104 / 200
魔法教師編
4-23
しおりを挟む
あー、なんか疲れた。ディエゴと会話するのは結構精神力が必要じゃな。まだこちらの話を聞き入れてくれるだけ、あのゴル……なんとかよりはマシじゃが。
「さて、帰るか。」
もう夜も遅い。こんな時間にか弱い女子(笑)が外を彷徨いたら面倒ごとに巻き込まれる可能性があるからな。杏子屋の前へと転移する。
そうそう、前世の家があるのだからそこに帰らないのかと聞きたいかもしれんが、その答えとしてワシは否と言うじゃろう。あの場所には色々思い出は多いが、どうしても孤独だったことを一番に思い出してしまうからな。それより断然今の暮らしの方が良い。
「さてついた。」
あ、忘れるところじゃった。杏子屋に入る前に幻影魔法を掛け替えていつものワシ(十五歳)に戻さねば。フワリと魔法を掛けてから杏子屋の扉を開ける。
「あ、レタアさんおかえりなさい!」
「ただいま。」
ここの看板娘、オルコットが笑顔で出迎えてくれた。ああ、ここは暖かい。ここではワシも一般市民でいられる。この場所は何が何でも守らなければならないと今一度決心を固める。
「今日の夕飯は……野菜スープと黒パンですよ~」
「お! それは楽しみじゃな!」
あはは、と笑いながら二人で食堂へと向かう。
「ふー、美味かった。」
部屋のベッドにゴロンと寝転び、食事の余韻に浸る。さてさて、もう今日は眠ってしまおうか。
明日は警備の仕事が休み。ということはミネルの魔法訓練日じゃな。よーし、何をしようか……
あ、そうじゃ。あの魔法の呪文はどんなものか、ディエゴに聞いておけば良かったな。今からでも遅くはないだろうか。思い立ったが吉日、一応聞いておくことにした。
伝達魔法の鳥を作り出し、音声を録音する。
「ディエゴ、ワシ、レタアじゃ。単刀直入に言う。……、……」
「おはようミネル!」
「おはようレタアちゃん! と、アルタさん!」
「おはよー」
今日もいつも通りミネルを迎えにきた。もちろん、アルタも一緒に。
「ミネル、今日は気分転換がてら実戦的な訓練じゃ。」
「もしかして……魔物狩り!?」
「ブフッ……」
アルタもミネルの心の内──魔物と書いて食材と読む──が読めたらしく、吹き出した。まあ、今のは分かりやすかったからな。ワシも不意打ちに笑ってしまうところじゃった。危なかった。
「ああ。しかし、一つ新しいことをやってみる。」
「??」
「ミネル、感知魔法、使ってみるか?」
にやぁっと笑ってみる。さて、どうなるかじゃな。
「さて、帰るか。」
もう夜も遅い。こんな時間にか弱い女子(笑)が外を彷徨いたら面倒ごとに巻き込まれる可能性があるからな。杏子屋の前へと転移する。
そうそう、前世の家があるのだからそこに帰らないのかと聞きたいかもしれんが、その答えとしてワシは否と言うじゃろう。あの場所には色々思い出は多いが、どうしても孤独だったことを一番に思い出してしまうからな。それより断然今の暮らしの方が良い。
「さてついた。」
あ、忘れるところじゃった。杏子屋に入る前に幻影魔法を掛け替えていつものワシ(十五歳)に戻さねば。フワリと魔法を掛けてから杏子屋の扉を開ける。
「あ、レタアさんおかえりなさい!」
「ただいま。」
ここの看板娘、オルコットが笑顔で出迎えてくれた。ああ、ここは暖かい。ここではワシも一般市民でいられる。この場所は何が何でも守らなければならないと今一度決心を固める。
「今日の夕飯は……野菜スープと黒パンですよ~」
「お! それは楽しみじゃな!」
あはは、と笑いながら二人で食堂へと向かう。
「ふー、美味かった。」
部屋のベッドにゴロンと寝転び、食事の余韻に浸る。さてさて、もう今日は眠ってしまおうか。
明日は警備の仕事が休み。ということはミネルの魔法訓練日じゃな。よーし、何をしようか……
あ、そうじゃ。あの魔法の呪文はどんなものか、ディエゴに聞いておけば良かったな。今からでも遅くはないだろうか。思い立ったが吉日、一応聞いておくことにした。
伝達魔法の鳥を作り出し、音声を録音する。
「ディエゴ、ワシ、レタアじゃ。単刀直入に言う。……、……」
「おはようミネル!」
「おはようレタアちゃん! と、アルタさん!」
「おはよー」
今日もいつも通りミネルを迎えにきた。もちろん、アルタも一緒に。
「ミネル、今日は気分転換がてら実戦的な訓練じゃ。」
「もしかして……魔物狩り!?」
「ブフッ……」
アルタもミネルの心の内──魔物と書いて食材と読む──が読めたらしく、吹き出した。まあ、今のは分かりやすかったからな。ワシも不意打ちに笑ってしまうところじゃった。危なかった。
「ああ。しかし、一つ新しいことをやってみる。」
「??」
「ミネル、感知魔法、使ってみるか?」
にやぁっと笑ってみる。さて、どうなるかじゃな。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる