85 / 122
一章
七十二
しおりを挟む
なんかどこかから飛んできたモノを弾いたら液体が私に振りかかったみたいだけど、何故か疲れが取れたよ!
これなら幾らでも動けそう!
ザシュッ、ザシュッ……
やっぱり体力大事。体が軽く感じるもの。ウフフ、今回の討伐が終わって城に帰ったら体力作り頑張ろう! イェイ!
(マロンは疲れが限界突破し、それが一気に無くなったことで一種のハイ状態に陥っているようだ)
ドォォン……
すると、リオが起こした音とはまた違う地響きが聞こえてきた。なんだろう?
「まさか!?」
私の近くにいたカプリコーンが珍しく驚いたような、焦っているような声を上げる。
「ギャース」
「うわー!」
地響きがした方向からいろんな叫び声が鳴り響く。んー? 何があったー?
状況を理解していない私は首を傾げながらボースハイトを切っていると、音も無くアリーズが隣にやって来た。まあ、気配で分かっていたから驚かないけど。
ボースハイトを切り裂きながら話が始まる。
「マロン」
「アリーズ? どしたん?」
「マロンに魔物の退治を任せようと思ってね。」
「……魔物、ああ、あの魔物……え、マジですか! のたらくたらしているうちに動植物に被害が!?」
「そうみたいだ。だがそうならないように門の近くにあるボースハイトを先に殲滅する作戦だったんだけど……」
「ふぅん?」
分かったような分からないような。そんな声を思わず出してしまい、アリーズはハァと溜息をついてから詳しく教えてくれた。
「取り敢えず向かいながら話す。」
「おいっす」
イマイチ緊張感が出ないまま(それは私だけか?)アリーズと二人で街を駆け抜ける。その最中に話は続く。
「いいかい、街の中には植物も動物もいないだろう? 移動するために必要な馬でさえ、なるべく街の中に長時間入らないようにしているんだ。街と森の居住空間を分けて、ボースハイトが発生したとしてもどちらにも被害が及ばないように、とね。」
「成る程。」
「だから不可解でね。何故門の外で魔物が発生したか。」
「あ、今の音は門の外だったんだ。」
「ということで、マロンには魔物を退治する役目を与える。」
ということで、とは何。どういうことでだ? 話が繋がらないんだけど……?
まあ、聞くにしても後でかな。まずは魔物退治に関する情報を得なければ。喫緊の課題は魔物退治だし。
「……魔物ってどれくらいの強さなの?」
「だいたいは十二星座よりは弱い。」
「それ基準にするのがおかしくない!?」
だって十二星座って世界でトップクラスの戦力なんでしょ!? そこを基準にしたら大体のものが弱いことになるよねぇ!? 阿保なの!? アリーズって意外と阿保なの!?
「阿保ではない。マロンにとって一番分かりやすい例えを使ったまで。」
「いや、だからといってもさぁ……」
何故心の声に返事をする。アリーズってやっぱり怖い奴だ。
「魔物退治にご協力お願いします!」
門番がアリーズを見てそう懇願する。なんかアリーズの姿を見てホッと安堵した表情を浮かべていたけど、やっぱり(戦力面で)十二星座が一人でもいると安心するんだね……?
「今から向かう。マロン、早く来い。」
「はいよ」
少しだけ開けられた門をくぐり、アリーズと二人で街の外へと走る。
これなら幾らでも動けそう!
ザシュッ、ザシュッ……
やっぱり体力大事。体が軽く感じるもの。ウフフ、今回の討伐が終わって城に帰ったら体力作り頑張ろう! イェイ!
(マロンは疲れが限界突破し、それが一気に無くなったことで一種のハイ状態に陥っているようだ)
ドォォン……
すると、リオが起こした音とはまた違う地響きが聞こえてきた。なんだろう?
「まさか!?」
私の近くにいたカプリコーンが珍しく驚いたような、焦っているような声を上げる。
「ギャース」
「うわー!」
地響きがした方向からいろんな叫び声が鳴り響く。んー? 何があったー?
状況を理解していない私は首を傾げながらボースハイトを切っていると、音も無くアリーズが隣にやって来た。まあ、気配で分かっていたから驚かないけど。
ボースハイトを切り裂きながら話が始まる。
「マロン」
「アリーズ? どしたん?」
「マロンに魔物の退治を任せようと思ってね。」
「……魔物、ああ、あの魔物……え、マジですか! のたらくたらしているうちに動植物に被害が!?」
「そうみたいだ。だがそうならないように門の近くにあるボースハイトを先に殲滅する作戦だったんだけど……」
「ふぅん?」
分かったような分からないような。そんな声を思わず出してしまい、アリーズはハァと溜息をついてから詳しく教えてくれた。
「取り敢えず向かいながら話す。」
「おいっす」
イマイチ緊張感が出ないまま(それは私だけか?)アリーズと二人で街を駆け抜ける。その最中に話は続く。
「いいかい、街の中には植物も動物もいないだろう? 移動するために必要な馬でさえ、なるべく街の中に長時間入らないようにしているんだ。街と森の居住空間を分けて、ボースハイトが発生したとしてもどちらにも被害が及ばないように、とね。」
「成る程。」
「だから不可解でね。何故門の外で魔物が発生したか。」
「あ、今の音は門の外だったんだ。」
「ということで、マロンには魔物を退治する役目を与える。」
ということで、とは何。どういうことでだ? 話が繋がらないんだけど……?
まあ、聞くにしても後でかな。まずは魔物退治に関する情報を得なければ。喫緊の課題は魔物退治だし。
「……魔物ってどれくらいの強さなの?」
「だいたいは十二星座よりは弱い。」
「それ基準にするのがおかしくない!?」
だって十二星座って世界でトップクラスの戦力なんでしょ!? そこを基準にしたら大体のものが弱いことになるよねぇ!? 阿保なの!? アリーズって意外と阿保なの!?
「阿保ではない。マロンにとって一番分かりやすい例えを使ったまで。」
「いや、だからといってもさぁ……」
何故心の声に返事をする。アリーズってやっぱり怖い奴だ。
「魔物退治にご協力お願いします!」
門番がアリーズを見てそう懇願する。なんかアリーズの姿を見てホッと安堵した表情を浮かべていたけど、やっぱり(戦力面で)十二星座が一人でもいると安心するんだね……?
「今から向かう。マロン、早く来い。」
「はいよ」
少しだけ開けられた門をくぐり、アリーズと二人で街の外へと走る。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
業腹
ごろごろみかん。
恋愛
夫に蔑ろにされていた妻、テレスティアはある日夜会で突然の爆発事故に巻き込まれる。唯一頼れるはずの夫はそんな時でさえテレスティアを置いて、自分の大切な主君の元に向かってしまった。
置いていかれたテレスティアはそのまま階段から落ちてしまい、頭をうってしまう。テレスティアはそのまま意識を失いーーー
気がつくと自室のベッドの上だった。
先程のことは夢ではない。実際あったことだと感じたテレスティアはそうそうに夫への見切りをつけた
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる