千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法教師編

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 確かにアルタやミネルの言う通り、魔物の数が多いようじゃな。何せもう既に二十は超える程倒したはずなのに、一向に数が減らないから。倒しても倒しても無限に湧いて出てくるようじゃ。ふむ……それならどうするか……

「ねぇ、レタアちゃん。なんでそんな、体力、あんの!?」

 色々考えながら討伐していると、少し息の上がったアルタにそう聞かれる。お互い魔物を倒しながら会話を続けることにした。

「ワシは疲れてきたら自分に回復魔法を使ってるからな。」
「いいなっ!?」
「む……仕方ないな。」

 フワッと回復魔法をアルタにも使ってやり、自分にも今一度使う。いいな、だなんて言われちゃあ、な。

 それにしてもやはりワシの体力筋力諸々は前世の全盛期に遠く及ばないようじゃな。まあ、まだ生まれて数年しか生きていないからな、仕方ないのじゃろう。これからも鍛錬に励まなければ。そう意気込みながらまた魔物に剣を突き刺す。

「さて……」

 キリがないから何か魔法でも使ってさっさと終わらせたい所なのじゃが──何せ戦力が一人減ったからな(もちろんミネルのことじゃ)、早く帰ってお茶にでもしたい所なのじゃよ──。

 ここまで数が多いといつものように血を抜いて一掃することは不可能じゃ。それのやり場が無くなるし、何よりこの魔物の動きが早いからな。魔法が魔物に追いつかん。

 まあ仮に全魔物に魔法を使えたとしても、そもそも抜いた血を入れる瓶もそんなに持ってきてはいない。だからと言って抜いたその大量の血をそこら辺に放置すれば、きっと他の魔物が寄ってくる。そうすればワシらは今すぐ帰れない。イコールお茶が飲めない。

 それなら、違う魔法を……!

「……アルタ、ミネルの所に行ってくれ。キリがないからあとはワシが一掃する。」
「わ、分かった。」

 木の上にアルタが避難したのを確認したワシは、探知魔法でどれ程ワシらに敵意を持つ魔物がいるかを確認する。

 ふむ、既に切り倒したのと同等程度の数の魔物がいるらしい。その数約三十。

 さてなんの魔法を使うかと瞬時に考え、探知魔法に引っかかった全魔物を氷魔法を使って凍らせる。ゴトンゴロンとその場に倒れる魔物達。よし、おーわり。

「っ……」

 なんじゃ? 急に頭がクラクラし始めた……? もしかして魔物がいなくなったことによる安堵で、疲れがドッと溢れてきたか?

 ……よく分からんが回復魔法使っとけ。すると変な感じは無くなる。ふむ、やはりただの疲れか。

 取り敢えず一息つき、魔物をパパッと鞄に仕舞っておく。もちろん収納魔法を兼ね備えた鞄に、じゃよ。

 よし、あとは帰るだけじゃ。おやつ楽しみじゃな~!

「よし、二人とも帰るぞー。」
「はーい」
「レタアちゃんありがとう。でもせっかくレタアちゃんに良いところ見せるチャンスだったのになぁ……筋トレ増やすか。」
「私ももっと頑張んなきゃ!」
「二人とも、ほどほどになー。よし、転移!」

 ほのぼのとお喋りをしながらミネルの家の庭に三人で転移する。よし、おやつおやつ~

 一瞬で帰ってきたことにまた安堵したからか、フッと世界が暗転した。
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