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ぎゅー
ハグの日(テディー目線)
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今回の話には名前のあるキャラが出てきますが、自創作の未発表作品に出てくるキャラですので「こんな人もいるのかー」くらいの認識で大丈夫です。
─────
ぽてぽて、僕は夜道を歩いていた。
「今日はどこに診療に行こうかなー?」
僕は辛そうに、悲しそうにしている人がどこにいるかが分かるんだ。なんか、第六感みたいな? そんな感じ。だから今日もそれを頼ってそのような人を探す。
今日のモフモフコンディションも最高だからね、誰かにモフモフしてもらいたいところなんだけど……。
「あれれ? 今日、この近くで辛い人いない?」
そんなわけある? ああ、いやでも悲しかったり辛かったりする人がいないのは良いことだろうし……でも……
「僕のモフモフ……」
モフモフしてくれる人がいないことがとても寂しい。僕はそう思っちゃったんだ。フッと顔も下がる。
「あら、あなたテディーじゃないかしら?」
その時聞こえてきたのは、知り合いの声だった。バッと顔を上げると、そこにはゴスロリ姿の金髪女子が立っていた。街灯に照らされて髪の毛がキラキラ輝いて見える。
「春子さん!」
「テディー、今日は誰かのところに行かないの?」
知り合いの春子さんはしゃがみ、僕と目線を合わせてくれた。
「それが……今日は辛そうにしている人を見つけられなくて……」
「あら、そうだったのね。」
「うん。今日の僕のモフモフコンディションが最高なのに……」
「ふふ、なら私に抱きしめられなさい?」
「いいの?」
「もちろん。私、可愛いものは大好きなんだもの。」
「うふふ、ありがとう。」
春子さんは僕を抱き上げ、頭を撫でてくれる。うふふ、嬉しいなあ。
「今日のあなたのモフモフ具合も最高ね。でも手入れするの大変じゃない?」
「全然! 僕を抱きしめてくれる人の笑顔を思いながらブラッシングするとね、すごくワクワクするの!」
「あら、それは良いわね。相乗効果、みたいな感じかしら?」
「かもね!」
数分くらいそのままの状態が続いた。もう少し撫でられていたいと僕は思ったけれども、新たに出てきた人の声がそれを壊した。
「春子殿。探しましたぞ。」
「あら九重。」
「げっ、」
僕にも心があるからね、苦手な人もいるんだ。あ、モフモフしてくれる人は大好きなんだけど……この人はちょっと……
「む、もしかしてそこにいるのはテディー殿では?」
袴を着たこの男の人は九重って呼ばれているの。この人は出会った時に僕を解剖して研究したいって言ったんだ! だから苦手!
「今日こそテディー殿を研究させていただきたいのだが……」
「嫌だ! 春子さん、怖いよぉー。」
春子さんに抱きつくと、九重は一瞬だけ眉間に皺を寄せた。うわあ、やっぱり怖いよー。
「あらあら、テディーに相当嫌われているわね。九重、諦めなさい。」
「う……ですが……拙者は……研究を……」
「幹部命令よ。」
「それは狡いですよ。……分かりました。諦めます。」
良かった、僕、解剖されずに済む! これからももふもふ病院院長を続けられるね!
「春子さん、ありがとう!」
「いえいえ。これくらい容易いわ。で、テディー。もう少し撫でられてくれる?」
「もちろん! 飽きるまで撫でてくれていいよ!」
「ふふ、ありがとう。」
春子さんはそれから数十分撫で続けてくれた。お喋りをしながら。九重は少し離れた場所から僕達をじっと見つめるだけだったよ。ふん、ザマーミロ! 解剖したいだなんて言うからだ!
ああ、僕にもこんな気持ちが備わってるんだね。自分のことながら初めて知ったよ。
─────
ぽてぽて、僕は夜道を歩いていた。
「今日はどこに診療に行こうかなー?」
僕は辛そうに、悲しそうにしている人がどこにいるかが分かるんだ。なんか、第六感みたいな? そんな感じ。だから今日もそれを頼ってそのような人を探す。
今日のモフモフコンディションも最高だからね、誰かにモフモフしてもらいたいところなんだけど……。
「あれれ? 今日、この近くで辛い人いない?」
そんなわけある? ああ、いやでも悲しかったり辛かったりする人がいないのは良いことだろうし……でも……
「僕のモフモフ……」
モフモフしてくれる人がいないことがとても寂しい。僕はそう思っちゃったんだ。フッと顔も下がる。
「あら、あなたテディーじゃないかしら?」
その時聞こえてきたのは、知り合いの声だった。バッと顔を上げると、そこにはゴスロリ姿の金髪女子が立っていた。街灯に照らされて髪の毛がキラキラ輝いて見える。
「春子さん!」
「テディー、今日は誰かのところに行かないの?」
知り合いの春子さんはしゃがみ、僕と目線を合わせてくれた。
「それが……今日は辛そうにしている人を見つけられなくて……」
「あら、そうだったのね。」
「うん。今日の僕のモフモフコンディションが最高なのに……」
「ふふ、なら私に抱きしめられなさい?」
「いいの?」
「もちろん。私、可愛いものは大好きなんだもの。」
「うふふ、ありがとう。」
春子さんは僕を抱き上げ、頭を撫でてくれる。うふふ、嬉しいなあ。
「今日のあなたのモフモフ具合も最高ね。でも手入れするの大変じゃない?」
「全然! 僕を抱きしめてくれる人の笑顔を思いながらブラッシングするとね、すごくワクワクするの!」
「あら、それは良いわね。相乗効果、みたいな感じかしら?」
「かもね!」
数分くらいそのままの状態が続いた。もう少し撫でられていたいと僕は思ったけれども、新たに出てきた人の声がそれを壊した。
「春子殿。探しましたぞ。」
「あら九重。」
「げっ、」
僕にも心があるからね、苦手な人もいるんだ。あ、モフモフしてくれる人は大好きなんだけど……この人はちょっと……
「む、もしかしてそこにいるのはテディー殿では?」
袴を着たこの男の人は九重って呼ばれているの。この人は出会った時に僕を解剖して研究したいって言ったんだ! だから苦手!
「今日こそテディー殿を研究させていただきたいのだが……」
「嫌だ! 春子さん、怖いよぉー。」
春子さんに抱きつくと、九重は一瞬だけ眉間に皺を寄せた。うわあ、やっぱり怖いよー。
「あらあら、テディーに相当嫌われているわね。九重、諦めなさい。」
「う……ですが……拙者は……研究を……」
「幹部命令よ。」
「それは狡いですよ。……分かりました。諦めます。」
良かった、僕、解剖されずに済む! これからももふもふ病院院長を続けられるね!
「春子さん、ありがとう!」
「いえいえ。これくらい容易いわ。で、テディー。もう少し撫でられてくれる?」
「もちろん! 飽きるまで撫でてくれていいよ!」
「ふふ、ありがとう。」
春子さんはそれから数十分撫で続けてくれた。お喋りをしながら。九重は少し離れた場所から僕達をじっと見つめるだけだったよ。ふん、ザマーミロ! 解剖したいだなんて言うからだ!
ああ、僕にもこんな気持ちが備わってるんだね。自分のことながら初めて知ったよ。
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