千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法教師編

4-14

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 その後昼食を早々に切り上げ、ワシはギルドに早足で向かう。

「ええと……あ! グリン!」
「ああ、レタアさん。どうされました?」

 ワシが受付にいたグリンに駆け寄ると、彼女はにっこり笑顔で返事をしてくれた。この数年でグリンとも随分と打ち解けたように感じるなぁ……。

 グリンと出会った当初、彼女はワシを見て『面倒くさそうな新人が来たなぁ』としか思っていなかったらしいからな。そこから世間話をするまでの仲になったんじゃ。打ち解けたと感じるのも普通じゃな。うむうむ!

 と、嬉しい気持ちを内心に秘めながら聞きたいことを質問してみた。

「モジャヒに会いたいんじゃが……今日はさすがに予定いっぱいじゃよな?」
「ちょっと待ってくださいね……」

 そう言ってモジャヒの予定を確認してくれるグリン。

「……あ、今ならもしかしたら大丈夫かもしれません。長は今昼食を取っている時間ですので。」
「そうか?」

 昼食時間に行くのも申し訳ない気がしたが、まあ、結構重要な事柄なので行くとしよう。

「ええ。取り次いでみますね。」
「お願いしますなのじゃ。」





「失礼しまーす……」

 申し訳なさげにモジャヒのいる部屋に入る。すると頬いっぱいにご飯をかきこむモジャヒの姿があった。それを見てワシは咄嗟にリスを想像してしまった。屈強なリス……フフ、フ……面白い……

「もごもがもごご。」

 もぐもぐごっくん。モジャヒはご飯を飲み込み、その後お茶も一口飲む。

「……ふー、レタアじゃないか。久し振りだな。」
「じゃな。」
「この頃会ってなかったが、お前さんの噂はここまで聞こえてきていたぞ。」
「へ?」

 素っ頓狂な声を上げてしまった。じゃがそうなるのも普通じゃ。だってワシ、何か噂されるようなことしただろうか?

 噂が何か思い当たらず首を傾げる。

「まあ、まず座れ。」
「はーい」

 座り心地の良いソファにぽすんと座り、一息つく。

「で、噂のレタアサンよ、何があった? お前さんが用もなくここには来ないからな。」
「まあな。と言ってもモジャヒも耳に入れているだろうことなのじゃが。」
「ふむ……というと?」
「魔物の活性化。」

 それを聞いたモジャヒは一瞬驚き、その後納得したような表情に変わる。

「ほう。そのことなら……そうだ、まさに今夜話し合うところだったんだよ。」
「へぇ……」

 じゃあワシの出る幕はない、か。それなら何故ダナルンはワシにこの話を振ったのか……分からんな。

 もしかしたら捜査に行き詰まっているのかもしれん。ふむふむ……

「じゃあちょうどいいからお前さんもそれに出ろ。」
「え。」

 モジャヒの意外な提案に驚き、ワシはあんぐり口を開けて呆けてしまった。
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