千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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魔法教師編

4-7

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「……だが、ミネル……長く生きるのはそんなに良いものでもないぞ?」

 ワシは長く生きるために裏技というか……工夫をしている。だからこそ千年もの長い間一人で平然と生きられたのじゃ。

 前世のワシは『忘れる』ことで騙し騙し生きていた。それが度を過ぎてしまったことで、今世は逆の意味で大変な思いをしているのじゃが。まあ、そんな感じじゃ。

「レタアちゃんが一緒なら、長く生きるのも楽しそうだし! だから私、レベル二になりたい!」

 ミネルのキラキラした笑顔があまりに眩しくて、ワシはきゅっと目を細める。

「ふっ……そうか。そこまで言うなら、レベル二になれるように訓練していこうか。」
「うん!」

 ミネルの魔法の訓練に、この日新たな目標が出来たのじゃった。








 次の訓練日。今日は広い空き地で魔法の訓練をすることにした。そう、レベル二になるための。

「いいか、ミネル。魔法というのはとにかくイメージすることが大事じゃ。イメージが明確であればある程、呪文という支え無しでも魔法が扱える。多分この世界の人間は皆想像力が乏しいからこそ呪文に頼りきりになるのじゃろう。

……ということでまずは呪文を短縮させても安定して魔法を操る訓練じゃ。」
「分かった!」

「魔法が暴発しても良いように防御魔法を至る所に掛けておくからな。暴発を恐れずにやってみろ。」
「分かった!」
「二人とも頑張れー」

 ワシら二人の間にある緊張感を台無しにするかのようにゆる~く声を掛けるアルタは、ワシとミネルのやり取りを少し離れたところから見守っている。そんな気の抜けるような声で応援されると、こちらまで気が抜けてしまうじゃろうが。

 ああ、そういえばワシがラールルの生まれ変わりだと話した後、アルタは三日程ワシの目の前から消えた。しかしその後すぐにひょっこり現れて『まあ、僕には難しいことは分からないけど、レタアちゃんはレタアちゃんに変わりないからね。今まで通り変わらずよろしく。』と言っておった。多分、考えることをやめて自分の感じるままに! みたいな結論を出したのじゃろう。

 変によそよそしくなったり嫌われたりしなくて良かった、とワシが胸を撫で下ろしたのは良い記憶というかなんというか。

「じゃあレタアちゃん、行くよー!」
「ああ!」

 至る所に、もちろんアルタにも防御魔法を重ね掛け、ミネルの魔法がどれ程のものか見極めることにしようか。
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