笑顔の仮面は外れない〜陽光の私と月光の貴方〜 【完結】

君影 ルナ

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10 豊永 ひまり

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 私は小さい頃から『ひだまり』だった。


 ひまりという名前の由来も、ひだまりのように暖かい子になって欲しいとの願いを込めたらしい。


 自分の名前の由来を親から何度も聞かされていた幼い頃の私は、どうすればひだまりのように暖かい子になれるのか考えた。自分の名前に恥じないように、と。


 そのために自分の周辺をよく観察してみると、参考にした人気者の子や先生は、いつも笑っていた。ポジティブ思考だった。皆に平等に優しかった。少し冗談も言えた。


 それらのバランスがよかったのだろう。でも少しでもさじ加減を間違えると離れていく人もいた。そこが難しいところか。















 ……という所まで考えついたのが小学校三年か四年の頃。達観していたんだろうな、とは思う。


 そんなこともあってひだまりになるための情報収集をして得たものを、だんだんと行動に移していった。急に変えると不自然だからね。


 常に笑顔で、ポジティブ思考で、平等に優しくして。

 最初は取って付けたような演技だったかもしれないけど、だんだん自分に馴染んできた。更に行動している間にも学ぶことは多く、だんだん自分の理想としているひだまりになっていくのが自分でも分かった。


 『ひだまりちゃん』そう呼ばれる度、私の行動が間違いではないことに安堵した。
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