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魔法教師編

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 時間と場所を教えられ、更にモジャヒからいくつか言われたことを素直に実行する。魔法に詳しい人という設定で、今夜開かれる会議に出席するしのびこむことになったのじゃ。

 モジャヒからいくつか言われたこと、といってもただ学園卒業の証二つを身につけ、少し大人びたワシの姿を幻影魔法で作り出すだけなのじゃが。

「ふむ、魔法しか秀でたものがないワシに何か出来ることはあるのか……」

 魔法以外の知識が何もないワシが行っても……と、少し悲観的になってしまった。いやいや、そこんところは分からないが多分猫の手も借りたい程行き詰まっているのかもしれない。と、考えることを放棄する。

「お、ここじゃな。」
「おー、レタア、だな?」

 会議をする会場の前にいたのはモジャヒとダナルンだった。ここで待ち合わせをして、三人一緒にエントリーする流れとなっているんじゃよ。モジャヒはギルドの長として、ダナルンは警備担当の長として。

 ワシはそんな二人に駆け寄る。

「すまない、遅くなった。」
「いや、時間ぴったりだ。」
「なら良かったのじゃ。」
「……レタアの姉、か?」

 モジャヒはいつも通りの反応だったが、隣にいたダナルンはぽかんと口を開けて呆ける。さらにワシの姿を見てレタアの姉かと聞かれた。

「ダナルン、ワシじゃよ。レタア本人。」

 ニコーッと笑ってみたが、ダナルンはそれでも納得しなかったらしい。

「は? だってどう見たって二十歳は過ぎてるぞ、その見た目……」
「魔法を使えばこんなことも朝飯前じゃよ!」
「はあー……魔法って凄いんだな。」
「うむ!」

 ようやく納得してくれた。まあ、魔法が使えない人からすれば、見た目がほいほい変わるのは非現実的なことなのじゃろうことは推測出来る。

「ダナルン、言っておくがレタアは規格外だから、これを基準に考えてはいけないぞ。常時魔法を使い続けるだなんて、魔力量がいくらあっても足りないんだからな。」
「う、うっす! 肝に銘じます!」

 規格外だなんてそんな褒めなくても良いのに~。頬に手を当てて照れを逃す。

「ああ、そろそろ時間だな。」
「うっす。」

 さて、どんな会議になるのじゃろうな。見当がつかない不安はあるが、まあ、何かあれば魔法でどうにでもなるか。と、楽観視する。
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