千年生きた伝説の魔女は生まれ変わる〜今世の目標は孤独死しないことなのじゃっ!〜

君影 ルナ

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冒険者編

3-8

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「わあ……!」

 魔法で作り出した水を出来る限り細かく砕き、空中を舞わせる。するとそれらは太陽の光を浴びてキラキラと輝く。そして……

「虹だ!」

 小さな虹がこの空間に出来上がる。それを見たミネルはパァ、と顔を輝かせた。うむ、やはりこの子は笑顔の方が可愛いのぅ! ワシまで笑顔になってしまうじゃろうが!

「どうじゃ?」
「すごいすごい! お姉さん魔法使いなんですか?」
「まあな。」

 胸を張って自慢げに返事をするワシと、ほわー、と虹をまじまじと見つめるミネル。

「私も少し魔法の勉強してますけど……上手く出来ないの。」
「そうか。ワシで良ければ教えるぞ?」
「本当!?」
「まあ、人に教えたことは無いがの。あ、そうじゃ。ミネルは今幾つじゃ?」

 十より下なら、いくらでも魔力量を増やせるからの。まあ、見た目的には一桁そうじゃが。

「六つ。」
「ほう。ならワシと同い年か。」
「……は?」

 ミネルはぽかんと口を開ける。むむ? 何故そんな顔になる?

「お姉さん……絶対六歳じゃないですよね? 十五、六かそこら……」
「ああ、そのことか。まあ、この見た目は仮の姿じゃからな。常時魔法を掛けているから十五、六に見えるじゃろうが、実際はまだ六つじゃ。」
「六歳でそれだけ魔法を操れて、六歳児とは思えない程会話もしっかりしている……まさか、あなたも転生者ですか?」
「む? 何故分かる?」
「うわぁ! 私一人じゃなかったー!」
「……ん?」

 ミネルは『あなた』と言った。ということは、ミネルも転生者、ということか。ふむ、成る程。確かにワシだけが転生するわけでも無かろうからな、納得じゃ。

「私、前世ではニホンって国で専業主婦してたんですよぅ! きゃー、同郷の人に会えたー!」

 ど、同郷……?

「喜んでいるところ悪いが、ニホンってなんじゃ?」
「え?」
「え?」

 数秒の沈黙。お互い顔を見合わせて目をパチパチ瞬かせる。

「あなたは……ニホン人じゃない、んですか?」
「わしは前世も今世もこの国出身じゃ。」
「……そっかぁ……」

 あからさまに気を落としたな。そんなにワシがニ、ホン(?)人だと良かったみたいなことを思われるなど……。期待外れで悪かったな。

「でもでも! 世界は違えども転生者同士なんだから色んな話をしたいです!」
「む? 全然構わないぞ?」
「やったあ! じゃあ私達友達ですね!」
「……!」

 思わぬところで同年代(?)の友達ゲットじゃ! ワシはガッツポーズをする。
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