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追い出されたよ編
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そしてワシはもう一つ気がついてしまった。ユアに何も言わずに出てきてしまったということに!
「ワシとしたことが……なんということじゃ!」
ワシは頭を抱えてジタバタと足を動かす。どうしようどうしよう。
ワシの(屋敷内での)相棒に一言も言わずに出てきてしまうなどあってはならん!
一言感謝と謝罪をしなければ! 今まで一番近くでワシを見守ってくれていた大事な存在に!
「しかしどうするかのぅ……」
顎に手を当ててうむうむと考え込む。もう出てきてしまったからまた屋敷に忍び込むのは無理じゃろうし……
「よし、魔法に頼ってしまえ。」
なんたってワシは天才じゃからの!
……自画自賛とな? じゃが仕方なかろう。本当のことなのじゃから。
伝達魔法を展開し、白い鳥を作り出す。さて、伝えるのは音声にするか、文字にするか……
「音声じゃな。」
ワシの声で伝えたいからの。じゃあ後は……
「ユア、レタアじゃ。ワシは魔力が少ないという理由で家を追い出されることになった。あまりにも急なことで面と向かって伝えられないことをまず謝罪する。すまない。
そして、どんなワシを見てもキラキラした目で見て接してくれて、ありがとう。それにワシがどれだけ救われたか。……あと、一番近くで世話をしてくれてありがとう。ユアのおかげでここまで病気もせずに大きくなれたんじゃから。
何度も言わせてもらう。ありがとう。
で、これからはまあ、適当にどうにかして生きて行こうと思う。ワシは天才じゃからの、ユアは心配しなくても大丈夫じゃ。……ユア、元気でな。」
カチリ、録音を終える。さて、録音し終えたし、後は……
ユア以外の人間に聞かれないように、ユアが一人でいる時に聞けるように設定する。
「まあ、これくらいかの。あ、そうじゃ。」
他の人間にはただの鳥に見えるように幻影魔法も付けとけ。
魔法盛りだくさんじゃな。じゃが最後くらい魔法モリモリでもいいじゃろう。ユアもこの魔法達を見て喜んでくれたらいいな。
「それ、行ってこい!」
屋敷に向かって鳥を飛ばすと、バサバサと屋敷の中に入って行った。それを見届けてから、ワシは歩き出す。
「さて、これからどうするかの。」
屋敷の外に出るのは初めてじゃからな。さてどうするか……
「マップとか出せればいいが……」
そんな魔法作ったことないし……
「ま、テキトーに歩いてみるか。」
時間はたっぷりあるんじゃから。さて、まずは右に行くか、左に行くか……
「何となく右、じゃな。」
よし、いざ行かん!
「ワシとしたことが……なんということじゃ!」
ワシは頭を抱えてジタバタと足を動かす。どうしようどうしよう。
ワシの(屋敷内での)相棒に一言も言わずに出てきてしまうなどあってはならん!
一言感謝と謝罪をしなければ! 今まで一番近くでワシを見守ってくれていた大事な存在に!
「しかしどうするかのぅ……」
顎に手を当ててうむうむと考え込む。もう出てきてしまったからまた屋敷に忍び込むのは無理じゃろうし……
「よし、魔法に頼ってしまえ。」
なんたってワシは天才じゃからの!
……自画自賛とな? じゃが仕方なかろう。本当のことなのじゃから。
伝達魔法を展開し、白い鳥を作り出す。さて、伝えるのは音声にするか、文字にするか……
「音声じゃな。」
ワシの声で伝えたいからの。じゃあ後は……
「ユア、レタアじゃ。ワシは魔力が少ないという理由で家を追い出されることになった。あまりにも急なことで面と向かって伝えられないことをまず謝罪する。すまない。
そして、どんなワシを見てもキラキラした目で見て接してくれて、ありがとう。それにワシがどれだけ救われたか。……あと、一番近くで世話をしてくれてありがとう。ユアのおかげでここまで病気もせずに大きくなれたんじゃから。
何度も言わせてもらう。ありがとう。
で、これからはまあ、適当にどうにかして生きて行こうと思う。ワシは天才じゃからの、ユアは心配しなくても大丈夫じゃ。……ユア、元気でな。」
カチリ、録音を終える。さて、録音し終えたし、後は……
ユア以外の人間に聞かれないように、ユアが一人でいる時に聞けるように設定する。
「まあ、これくらいかの。あ、そうじゃ。」
他の人間にはただの鳥に見えるように幻影魔法も付けとけ。
魔法盛りだくさんじゃな。じゃが最後くらい魔法モリモリでもいいじゃろう。ユアもこの魔法達を見て喜んでくれたらいいな。
「それ、行ってこい!」
屋敷に向かって鳥を飛ばすと、バサバサと屋敷の中に入って行った。それを見届けてから、ワシは歩き出す。
「さて、これからどうするかの。」
屋敷の外に出るのは初めてじゃからな。さてどうするか……
「マップとか出せればいいが……」
そんな魔法作ったことないし……
「ま、テキトーに歩いてみるか。」
時間はたっぷりあるんじゃから。さて、まずは右に行くか、左に行くか……
「何となく右、じゃな。」
よし、いざ行かん!
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