千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法教師編

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 あー、なんか疲れた。ディエゴと会話するのは結構精神力が必要じゃな。まだこちらの話を聞き入れてくれるだけ、あのゴル……なんとかよりはマシじゃが。

「さて、帰るか。」

 もう夜も遅い。こんな時間にか弱い女子(笑)が外を彷徨いたら面倒ごとに巻き込まれる可能性があるからな。杏子屋やどやの前へと転移する。

 そうそう、前世の家があるのだからそこに帰らないのかと聞きたいかもしれんが、その答えとしてワシは否と言うじゃろう。あの場所には色々思い出は多いが、どうしても孤独だったことを一番に思い出してしまうからな。それより断然今の暮らしの方が良い。

「さてついた。」

 あ、忘れるところじゃった。杏子屋に入る前に幻影魔法を掛け替えていつものワシ(十五歳)に戻さねば。フワリと魔法を掛けてから杏子屋の扉を開ける。

「あ、レタアさんおかえりなさい!」
「ただいま。」

 ここの看板娘、オルコットが笑顔で出迎えてくれた。ああ、ここは暖かい。ここではワシも一般市民でいられる。この場所は何が何でも守らなければならないと今一度決心を固める。

「今日の夕飯は……野菜スープと黒パンですよ~」
「お! それは楽しみじゃな!」

 あはは、と笑いながら二人で食堂へと向かう。





「ふー、美味かった。」

 部屋のベッドにゴロンと寝転び、食事の余韻に浸る。さてさて、もう今日は眠ってしまおうか。

 明日は警備の仕事が休み。ということはミネルの魔法訓練日じゃな。よーし、何をしようか……

 あ、そうじゃ。あの魔法の呪文はどんなものか、ディエゴに聞いておけば良かったな。今からでも遅くはないだろうか。思い立ったが吉日、一応聞いておくことにした。

 伝達魔法の鳥を作り出し、音声を録音する。

「ディエゴ、ワシ、レタアじゃ。単刀直入に言う。……、……」







「おはようミネル!」
「おはようレタアちゃん! と、アルタさん!」
「おはよー」

 今日もいつも通りミネルを迎えにきた。もちろん、アルタも一緒に。

「ミネル、今日は気分転換がてら実戦的な訓練じゃ。」
「もしかして……魔物しょくざい狩り!?」
「ブフッ……」

 アルタもミネルの心の内──魔物と書いて食材と読む──が読めたらしく、吹き出した。まあ、今のは分かりやすかったからな。ワシも不意打ちに笑ってしまうところじゃった。危なかった。

「ああ。しかし、一つ新しいことをやってみる。」
「??」
「ミネル、感知魔法、使ってみるか?」

 にやぁっと笑ってみる。さて、どうなるかじゃな。
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