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番外編
スーパー猫の日
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今日は何もない平日。いつも通り私は朝起きて学校に行く準備をする。
そう、いつも通りリビングへ行くと竜胆さんが先に起きてて……
「おはようございます。」
「にゃーん」
いつも通り……
「にゃおーん」
いつも、通り……
そこにいたのはキラキラとした目を私に向ける黒猫。……猫? ここにはいるはずのない猫が何故かいた。
ここは寮だし、音霧寮生の誰かの家で猫を飼っていただなんて話も聞いたことないし、いつもなら私より先にリビングで寛いでいるはずの竜胆さんが珍しくいないし……
今日はいつも通りとはいかないらしい。
「いや、そもそも猫はどこから入ってきたの!?」
私の頭は混乱して大きな声を出してしまった。誰か説明プリーズ!
少しの間ぐるぐると考え込んだが、何故猫がいるのかはさっぱり分からなかった。
「まずは寮長の竜胆さんに話を聞いて……」
「にゃーぅお」
「はいはい、ちょっと待ってて。今竜胆さんに……」
「にゃんにゃん!」
この黒猫はどうやら人懐っこいらしく、私の足に擦り寄って何度も鳴く。くっ、可愛いっ……
私自身そこまで動物に好かれた記憶が無かったので、是非とも全身全霊でもふりたい。だが、今日は平日。学校に行く時間も迫っているのだ。もふっていたら時間を忘れてしまってきっと学校に遅れる。
「ちょっと待っててね。」
取り敢えず竜胆さんの部屋に直行!
「竜胆さん、起きてますか? 猫のこと、何か知りませんか?」
竜胆さんの部屋の扉をドンドンと叩きながら声をかける。しかし反応は無い。おかしいな……?
「そろそろ皆さんも起きてくる頃なのに……なんだろう、この静けさ……」
人の気配というものがちっとも感じられない。おかしい。
「茜さん、起きてますよね?」
竜胆さんの隣室の藤さんは寝起き悪い方なのでスルーし、そのまた隣の茜さんの部屋の扉をノックする。しかし声も生活音も何もない。おかしい。
寝起きの良し悪しに限らず全員の部屋の扉を叩くが、誰一人として出てこない。おかしいおかしい。
「どうしよう……」
さすがに勝手に開けて部屋に入るのは憚られるので、一度リビングに戻ることにした。何か情報があるかもしれないと考えて。
「えっ!?」
リビングに戻ると何故か猫が増えていた。何故だ。何故増えている。もう意味が分からない。
「猫が喋ってくれればいいのに……」
ぽつり、呟いた。しかしそれを聴く人はいない。ここにいるのは猫達だけ。疑問だけがぐるぐると私の中に溜まっていく。
ここにいる猫は五匹。青目黒猫(最初からいた子)、紫目黒猫、黄緑目黒猫、赤目茶トラ、桜鼠色目銀色毛ペルシャ猫……
「あれ?」
色味だけ見れば音霧の皆さんの目と髪の色と同じだ。茜さんは金髪だけれどもあれは染めているってこの前言ってたし……
「もしかして……皆さんですか?」
「「にゃんにゃん」」
どうしよう、私の声に反応して返事してくれたように聞こえる。
「ま、ま、ままままさか……いやそんなはずは……」
更に混乱しているとペルシャ猫がぺろりと私の手を舐める。まるで『そうだ』と言わんばかりに。
「そ、それなら何故一斉に猫になったの?」
「にゃーん」
「みゃんみゃん」
「にゃーぅお」
お互い何故猫になったか話し合っているように見える。ああ、しばらくこのまま猫ちゃん達を眺めていたいなぁ……。現実逃避なのは分かっているが、それでも。
時間を忘れてしばらくの間猫達を眺めていたが、猫会議が終わったらしくそそくさと青目猫が私の膝の上に乗ってきた。そのことでハッと現実に引き戻された。
「にゃんうにゃん」
「ふしゃー!」
私の膝に乗ってドヤ顔をする青目猫に対して、私の右隣で青目猫に猫パンチを繰り出す黄緑猫。私の左隣を陣取って擦り寄るペルシャ猫。わぁ、私、猫に大人気!
茶トラ猫はリビングを縦横無尽に走り回り、紫目猫はソファで丸くなっている。
「猫のパラダイスや……」
あー、今から準備しても間に合わないし、今日は学校休んで猫ちゃんと戯れてよー。音霧の皆さんもいないしー……
「……はっ!」
パチリと目が覚めた。わ、私……寝てた? ガバッと体を起こし、時計を見る。今は……二月二十二日の六時半。成る程、今日は所謂猫の日とかいうやつだからあんな夢を見たのか。
なぁんだ、夢だったのか。随分幸せな夢だったなぁ……。猫を散々もふって……
時間が許すならもう少し見ていたかったなぁ……
「あ、それより学校に行く準備しなきゃ。」
気持ちを切り替えていつものようにリビングに入る。今日の朝ご飯はなんだろうな、と考えながら。
「おはようございます、竜胆さん。」
「にゃん」
そう、いつも通りリビングへ行くと竜胆さんが先に起きてて……
「おはようございます。」
「にゃーん」
いつも通り……
「にゃおーん」
いつも、通り……
そこにいたのはキラキラとした目を私に向ける黒猫。……猫? ここにはいるはずのない猫が何故かいた。
ここは寮だし、音霧寮生の誰かの家で猫を飼っていただなんて話も聞いたことないし、いつもなら私より先にリビングで寛いでいるはずの竜胆さんが珍しくいないし……
今日はいつも通りとはいかないらしい。
「いや、そもそも猫はどこから入ってきたの!?」
私の頭は混乱して大きな声を出してしまった。誰か説明プリーズ!
少しの間ぐるぐると考え込んだが、何故猫がいるのかはさっぱり分からなかった。
「まずは寮長の竜胆さんに話を聞いて……」
「にゃーぅお」
「はいはい、ちょっと待ってて。今竜胆さんに……」
「にゃんにゃん!」
この黒猫はどうやら人懐っこいらしく、私の足に擦り寄って何度も鳴く。くっ、可愛いっ……
私自身そこまで動物に好かれた記憶が無かったので、是非とも全身全霊でもふりたい。だが、今日は平日。学校に行く時間も迫っているのだ。もふっていたら時間を忘れてしまってきっと学校に遅れる。
「ちょっと待っててね。」
取り敢えず竜胆さんの部屋に直行!
「竜胆さん、起きてますか? 猫のこと、何か知りませんか?」
竜胆さんの部屋の扉をドンドンと叩きながら声をかける。しかし反応は無い。おかしいな……?
「そろそろ皆さんも起きてくる頃なのに……なんだろう、この静けさ……」
人の気配というものがちっとも感じられない。おかしい。
「茜さん、起きてますよね?」
竜胆さんの隣室の藤さんは寝起き悪い方なのでスルーし、そのまた隣の茜さんの部屋の扉をノックする。しかし声も生活音も何もない。おかしい。
寝起きの良し悪しに限らず全員の部屋の扉を叩くが、誰一人として出てこない。おかしいおかしい。
「どうしよう……」
さすがに勝手に開けて部屋に入るのは憚られるので、一度リビングに戻ることにした。何か情報があるかもしれないと考えて。
「えっ!?」
リビングに戻ると何故か猫が増えていた。何故だ。何故増えている。もう意味が分からない。
「猫が喋ってくれればいいのに……」
ぽつり、呟いた。しかしそれを聴く人はいない。ここにいるのは猫達だけ。疑問だけがぐるぐると私の中に溜まっていく。
ここにいる猫は五匹。青目黒猫(最初からいた子)、紫目黒猫、黄緑目黒猫、赤目茶トラ、桜鼠色目銀色毛ペルシャ猫……
「あれ?」
色味だけ見れば音霧の皆さんの目と髪の色と同じだ。茜さんは金髪だけれどもあれは染めているってこの前言ってたし……
「もしかして……皆さんですか?」
「「にゃんにゃん」」
どうしよう、私の声に反応して返事してくれたように聞こえる。
「ま、ま、ままままさか……いやそんなはずは……」
更に混乱しているとペルシャ猫がぺろりと私の手を舐める。まるで『そうだ』と言わんばかりに。
「そ、それなら何故一斉に猫になったの?」
「にゃーん」
「みゃんみゃん」
「にゃーぅお」
お互い何故猫になったか話し合っているように見える。ああ、しばらくこのまま猫ちゃん達を眺めていたいなぁ……。現実逃避なのは分かっているが、それでも。
時間を忘れてしばらくの間猫達を眺めていたが、猫会議が終わったらしくそそくさと青目猫が私の膝の上に乗ってきた。そのことでハッと現実に引き戻された。
「にゃんうにゃん」
「ふしゃー!」
私の膝に乗ってドヤ顔をする青目猫に対して、私の右隣で青目猫に猫パンチを繰り出す黄緑猫。私の左隣を陣取って擦り寄るペルシャ猫。わぁ、私、猫に大人気!
茶トラ猫はリビングを縦横無尽に走り回り、紫目猫はソファで丸くなっている。
「猫のパラダイスや……」
あー、今から準備しても間に合わないし、今日は学校休んで猫ちゃんと戯れてよー。音霧の皆さんもいないしー……
「……はっ!」
パチリと目が覚めた。わ、私……寝てた? ガバッと体を起こし、時計を見る。今は……二月二十二日の六時半。成る程、今日は所謂猫の日とかいうやつだからあんな夢を見たのか。
なぁんだ、夢だったのか。随分幸せな夢だったなぁ……。猫を散々もふって……
時間が許すならもう少し見ていたかったなぁ……
「あ、それより学校に行く準備しなきゃ。」
気持ちを切り替えていつものようにリビングに入る。今日の朝ご飯はなんだろうな、と考えながら。
「おはようございます、竜胆さん。」
「にゃん」
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