千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法学校編

5-28 ミネルside

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 私は放課後になるとほぼ毎日、日本で言う生徒会の活動に参加していた。というのも、各学年の出席は全員所属しなければならないという決まりがあったらしくて。

 生徒会役員は選挙とかで決めるわけではないらしく、どんなに人間性が壊滅的でも魔力があればなれる──ああ、この世界では生徒会ではなくザーキルグォンド会とかいう名称だ──らしい。

 ここでも魔力至上主義の風潮がありありと窺える。そんなんだから居心地も最悪で、本音を言えば他の役員とも関わり合いたくない。

 しかしめんど……ゲフンゲフン、魔力を使うような仕事も多く、そうも言ってられないというのが現状だ。

 そんなことで、今日もザーキル……何だっけ──ああ、思い出した。通称はキルグ会だったっけ──それの活動に勤しんでいた。


 その活動中に、魔力の暴発を肌で感じたのだった。こう、ビリビリするような。


 それはキルグ会の皆が感じたらしく、一斉に顔を上げてなんだなんだと辺りを見回していた。

 魔力量が多ければ多い程他人の魔力を感じられるようになるので、ここにいる各学年の主席達も今の魔力をハッキリと感じたのだろう。

「今のは……相当な量の魔力が暴発したような……いやしかしこの学園にこれ程の魔力持ちは存在しないはず。」

 五年生さいじょうきゅうせいであり所謂生徒会長の立場にある──キルグ会長と呼ぶらしい──リラ先輩は冷静に状況を分析する。しかし自分達より優れている人などいるわけないと言いたそうな言葉選びだと私は感じた。

 しかしその言葉を聞いた私一人だけは該当者を頭に思い浮かべてしまったのも仕方があるまい。レタアちゃぁん……

「ここのメンバー以外はゴミなんだから気のせいだろう?」

 四年生で副会長のアルク先輩。発言から分かる通り魔力至上主義筆頭だ。この人とは公私共に考え方が合わない。魔力を持つ人間が偉い、それ以外は人にあらず、みたいなことを本気で考えているのだから。来年このままこの人が会長になると考えるだけでとても、とっっっても憂鬱だ。

「ふん、見たことのない魔力の色だから部外者じゃないか?」

 三年生のオリウェンド先輩。彼は珍しい『魔力を見る目』を持つ家系の出だ。我がキール家のお抱え医、ヴァリアス先生と親戚なのでは、と私は睨んでいる。確証は無いけどね。

 そんな彼だからこそ今の発言につながる。うん、この人はとにかく自己中だから積極的には関わりたくは無いかな。仕事なら割り切れるが、それ以外の時はちょっと勘弁して欲しい。

「それにしてもこの魔力量なら、そこまで魔力が無い人間も感じ取れるのでは?」

 二年生のミニリュウン先輩は会長の分析に付け加えるように考えを述べる。魔力量を正確に把握出来る程の魔力持ちだ。

 そう、こういうところは尊敬に値するのだが、この人はあまりにも自由人でよく仕事をサボる。今日は珍しく来ていたから驚いてしまったのも何ら不思議ではないだろう。

「ちょっと今のでお腹が痛くなってしまったので……保健室行ってきます……」

 この人たちのことを考えていると、不思議と胃がキリキリ悲鳴を上げる。もう我慢できないと半分仮病を使い、この場からスタコラサッサと離れることにした。
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