××の十二星座

君影 ルナ

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一章

二十七

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 皆が何やら話し合いをして結論を出した(らしい)その後、私はジーに連れられてこの部屋を教えられた。ここはどうやら客間だそうだ。

 そしてその部屋の中でもどこに何の家具があるか詳しく教えてくれた。これなら目を閉じながらベッドにダイブすることも出来るし、クローゼットを漁ることも出来る。いや、やらないけど。

「これで全部だ。」

 詳しく教えてくれたジーは少し疲れた声をしていた。

「教えてくれてありがとう。」
「ああ。マロンも馬車に乗り続けて疲れただろう。ここで今日明日ゆっくり過ごしていろ。……自分は仕事に戻る。何かあれば呼べ。」
「う、うん。ありがとう。でもジー、仕事もほどほどにね?」
「……ああ。マロンに心配されるほどヤワではない。それに自己管理は徹底しているからな。心配することはない。」
「そ、そっか。」
「ああ。じゃあ飯の時間になったらまた来る。」
「はーい。」

 そう言い残してジーは部屋を出ていったらしい。パタン、と扉が閉まる音がして、その後はもう誰の気配もなくなったのだから。

 私以外の人間がこの部屋にいないことを気配察知で今一度確認してから、私はゆっくり目を開ける。



 この部屋には戸棚もあって、そこには既にカップなども揃っているらしい。テーブルも椅子もあるし……

 とにかくなんでもある。この部屋から出ずに暮らせる程。

「うわ……広すぎて落ち着かないよ。」

 ポツリと呟いたその声は誰に聞かれることもなく、ただただ部屋にぼんやりと響くだけだった。







リーブラside

 マロンが城に戻った次の日の早朝のこと。



 僕とピオさんはようやっと城に戻ってきました。ちゃんと日にちを守って戻ってきましたよ! その期限に間に合うか心配になってほぼ寝ずに帰ってきましたが。

 そしてその足ですぐ会議室へと二人で向かいます。僕たちの前に誰か既に戻ってきている人がいないか、そしてポラリス候補となり得る人物が見つかったかどうかを聞くために。

 僕達の組はポラリス候補を見つけることは出来ませんでしたが。

「僕とピオさん帰りました!」
「あ、り、リーブラとスコーピオ。おかえり。」
「ヴァーゴさん! ヴァーゴさんの組はもう帰っていたのですね!」
「う、うん。あと、サジタリアスとアクエリアスの組も戻ってきてるよ。」
「わぁ、皆さん早いですねぇ。」

 成る程、あとはアリーズさんとトーラスさんの組と、ジェミニさんとキャンサーさんの組が戻れば全員揃うということですね! 半分以上が戻っていることに僕は驚いてしまいました。

「で、ヴァーゴ、ポラリス候補は見つかったのかしら?」
「う、うん。まだ属性鑑定を受けてないからなんとも言えないけど、なり得る人物は見つけたよ。」
「あらちょっと! それなら早く見に行きましょ、リーブラ!」
「はーい!」

 ヴァーゴさんに居場所を聞き、スコーピオさんと共に突撃です!
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