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事例 壱 『コウシュ村』
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「よくやったジョシュアベ。アレはだいぶ今回の大元に近い存在だったらしいからな。」
どうやら大元の力を幾分か削げたようで、先生は上機嫌だった。
「だが、近しいモノでもあれ程とは……今回の奴、祓いきるのは少しばかり骨が折れそうだな。」
確かに牧村さんに憑いていたモノを祓いきれなかった時点でヤバイとは思っていたが、先生の骨が折れるほどの大物ってことですかね?
それって結構ヤバいじゃないですか、と僕は先生の呟きに頬を引きつらせた。
「それにしてもジョシュアベ、お前さっき変なことを言っていたな?」
「え、変ってなんのことです?」
「見捨てたウンヌンのアレだ。」
「え、だって何も僕に相談もなしに置いていかれたら誰だってそう思いますって! これに関して言えば僕は悪くないっ!」
それを聞いた先生はキョトンと表情を変えた。
「お前を見捨てるほど私は薄情なやつだと思われていたのか。心外な。」
「だから報連相! それだけでもしっかりしてくれれば僕は何も言いませんって!」
「……相談しなかったのは悪かったが、ソレを悪霊に聞かれちゃあ元も子もなかったからな。」
「だとしても~……」
それを言われてしまえば、僕にはどうすることもできない。こうなったらいっそのこと『脳内で会話する』みたいな術でも会得しない限り心配は尽きないだろう。
まあ、一言でいえば『諦めろ』ということか。頭では理解しても、心ではいつまでも納得できなそうだ。
「それで、だ。お前は何を見せられた?」
そんな僕の葛藤なんてお構いなしに先生はそう問うた。
何か釈然としないまま、しかし聞かれたことには答えていく。
「何を、と言われましても……かくかくしかじか。」
先生に置いていかれてからの恐怖体験を、臨場感満載で語る。こんなに怖かったんだぞ、と少しでも分かってもらおうと思って。
「フム……よく頑張ったな。」
ポン、と背伸びをした先生に頭を撫でられ、その言葉がジィンと僕の中に染み入るのが分かった。そしてそれがジワリと涙として滲んだ。
「先生~」
「ああほら、そんなに泣くな。そんなに怖かったのか。」
「怖かったですよぉ~」
それから暫くの間、僕は先生に慰められることとなる。
どうやら大元の力を幾分か削げたようで、先生は上機嫌だった。
「だが、近しいモノでもあれ程とは……今回の奴、祓いきるのは少しばかり骨が折れそうだな。」
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