千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ！〜

魔法学校編

5-18

「と、ところでミネルはワシに何用じゃった？」

　この中でミネルの怒りを封じられるのはワシだけ。そう考えて話題をあからさまに変える。

「……ああ、そうだったね。うん。」

　まだ怒りは収まりきれていないらしいが、話は通じるようだ。そのことに安堵しながら、次の言葉を待つ。

「レタアちゃん、取材させて。」
「何をじゃ？」
「勿論ラール……」

　あ、うん。何となく分かった。途中で切れたけど。ラールルについて何か調べているのじゃろう。

「ラール、ってもしかしてラールルのこと？」

　あ、と声を零したのはワシかミネルか。それが分からない程焦っていた。

　何せワシの正体を知らない人が四人もここにいたのじゃから。わ、わわ忘れていた訳じゃあないからな！　うん、きっとそう！

「何故レタアちゃんにその人のことを聞くの？」

　最もな疑問がガウディロから出る。ですよねー、とその疑問に思わず同意しそうになったところで。何か答えなければ一層怪しまれる事は必須。何か言い訳はないかと無い頭をひねる。

「あー、ええと……レタアちゃんは、ラールルさんの……親戚の友達の子孫の友達らしくて……？」

　ミネルが苦し紛れに出した答えがこれじゃった。なんだ、親戚の友達の子孫の友達って。それってまったくの他人じゃろうに。

　クッ……嘘に長けた人はワシの知り合いに……いないな。いたとしても今すぐここに呼べる人もいない。詰んだ。

「へぇー！　レタアすごい！」

　うおっ！？　ユーリが信じたぞ！？　意外とこの設定行けるかも？

「な訳ないでしょう？　ユーリ、落ち着いて考えてみなさいな」

　あ、はい。グリタリアにズバッと切られた。そうですよねー、誤魔化せないですよねー……

　さてどうしようか。無い頭を捻り絞ることに集中する。