58 / 200
冒険者編
3-13
しおりを挟む
「ねぇ、レタアちゃん。」
「なんじゃ?」
タタタッとこちらに戻ってきたミネルはワシに話しかけてきた。む? なんじゃろう?
「レタアちゃんにかかっている呪いって誰からかけられたの?」
「ばっかミネルヴァ! 直球に聞く馬鹿がどこにいる!」
ミネルに質問され、イーニャお婆ちゃんは何故か焦る。マルとアルタは驚きつつも黙ってやり取りを見ていた。
じゃが、はて、呪い、呪い……? 呪いなんて受けてないし、そんなのかけられそうになったら跳ね返すが……?
首を捻って思い出そうとしたが、全く思い当たる節はない。うむむ? 何か勘違いしているんじゃないか?
「呪い……とはどういうことじゃ?」
「え、自覚してないの?」
「まさかそんなことがあるのかい?」
ミネルだけでなくイーニャお婆ちゃんにも驚かれたぞ。むむむ?
「レタア、お前さんは自分にかけられた呪いを自覚していないのか?」
「ワシにかけられた……あ。」
呪いではないが、魔法なら掛けたな。自分で。
「もしかしてあれ、かの?」
自分で掛けた感知阻害魔法と幻影魔法。あれは呪いではないな。
「思い出したのかい?」
「あ、いや、自分で掛けてるからな。思い出す云々ではないのじゃが。」
「はぁ!? お前さんはアホなのかい!? いや、魔力量がアホなのかい!?」
え、イーニャお婆ちゃんにアホって言われた……。ちょっと傷ついた。
というか魔力量がアホって何じゃ?
「魔力切れを起こさないのかい!? 常時魔法を使い続けると魔力量的に他の魔法が使えんだろう!? 効率悪いだろう!?」
「どうどう。」
鼻息荒く質問攻めするイーニャお婆ちゃん。とにかく落ち着いてくれ。ワシが口を挟む余裕すらないからな。
「イーニャお婆ちゃん、ワシは他の魔法も使えるぞ? ほれ。」
ここは室内なので無害そうな水の玉をポワッと作り出す。
「なっ、レベル三!?」
「あ、やべ。」
呪文唱えるの忘れてた。どう誤魔化そう。ダラダラと冷や汗をかく。
「え、えーと、それは置いておいて。ワシは常時魔法を掛けていても魔法は使えることの証明は出来たじゃろう?」
ヒラヒラと両手を振って自分が無害であることを表現する。が、イーニャお婆ちゃんはまだワナワナと震えている。
「お前さん、何者だい?」
「昨日も言ったじゃろう? 新人冒険者のレタアちゃんじゃと。」
「そういうことを言ってるんじゃないよ。その年齢でレベル三とか前代未聞だろう?」
「あー……」
「婆ちゃん、レタアちゃんは私と同年だよ。」
「「「はぁ!?」」」
ミネルの爆弾投下にイーニャお婆ちゃんとアルタ、マルが一斉にワシを見る。それもくわっと目を見開いて。その顔怖いんじゃが。
「どう見ても十五、六だろう!?」
「身長とかはどうなってるの!?」
「……。」
今まで黙っていたアルタもイーニャお婆ちゃんと共に騒ぐ。マルは現実を受け入れられないようで軽く気絶していた。
さて、これはどう収拾をつければいいじゃろうか。
「なんじゃ?」
タタタッとこちらに戻ってきたミネルはワシに話しかけてきた。む? なんじゃろう?
「レタアちゃんにかかっている呪いって誰からかけられたの?」
「ばっかミネルヴァ! 直球に聞く馬鹿がどこにいる!」
ミネルに質問され、イーニャお婆ちゃんは何故か焦る。マルとアルタは驚きつつも黙ってやり取りを見ていた。
じゃが、はて、呪い、呪い……? 呪いなんて受けてないし、そんなのかけられそうになったら跳ね返すが……?
首を捻って思い出そうとしたが、全く思い当たる節はない。うむむ? 何か勘違いしているんじゃないか?
「呪い……とはどういうことじゃ?」
「え、自覚してないの?」
「まさかそんなことがあるのかい?」
ミネルだけでなくイーニャお婆ちゃんにも驚かれたぞ。むむむ?
「レタア、お前さんは自分にかけられた呪いを自覚していないのか?」
「ワシにかけられた……あ。」
呪いではないが、魔法なら掛けたな。自分で。
「もしかしてあれ、かの?」
自分で掛けた感知阻害魔法と幻影魔法。あれは呪いではないな。
「思い出したのかい?」
「あ、いや、自分で掛けてるからな。思い出す云々ではないのじゃが。」
「はぁ!? お前さんはアホなのかい!? いや、魔力量がアホなのかい!?」
え、イーニャお婆ちゃんにアホって言われた……。ちょっと傷ついた。
というか魔力量がアホって何じゃ?
「魔力切れを起こさないのかい!? 常時魔法を使い続けると魔力量的に他の魔法が使えんだろう!? 効率悪いだろう!?」
「どうどう。」
鼻息荒く質問攻めするイーニャお婆ちゃん。とにかく落ち着いてくれ。ワシが口を挟む余裕すらないからな。
「イーニャお婆ちゃん、ワシは他の魔法も使えるぞ? ほれ。」
ここは室内なので無害そうな水の玉をポワッと作り出す。
「なっ、レベル三!?」
「あ、やべ。」
呪文唱えるの忘れてた。どう誤魔化そう。ダラダラと冷や汗をかく。
「え、えーと、それは置いておいて。ワシは常時魔法を掛けていても魔法は使えることの証明は出来たじゃろう?」
ヒラヒラと両手を振って自分が無害であることを表現する。が、イーニャお婆ちゃんはまだワナワナと震えている。
「お前さん、何者だい?」
「昨日も言ったじゃろう? 新人冒険者のレタアちゃんじゃと。」
「そういうことを言ってるんじゃないよ。その年齢でレベル三とか前代未聞だろう?」
「あー……」
「婆ちゃん、レタアちゃんは私と同年だよ。」
「「「はぁ!?」」」
ミネルの爆弾投下にイーニャお婆ちゃんとアルタ、マルが一斉にワシを見る。それもくわっと目を見開いて。その顔怖いんじゃが。
「どう見ても十五、六だろう!?」
「身長とかはどうなってるの!?」
「……。」
今まで黙っていたアルタもイーニャお婆ちゃんと共に騒ぐ。マルは現実を受け入れられないようで軽く気絶していた。
さて、これはどう収拾をつければいいじゃろうか。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。



私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる