××の十二星座

君影 ルナ

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十二星座編

アリーズ(おひつじ)

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 我輩は四十三代目トップ。その中でアリーズの名を襲名した者である。今はまだ四十二代目がトップとして君臨しているが、そろそろ代替わりが行われるだろう。

 ああそうだ。十二星座になる者はだいたい何かしらの武器や武術などに秀でていて(例外もあるが)、ちなみに我輩は銃使いである。




 そんな我輩ら今代十二星座は、ただ今あるものを探している。そう、我輩らの上に立つ羅針盤(王)、ポラリスである。

 この世界ステラには魔法使いが少なからず存在し、属性の詳細としては風、土、火、水、の四種類がある。その全てを扱えるのがポラリスたり得る人物なのだ。

 ああ、普通の人間は一つ二つ程しか扱えなかったり、一つも扱えない者もいる程。だからこそ全属性魔法持ちは貴重なのだ。ちなみに我輩はそれを一つも扱えないからこそ銃を極めたのだが。まあ、我輩のことは置いておいていいだろう。

 で、だ。我輩らの三代前から、属性魔法を一つでも扱える人間は『魔法学園』に通う義務を課せられている。だからその学園を調べれば探し物はすぐ見つけられるだろうと踏んだのだが、ポラリスたり得る人物はいなかった。

 ああ、いや、全属性魔法持ちは何人か……三人程いたが、皆が皆ポラリスたり得る人物ではなかった。自分のことしか考えられない者、我輩らの見た目に擦り寄る者、人を見下す者……。

 全属性魔法持ちは珍しいが故に、傲慢な者が多い。小さな頃から持て囃され続け、性格が歪むようだ。

 そんな中でこの世界の平和を第一に望む者を探すのは大変である。更に言えば今回、魔法学園を探してもポラリスを見つけられなかったということは、この世界中を探し回らなければならないということ。

「はぁ……」

 実に憂鬱である。まあ、ポラリスが見つからない方が憂鬱なので致し方なし。早く十二星座全員でこの世界をくまなく探しに出なければ。

 その話し合いをする為に今代の十二星座が一堂に会する最中、溜息が零れてしまった。

「あらアリーズちゃん、溜息つくと幸せ逃げるわよ?」
「トーラス……ちゃん付けは辞めてって言わなかったっけ?」
「あらいいじゃない。アタシより背が低いんだもの。」
「いやいや、トーラスがデカいだけでしょう? 我輩は小さくないよ。」

 我輩の背は確か百七十センチはあったはず。それでもこのトーラス(おうし)は我輩よりも頭一つ分以上高い。故にただ単にトーラスがデカいだけである。

「アタシより大きい人、現れないかしらん?」

 そう夢見心地に言うトーラス。ああ、言い忘れていたがトーラスは生物学上は男である。心は今代十二星座の中で一番の乙女であるが。
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