも通りすぎて、逆に僕たちは怖くなった。

 というか第三図書館に行って記憶のカケラでも思い出してしまったら、また辛くなるのはレタアじゃないか。だってそうだろう? 記憶を失う程触れられたくない話題だったのだから。

 そんな及び腰な態度はミネルさんにも見えていたようで。

「ほら、あなた達も行くの! ……大丈夫、どんなレタアちゃんでも怖がらないと言ってくれさえすれば。あの子は孤独がこの世で一番嫌いなの。それを強いなければ大丈夫。」

 小声でそう囁くミネルさん。レタアの事情も知っているらしい。そんな彼女が大丈夫と言うんだ。きっと大丈夫。そう言い聞かせて気を引き締めたのは僕だけじゃなかったみたいだ。皆の顔つきが変わった。

 さて、第三図書館に着いたは良いものの、これからどうするのだろう。取り敢えずレタアが探していた本を探すことから始めようと思う。

 そう提案してみると、他の三人も同じようなことを考えていたらしい。お互い頷き合って方々に散らばる。

 ミネルさんはレタアに倒れる前何をしていたかを聞き出していたようで。本人は何かの本を探していた、だがそれが何の本だったか思い出せない、と言っているのが聞こえた。

「あ、初めまして。ええと……?」
「……ええと、誰じゃったっけ? でも知っているような……ふ、ふ、ふぁ……」
「そうですか、ファッツァさんですか。私はミネルヴァ・キールと申します。」
「そうじゃそうじゃファッツァさんじゃ! 思い出したぞ!」

 二人は虚空に話しかけている。ユーリが言っていた第三図書館の司書さんだろうことは想像に難くない。

 ああ、やっぱりレタアは魔力をたくさん持っているんだな、と改めて実感すると共に、何故隠したがるのかがとても気になるのだった。
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