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一章
二
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「じ、じゃあ早く行こう。こんな森の中に長居はしたくはないからさ。」
照れを隠すように話を変える。こんな(多分)鬱蒼とした森の中になんて長居したくはないだろうと思ってね。それに……
「そうね。」
「そうしましょう。案内をお願いしても?」
「うん。じゃあ……」
私は目を閉じていても歩き回ったり走ったり出来る。何故なら気配を探るのが得意だからだ!
そんな私はいつも通りフッと気配を探る。うん、良し。これでどこに木があるか、二人がいるかを鮮明に感じる。それに周辺に危険は無さそうだ。
「よし、行こう!」
私達は歩き出した。
木の上から見た時も思ったが、二人に出会ったのは結構な森の奥だったらしい。時間をかけて森を出ると、目を閉じていても仄かに感じる明かりにホッと一息つけた。
二人が泊まっているという宿に到着し、私も共に個室へと入る。どうやらここはリアスが泊まっている部屋だと言う。
私はリアスに椅子を勧められ、そこに座る。二人とも各々好きな場所に座り、私はやっと座れてホッと一息つく。
「戻ってこれて良かったわね。」
「これもマロンさんのおかげですね。改めてありがとうございます。」
「いいえー。」
「ところでマロン、あなたこれからどうするつもりなのかしら?」
「これから……そうだねぇ、どうしようかな。」
これから、か。ノープランでここまで来てしまったからなぁ。どうしようか。特にやりたいことも無いし……。うーん、首を傾げてどうするか悩む。
「マロン、行くところがないならあたくし達に着いてこない?」
「……何故?」
私に向かう気配でリアスの真意を探る。こんなどこの誰かも分からないような私を連れてどこに行くつもりなのだろうか、と。
まさか私を油断させて殺すつもりなのでは……? やはりこの二人もあいつらと繋がっていたのだろうか。
二人ならギリいけるか? 最悪の場合を予測して……
「マロンさん、本音で話しましょうか。」
「ちょっと、パイシーズ! それは秘密でしょう!」
「リアスさんこそ。何故外で小生をそう呼ぶんですか?」
「っ……!」
……あれ? 仲間割れを始めた? なんか二人の雰囲気が変わったぞ。こんな時私はどうすればいいんだ?
私がつい先程まで感じていた負の感情はもう無くなっていた。拍子抜け、ってやつかな? それとも毒気を抜かれた?
「理由もなく連れて行くだなんて、不審に思われても仕方がありませんよ?」
「そっ、そ、それは……そうかもしれないけど……」
「可能性はゼロではありません。ですからほら、話してしまいましょう。」
「……全てではなく少しならいいんじゃないかしら。もし違ったら、という可能性もあるのでしょう? その時全てを話してしまっていたらどうするつもり? 記憶を消すなんてこと、出来ないでしょう?」
「……分かりました。」
お、話し合い? 言い合い? が終わったようだ。あまり長引かなくて良かった。私、仲裁とか絶対出来ないもの。
「ではマロンさんに話せるところまで話しましょうか。」
照れを隠すように話を変える。こんな(多分)鬱蒼とした森の中になんて長居したくはないだろうと思ってね。それに……
「そうね。」
「そうしましょう。案内をお願いしても?」
「うん。じゃあ……」
私は目を閉じていても歩き回ったり走ったり出来る。何故なら気配を探るのが得意だからだ!
そんな私はいつも通りフッと気配を探る。うん、良し。これでどこに木があるか、二人がいるかを鮮明に感じる。それに周辺に危険は無さそうだ。
「よし、行こう!」
私達は歩き出した。
木の上から見た時も思ったが、二人に出会ったのは結構な森の奥だったらしい。時間をかけて森を出ると、目を閉じていても仄かに感じる明かりにホッと一息つけた。
二人が泊まっているという宿に到着し、私も共に個室へと入る。どうやらここはリアスが泊まっている部屋だと言う。
私はリアスに椅子を勧められ、そこに座る。二人とも各々好きな場所に座り、私はやっと座れてホッと一息つく。
「戻ってこれて良かったわね。」
「これもマロンさんのおかげですね。改めてありがとうございます。」
「いいえー。」
「ところでマロン、あなたこれからどうするつもりなのかしら?」
「これから……そうだねぇ、どうしようかな。」
これから、か。ノープランでここまで来てしまったからなぁ。どうしようか。特にやりたいことも無いし……。うーん、首を傾げてどうするか悩む。
「マロン、行くところがないならあたくし達に着いてこない?」
「……何故?」
私に向かう気配でリアスの真意を探る。こんなどこの誰かも分からないような私を連れてどこに行くつもりなのだろうか、と。
まさか私を油断させて殺すつもりなのでは……? やはりこの二人もあいつらと繋がっていたのだろうか。
二人ならギリいけるか? 最悪の場合を予測して……
「マロンさん、本音で話しましょうか。」
「ちょっと、パイシーズ! それは秘密でしょう!」
「リアスさんこそ。何故外で小生をそう呼ぶんですか?」
「っ……!」
……あれ? 仲間割れを始めた? なんか二人の雰囲気が変わったぞ。こんな時私はどうすればいいんだ?
私がつい先程まで感じていた負の感情はもう無くなっていた。拍子抜け、ってやつかな? それとも毒気を抜かれた?
「理由もなく連れて行くだなんて、不審に思われても仕方がありませんよ?」
「そっ、そ、それは……そうかもしれないけど……」
「可能性はゼロではありません。ですからほら、話してしまいましょう。」
「……全てではなく少しならいいんじゃないかしら。もし違ったら、という可能性もあるのでしょう? その時全てを話してしまっていたらどうするつもり? 記憶を消すなんてこと、出来ないでしょう?」
「……分かりました。」
お、話し合い? 言い合い? が終わったようだ。あまり長引かなくて良かった。私、仲裁とか絶対出来ないもの。
「ではマロンさんに話せるところまで話しましょうか。」
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