34 / 199
追い出されたよ編
2-18
しおりを挟む
「さて、と……」
なんだかんだあったが、ちゃんと用事を済ませたのでギルドを出てきた。
次の用事は……と考えて、重大なやるべきことがあるとワシの体は訴え始めた。
……ワシのお腹が叫んでおるのじゃ。ほら、今も『ぐぎゅるるぅ~る』と鳴ったじゃろう? 早くご飯を食べてよー、と言わんばかりに。
お腹空いたし早く何か食べたいなあ、とお腹を摩る。
この時、質屋に行くというもう一つの用事のことなどワシの頭には無かった。ただひたすらお腹が空いた、しか考えていないのじゃった。
「さて何を食べようか……!」
夜はベア鍋にするとして、昼じゃ昼! うーん、しかしここら辺に何があるか分からないからどうするかな……。
まあ、テキトーに歩いてみるか! そう決めてぽてぽてと歩き出した。
くんくん、こっちから食べ物を焼いたようないい匂いがする。美味しいご飯を想像して涎を垂らしながらふらふらと匂いの元を辿れば、一軒のお店に着いた。
「食事処 ポロロン……か。」
外観はボロっちいが、匂いはとても良い。匂いが良いのならきっと美味しいじゃろう、と謎の確信を持って涎を拭きながらポロロンに入る。
「いらっしゃい!」
元気なおばさん店員がニッカリ笑顔でそう言う。おお、こちらまで元気を貰えそうな笑顔じゃな! ワシもニッコリ笑顔になったのじゃ!
「こんにちは!」
「おや? 見ない顔だね?」
「ああ、最近こっちに来たのじゃ。じゃからしばらくはここにいるつもりじゃよ。」
「おお、それはいいねぇ! っと……アタシはマドレンだよ。よろしく。」
「ワシはレタアじゃ! よろしくなのじゃ!」
マドレンとがっちり握手して、その後マドレンはワシを窓際の席に案内する。陽の光が適度に入って暖かそうじゃな。
「おお、良い席じゃな!」
「だろう? きっと気に入ってくれると思ったよ。で、これがメニューだよ。色々あるから存分に迷ってくれてもいいからね。」
「わあ、それは楽しみなのじゃ!」
マドレンからメニューを受け取り、パラ、とページを捲る。するとそこにはステーキ、ハンバーグなどなどのガッツリ系から、温野菜などのあっさり系もあった。ふむ、確かにこれは迷う。
「ぐぅぎゅるるる~るる」
お腹は『早く決めて早くお腹に食べ物を入れろ!』と騒ぐ。まあまあ落ち着き給え、お腹くん。悩んだ先に待っている料理はさぞ美味しいじゃろうからの。
「マドレン、じゃあ……」
なんだかんだあったが、ちゃんと用事を済ませたのでギルドを出てきた。
次の用事は……と考えて、重大なやるべきことがあるとワシの体は訴え始めた。
……ワシのお腹が叫んでおるのじゃ。ほら、今も『ぐぎゅるるぅ~る』と鳴ったじゃろう? 早くご飯を食べてよー、と言わんばかりに。
お腹空いたし早く何か食べたいなあ、とお腹を摩る。
この時、質屋に行くというもう一つの用事のことなどワシの頭には無かった。ただひたすらお腹が空いた、しか考えていないのじゃった。
「さて何を食べようか……!」
夜はベア鍋にするとして、昼じゃ昼! うーん、しかしここら辺に何があるか分からないからどうするかな……。
まあ、テキトーに歩いてみるか! そう決めてぽてぽてと歩き出した。
くんくん、こっちから食べ物を焼いたようないい匂いがする。美味しいご飯を想像して涎を垂らしながらふらふらと匂いの元を辿れば、一軒のお店に着いた。
「食事処 ポロロン……か。」
外観はボロっちいが、匂いはとても良い。匂いが良いのならきっと美味しいじゃろう、と謎の確信を持って涎を拭きながらポロロンに入る。
「いらっしゃい!」
元気なおばさん店員がニッカリ笑顔でそう言う。おお、こちらまで元気を貰えそうな笑顔じゃな! ワシもニッコリ笑顔になったのじゃ!
「こんにちは!」
「おや? 見ない顔だね?」
「ああ、最近こっちに来たのじゃ。じゃからしばらくはここにいるつもりじゃよ。」
「おお、それはいいねぇ! っと……アタシはマドレンだよ。よろしく。」
「ワシはレタアじゃ! よろしくなのじゃ!」
マドレンとがっちり握手して、その後マドレンはワシを窓際の席に案内する。陽の光が適度に入って暖かそうじゃな。
「おお、良い席じゃな!」
「だろう? きっと気に入ってくれると思ったよ。で、これがメニューだよ。色々あるから存分に迷ってくれてもいいからね。」
「わあ、それは楽しみなのじゃ!」
マドレンからメニューを受け取り、パラ、とページを捲る。するとそこにはステーキ、ハンバーグなどなどのガッツリ系から、温野菜などのあっさり系もあった。ふむ、確かにこれは迷う。
「ぐぅぎゅるるる~るる」
お腹は『早く決めて早くお腹に食べ物を入れろ!』と騒ぐ。まあまあ落ち着き給え、お腹くん。悩んだ先に待っている料理はさぞ美味しいじゃろうからの。
「マドレン、じゃあ……」
0
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる