128 / 200
魔法学校編
5-7
しおりを挟む
あの後クラス全員で校内探検をし──あの名乗りもしなかった担任(笑)が嫌そうに、それでも一応最低限の仕事は熟すらしい──、すぐ解散となった。
次の日、この日からはいよいよ授業が始まる。
ワシは寮から校舎までの道のりを散歩感覚でゆっくり歩いていく。ミネルは主席者として色々忙しくしているらしく、暫く一緒にいられないと言っていた。……ちと鍛えすぎたかの?
まあ、そんなわけで、今は一人じゃ。クラスに行けばきっとニイナがいるだろうし、と楽観的にいた。
それが間違いだと気付くのは、その日のお昼じゃった──誰じゃ、気付くの遅すぎると言うのは──。
「あら、ごめんあそばせ? 私、魔力の少ない人ってヒトとして見れないって言いますかぁ~」
こんな感じで今日一日中クスクスと嘲笑を浴び続け、ドンと背中を押されたりしている。
まぁ、かすり傷も付いていないからどうでもいいや、と何も反論もせずにその場を後にし続けている。はて、これで何度目じゃろうか?
それにしてもこの感じ、前世でこの学園に入ったばかりの頃と同じだなぁ、としみじみ淡い記憶を辿る。
前世ではもちろん魔力を偽ったりしなかった──当時の魔力を測る魔道具は今よりも粗悪だったが、それでも規格外の数値を叩き出し主席入学した──から、自分と掛け離れた力を持つワシを化け物を見る目で蔑み、結果として所謂いじめが始まった。その頃は嫌だなあ、だなんてぼんやり考えていた。
まあ、それもすぐ終わったのじゃが。
あまりにも掛け離れた力の差を恐れ、腫れ物に触れないように、ワシを怒らせて被害が自分に降りかからないように、ワシの周りからはいじめっ子すらも離れていった。
それを考えたら、今の状況は実害もないし放っておいても良いだろう。
あ、前言撤回! 放っておいたら大変じゃ!
というのも、昨日仲良くなったニイナが目を合わせてくれなくなったんじゃ! これもそれもいじめっ子がワシにロックオンしたからじゃ! どうしてくれよう!
これはマズイ! 友達たくさん大作戦が瓦解する! アワアワと内心慌てふためくが、すぐ良案が出てくるわけでもなく。午後の授業中ずっとそのことを考え続けるのだった。
そのせいで、先生の話を全く聞いていなかった。まあ、自業自得と言われればそれまでなんじゃがな、次の日にもっと慌てふためくことになるのじゃった。
「この授業では三、四人のグループを作って学習してもらう。次の授業までに作っておくこと!」
次の日、この日からはいよいよ授業が始まる。
ワシは寮から校舎までの道のりを散歩感覚でゆっくり歩いていく。ミネルは主席者として色々忙しくしているらしく、暫く一緒にいられないと言っていた。……ちと鍛えすぎたかの?
まあ、そんなわけで、今は一人じゃ。クラスに行けばきっとニイナがいるだろうし、と楽観的にいた。
それが間違いだと気付くのは、その日のお昼じゃった──誰じゃ、気付くの遅すぎると言うのは──。
「あら、ごめんあそばせ? 私、魔力の少ない人ってヒトとして見れないって言いますかぁ~」
こんな感じで今日一日中クスクスと嘲笑を浴び続け、ドンと背中を押されたりしている。
まぁ、かすり傷も付いていないからどうでもいいや、と何も反論もせずにその場を後にし続けている。はて、これで何度目じゃろうか?
それにしてもこの感じ、前世でこの学園に入ったばかりの頃と同じだなぁ、としみじみ淡い記憶を辿る。
前世ではもちろん魔力を偽ったりしなかった──当時の魔力を測る魔道具は今よりも粗悪だったが、それでも規格外の数値を叩き出し主席入学した──から、自分と掛け離れた力を持つワシを化け物を見る目で蔑み、結果として所謂いじめが始まった。その頃は嫌だなあ、だなんてぼんやり考えていた。
まあ、それもすぐ終わったのじゃが。
あまりにも掛け離れた力の差を恐れ、腫れ物に触れないように、ワシを怒らせて被害が自分に降りかからないように、ワシの周りからはいじめっ子すらも離れていった。
それを考えたら、今の状況は実害もないし放っておいても良いだろう。
あ、前言撤回! 放っておいたら大変じゃ!
というのも、昨日仲良くなったニイナが目を合わせてくれなくなったんじゃ! これもそれもいじめっ子がワシにロックオンしたからじゃ! どうしてくれよう!
これはマズイ! 友達たくさん大作戦が瓦解する! アワアワと内心慌てふためくが、すぐ良案が出てくるわけでもなく。午後の授業中ずっとそのことを考え続けるのだった。
そのせいで、先生の話を全く聞いていなかった。まあ、自業自得と言われればそれまでなんじゃがな、次の日にもっと慌てふためくことになるのじゃった。
「この授業では三、四人のグループを作って学習してもらう。次の授業までに作っておくこと!」
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる