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冒険者編
おまけ
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アルタside
レタアちゃんとミネルちゃんが魔法でどこかに消え、応接間にミネルちゃんの父母と僕が取り残された時の話。
「レタアさんはレベル二、か…………」
「まあまあ! レタアさんは相当素晴らしい魔法使いなのね! ……あ、そうだわ、アルタさん……でしたわよね?」
「は、はい。」
「あなたはミネルヴァとレタアさんとどういうご関係なのかしら?」
「……み、ミネルヴァさんはつい最近知り合ったお友達で……レタアさんは……」
僕はここに来る前にミネルちゃんと話して決めた『護衛兼彼氏』という設定を、この時すっかり忘れて本当のことを言ってしまった。
「僕の片想い相手、です。」
「あらあらまあまあ! そうなのね!」
きゃあっ、とはしゃぐミネル母さん。しかしそれも一瞬のことで、すぐ真顔になった。
「でもあなた、魔力はお持ち?」
「い、いえ……」
「そう。……少し厳しいことを言っても良いかしら。」
「は、はい……」
「レベル二ということは、彼女は相当魔法に秀でた方なようね。だからこそ、魔力量によって寿命が変わるこの世界において、魔力を持つ者と持たない者が結ばれたとしても……魔力持ち、所謂レタアさんが何十年後、あなたに置いていかれる。そこをよく考えないといけないわ。」
「っ……」
それはレタアちゃんにも言われたことだった。置いていかれる側の気持ちを考えろ、と。
置いていかれる悲しみは僕も理解しているつもりだ。冒険者なんてものをやっていれば、仲間の死は日常的だったから。だが、だが……
ぎゅっと膝の上に置いていた両手を強く握る。
「……で、でも……それでも、僕はレタアちゃんと一緒にいたい。僕が先に死んだ時レタアちゃんを悲しませるかもしれないけど、それ以上に生きている間、レタアちゃんを楽しませたい。たくさんの思い出を作りたい。……です。」
僕の本音を吃りながらも曝け出す。すると……
「……ふふっ、私達が口を出すまででも無かった、というわけね。」
フッと緊張の和らいだ声が耳に入る。その声を、言葉を聞いて、それまで入っていた力が全身から抜けた。
「外野が何を言う、と言われるかもしれないけれども、それくらい違うのよ。パートナーが死んでから四、五十年も廃人のように一人で過ごす、という人もたくさん見てきたからね。」
「……。」
「私、あなたを応援するわ! 頑張ってレタアさんを落とすのよ!」
「あ、はは……はい。」
とても心強い味方を得た気分だった。
「魔力持ちについて何か知りたいことがあれば、是非頼って頂戴。微力かもしれないけれども、力になるわ。」
「はは、ありがとうございます。」
僕も笑顔を浮かべる余裕が出てきたその時、ふわりとレタアちゃんが戻ってきた。
レタアちゃんとミネルちゃんが魔法でどこかに消え、応接間にミネルちゃんの父母と僕が取り残された時の話。
「レタアさんはレベル二、か…………」
「まあまあ! レタアさんは相当素晴らしい魔法使いなのね! ……あ、そうだわ、アルタさん……でしたわよね?」
「は、はい。」
「あなたはミネルヴァとレタアさんとどういうご関係なのかしら?」
「……み、ミネルヴァさんはつい最近知り合ったお友達で……レタアさんは……」
僕はここに来る前にミネルちゃんと話して決めた『護衛兼彼氏』という設定を、この時すっかり忘れて本当のことを言ってしまった。
「僕の片想い相手、です。」
「あらあらまあまあ! そうなのね!」
きゃあっ、とはしゃぐミネル母さん。しかしそれも一瞬のことで、すぐ真顔になった。
「でもあなた、魔力はお持ち?」
「い、いえ……」
「そう。……少し厳しいことを言っても良いかしら。」
「は、はい……」
「レベル二ということは、彼女は相当魔法に秀でた方なようね。だからこそ、魔力量によって寿命が変わるこの世界において、魔力を持つ者と持たない者が結ばれたとしても……魔力持ち、所謂レタアさんが何十年後、あなたに置いていかれる。そこをよく考えないといけないわ。」
「っ……」
それはレタアちゃんにも言われたことだった。置いていかれる側の気持ちを考えろ、と。
置いていかれる悲しみは僕も理解しているつもりだ。冒険者なんてものをやっていれば、仲間の死は日常的だったから。だが、だが……
ぎゅっと膝の上に置いていた両手を強く握る。
「……で、でも……それでも、僕はレタアちゃんと一緒にいたい。僕が先に死んだ時レタアちゃんを悲しませるかもしれないけど、それ以上に生きている間、レタアちゃんを楽しませたい。たくさんの思い出を作りたい。……です。」
僕の本音を吃りながらも曝け出す。すると……
「……ふふっ、私達が口を出すまででも無かった、というわけね。」
フッと緊張の和らいだ声が耳に入る。その声を、言葉を聞いて、それまで入っていた力が全身から抜けた。
「外野が何を言う、と言われるかもしれないけれども、それくらい違うのよ。パートナーが死んでから四、五十年も廃人のように一人で過ごす、という人もたくさん見てきたからね。」
「……。」
「私、あなたを応援するわ! 頑張ってレタアさんを落とすのよ!」
「あ、はは……はい。」
とても心強い味方を得た気分だった。
「魔力持ちについて何か知りたいことがあれば、是非頼って頂戴。微力かもしれないけれども、力になるわ。」
「はは、ありがとうございます。」
僕も笑顔を浮かべる余裕が出てきたその時、ふわりとレタアちゃんが戻ってきた。
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