31 / 200
追い出されたよ編
2-15
しおりを挟む
「では、ビッグベア全ての素材五万ゴルドから、解体料千ゴルドとお肉部分一万五千ゴルドを引いた額、三万四千ゴルドが……ええと、もう一度お名前を教えて頂けますか?」
「レタアじゃ。」
「ありがとうございます。その三万四千ゴルドがレタアさんに支払われます。」
「分かったのじゃ。」
この世界のお金の単位はゴルド。相場はよく分からんがの。
家を追い出されたばかりじゃし、あまり自分で買い物もしておらんからの。家にいた時は父母が買い物しているのをぼーっと見ているだけじゃったから……。
こうなると分かっていればちゃんとお金の勉強をしておくべきじゃった。
まあ、杏子屋で普通一泊すると三千五百ゴルドするらしいので……ひぃふぅみぃ……九日程泊まれるのじゃな(ワシはもっと安くしてもらっているから、実際はそれ以上泊まることが出来るがの)。
「ではこの用紙を持って受付に出してください。報酬が支払われますので!」
と、渡された紙を受け取り、この人とはひとまず暫しの別れ。しかしその前に聞いておきたいことがある。聞いても……いいかの?
「はーい。最後に一ついいか?」
「はい?どうされました?」
「名前を聞いても……いいかの?」
「……はっ! 私名乗ってませんでした!?」
「ああ。」
担当の人はなんてこったパンナコッタ、と呟いた後、わたわたと焦り出した。
「あわわわわ……なんたる失態! 本当に重ね重ね申し訳ありませんでした。私は今日からギルドの解体担当になったエンジーです!」
「エンジーじゃな。これからもよろしく頼むな!」
「はいっ!」
今日一番の笑顔で答えてくれたエンジー。とても可愛いのぅ!エンジーというよりもテンシーじゃな!
色々な意味で満足した気分じゃな。お金も得たし、エンジーも可愛かったし。
そんな風にほくほく顔で受付に紙を置く。
「これ、換金をお願いします、なのじゃ!」
「はい。……!!」
「ん?」
なんか受付の人、紙を見て驚いていたな。なんじゃなんじゃ?
「あ、あの……」
受付の人はワシを手招きして、こそっと小声でワシを呼ぶ。
「本当にレタアさんがビッグベアを狩ったんですか?」
「そうじゃが?」
「……レタアさん、何者ですか?」
小声で叫ばれた。ここでもこの質問なのか!
今日三度目の質問にまた答えないといけないのかと、はあ、と溜息をついた。
「レタアじゃ。」
「ありがとうございます。その三万四千ゴルドがレタアさんに支払われます。」
「分かったのじゃ。」
この世界のお金の単位はゴルド。相場はよく分からんがの。
家を追い出されたばかりじゃし、あまり自分で買い物もしておらんからの。家にいた時は父母が買い物しているのをぼーっと見ているだけじゃったから……。
こうなると分かっていればちゃんとお金の勉強をしておくべきじゃった。
まあ、杏子屋で普通一泊すると三千五百ゴルドするらしいので……ひぃふぅみぃ……九日程泊まれるのじゃな(ワシはもっと安くしてもらっているから、実際はそれ以上泊まることが出来るがの)。
「ではこの用紙を持って受付に出してください。報酬が支払われますので!」
と、渡された紙を受け取り、この人とはひとまず暫しの別れ。しかしその前に聞いておきたいことがある。聞いても……いいかの?
「はーい。最後に一ついいか?」
「はい?どうされました?」
「名前を聞いても……いいかの?」
「……はっ! 私名乗ってませんでした!?」
「ああ。」
担当の人はなんてこったパンナコッタ、と呟いた後、わたわたと焦り出した。
「あわわわわ……なんたる失態! 本当に重ね重ね申し訳ありませんでした。私は今日からギルドの解体担当になったエンジーです!」
「エンジーじゃな。これからもよろしく頼むな!」
「はいっ!」
今日一番の笑顔で答えてくれたエンジー。とても可愛いのぅ!エンジーというよりもテンシーじゃな!
色々な意味で満足した気分じゃな。お金も得たし、エンジーも可愛かったし。
そんな風にほくほく顔で受付に紙を置く。
「これ、換金をお願いします、なのじゃ!」
「はい。……!!」
「ん?」
なんか受付の人、紙を見て驚いていたな。なんじゃなんじゃ?
「あ、あの……」
受付の人はワシを手招きして、こそっと小声でワシを呼ぶ。
「本当にレタアさんがビッグベアを狩ったんですか?」
「そうじゃが?」
「……レタアさん、何者ですか?」
小声で叫ばれた。ここでもこの質問なのか!
今日三度目の質問にまた答えないといけないのかと、はあ、と溜息をついた。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。


【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる