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魔法学校編

5-15

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 難なく鍵を開け、小屋の中に入る。うげ、さすがに埃っぽい。そりゃあ千年くらいは経ってるからな。当たり前っちゃあ当たり前か。むしろ千年にしては量が少ない、か……?

「わあ……すごい! ヒト一人くらいなら住めそう! 広さは無いけど、キッチンもベッドもあるし!」

「学園にこんな場所があったなんて……思いもよらなかったな。」

「で、でも勝手に入っても良いのかな?」

「こんなに埃が溜まっているのを見れば、誰かが使っていたとは思えないわ。なら有効活用して差し上げても良いのではなくて?」

 皆それぞれ楽しそうに話す。まるで秘密基地を見つけてワクワクしているようにも見えた。まあ、その気持ち、分からんでもない。

 さて、どうしようか。魔法を使えば一瞬で掃除できるが、魔法が使えないからこそ出来た友達を一瞬のうちに失うのは嫌だ。と言うことで、それは候補から除外。

 だからといってこの埃っぽい場所でご飯を食べるのも嫌じゃな。連れてきた本人と言うのもあり、綺麗な場所を提供出来ず罪悪感に苛まれる。

「皆、すまない……こんなに汚いとは思わなくて……場所、変えようk」
「え、じゃあここの外で今日は食べない? で、さっさと食べて小屋の掃除するの! そうすれば明日からここ、使えるじゃん!」

 ユーリが楽しそうにそう提案してくれた。その顔があまりにも楽しそうで、嬉しそうで。その明るさに、ワシは救われた気がした。








「うわぁー……終わったぁ……」

 五人で掃除すればあっという間で。しかしそれでもかなりの重労働だった。小屋の冷たい床に五人とも倒れ込む。

「こんなに疲れたのなんていつぶりだろう……」
「魔法の実習と同じくらい疲れたかも……」
「それは同意……」
「私も魔法の訓練は難儀したわ……」

「な、なんで魔法なんてあるんでしょう……私達には縁のない代物ですし……」
「そ、そそそそうじゃな……」

 話を合わせるため、とは言っても嘘をつくのは忍びない。吃ってしまうのも仕方ないだろう。泳いだ目を見られなかったことが救いだった。

「でもまぁ、これでこの小屋があたし達の秘密基地となったわけだけど……まずどうします?」

 疲れながらも楽しそうに提案してくれるのはやはりユーリ。その言葉をきっかけに、わしらはこれからの事について、昼休みが終わるまで話し合うのだった。
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