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第4話 リリア
しおりを挟む博士 男
荒木マミ 女
リリア/メイ 女
月神十花/()は十花本人 女
脳は月神十夜、体は月神十花
十夜は兄、十花は妹
十花
「くそ…」
十花
「俺たちのいる位置は、大体真ん中あたり。
博士が居るのは北側。ここから約5分。
すぐ近くだが、この銃声音、距離は約200m先。
下手すると見つかる。
リリア
「こわい…こわいよ…」
十花
「この子を抱っこして走ると…
かといって走らせるのは難しいか。
やっぱり、抱っこして走るしかない!
覚悟はいいか?リリア、走るぞ!」
リリア
「う、うん!」
十花
「よし!いくぞ!おらぁぁぁ!」
十花
「ここを右!ここも右」
十花
(お兄ちゃん!左!)
十花
「十花!?左だな!わかったあああ!」
博士
「一体誰が!」
マミ
「分かりませんが、敵はいま南側からこちらに向かっています!」
博士
「ゲートを展開!動きを封じろ!」
マミ
「はい!」
十花
「うわ!ゲートが!間に合えええ!」
博士
「十花達は今どこに!」
マミ
「こちらに向かっていますが…
え!」
博士
「どうした!」
マミ
「2人の反応が消えました!」
博士
「なんだって!」
十花
「ぐ…う…うぐぐ…うおらぁ!」
瓦礫の下からでてくる。
十花
「リリア…大丈夫か?」
リリア
「う、うん…お姉ちゃん…腕が」
十花
「ん?あぁ、大丈夫だ。
リリアに傷がなくてよかった。
でも、腕か…
状況確認開始。
腕の損傷率67%
まじか…」
リリア
「リリアのせいで…ごめんなさい、ごめんなさい。」
十花
「大丈夫。リリアのせいじゃない。
元からこうなるのは予想済みだ。
まぁ、損傷率67%までは予想出来なかったが。」
リリア
「でも。」
十花
「子供はそれ以上考えちゃダメ。
それ以上は大人がやることだ。
わかったか?ちびんこ」
リリア
「うん。わかった。」
十花
「いい子だ。いくぞ
何が起きたのか説明しよう。
上からの攻撃、多分、ミサイルを食らったこの施設が崩壊
ちょうどその崩壊した所の真下を走っていた俺達は瓦礫の下敷きとなってしまった。
その際左腕でガードして、いまや左腕は使えない状態である。」
リリア
「お姉ちゃん、私たち死ぬのかな?」
十花
「死ぬわけないだろ!というか!俺がリリアを死なせない。
大事な妹だ。意地でも死なせはしない!
っと!?敵…もうここまで来たのか。」
リリア
「こわい。」
十花
「どうしたら…」
博士
「でも、なぜこのタイミングに…」
マミ
「気になりますか?」
十花
「その時博士の後ろからカチャっと音と共に背中に硬いものが当たる感触がした。」
博士
「なんだい…マミ君。」
マミ
「博士…あなたは偉大な方だ。
誰も出来なかったホムンクルスを作り、人格までも複製させた。」
博士
「まさか…あのメールは…君か」
マミ
「えぇ、あなたならやってくださると。
あなたにしかできないとまで思いましたわ。」
博士
「なら、私を殺す必要は無いだろ。」
マミ
「んーわたしがほしいのはホムンクルスのデータとあなたの
脳。
あなたとの子供も欲しかったけど、出来なかったし…
まぁ、簡単に言うと…用済みかな。」
博士
「ホムンクルスを使って何をする気だ。」
マミ
「それは・・・」
十花
「このままだと、敵との戦闘が始まってしまう。
そのとき、リリアを…俺は守れるのか?
どう考えても、それは厳しい。
博士がいるとこまでは約300m
リリアの足だと約6分
だとしたら、俺がしなければいけない事は。
時間稼ぎ」
リリア
「きゃ!こわいよ!お姉ちゃん。」
十花
「今から言うことをやるんだ。
後ろを振り向かず全力で真っ直ぐ行って右に曲がった所にある部屋に行くんだ。
絶対に振り向くなよ。いいな?」
リリア
「お姉ちゃんもいっしょ?」
十花
「うぅん。リリア一人で行くんだ。やれるな。」
リリア
「お姉ちゃんと一緒がいい!1人は嫌だ!」
十花
「リリア…」
リリア
「お姉ちゃんのこと大好きだから一緒にいる!」
十花
「リリア、ごめんな。ぎゅーしてあげる、おいで。」
リリア
「うん、ぎゅー」
十花
「よし、いけるな。」
リリア
「うん。」
十花
「よし、いけ!
走る後ろ姿…十花そっくりだ。
さ、俺は俺にしかできないことをするか。
たしか…研究室にあった、危険と書かれたノート。
あれにあったパスコード。
リリース&コネクト=ユナイト」
十花
「コード認証。消すものと復元するものを選んでください。」
十花
「消すものは、俺の人格!!
復元するものは月神流空手と月神十花だ!」
十花
「承知致しました。復元を開始。」
十花
「ぐ!?うあ!?頭が…」
十花
「復元完了。」
十花
「はぁはぁ…頭の中に十花の空手のやり方が…
これは凄い!
おれでも習得できなかった技まで。
さすが十花だ!」
十花
「でも…俺に残された時間は…15分…
俺の人格たったの15分だけかよ…
いや、15分もあるんだ!時間稼ぎはできる。
可愛い妹のため、お兄ちゃんは踏ん張ってやるぜ!」
十花
(お兄ちゃん。私と一緒がいいなんて。
兄弟の意地見せてやろ!)
リリア
「お姉ちゃん…やっぱり戻る。いや、約束したんだ!」
マミ
「それは…世界征服よ」
博士
「馬鹿なことをゆうな!世界征服をして何になるんだ!」
マミ
「わたしが大統領になってやりたいことをやる。
こうたの無念を晴らす。
私の息子は私を研究のコマに使おうとしたやつらに、
捕まり、殺された。
死ぬ時、みんな殺してと言っていた。
だから!わたしはホムンクルスに目をつけ、軍事運用しようとした。でも、上手くは行かなかった!
だから、2人を襲わせたの。」
博士
「2人ってまさか!?」
マミ
「そう。十夜に十花よ。
あなたは予想どうりホムンクルスに手をかけた。
そして作ってくれた。
私の下僕を」
博士
「くそやろう!」
マミ
「ふふふ。わたしはくそでいいの。
こうたの無念を晴らせるならね!
用無しのあなたは消えなさい。」
博士
「馬鹿げている!そんなことをしても!何も変わらない!
帰っては来ないんだぞ!」
マミ
「いいえ、リリアがいるわ。」
博士
「リリアに何をする気だ!」
マミ
「私が育てる。光栄に思いなさい。」
博士
「やらせるかああああ!」
十花
「リリアが扉の前に着いた時隙間から見えてしまう。
バンと鳴り響く銃声音と後ろに崩れ落ちる博士が。
そのとき、リリアはしというものを初めて目の当たりにする。
全身を襲う恐怖からくる体の震えに耐えながら、その場から離れた。」
十花
「俺は15分間たった1人でマシンガンやAK-47を武装した敵60人と戦った。
全員倒したが…左腕左足を失った。」
リリア
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
十花
「小さな女の子の走る音がする。
でも…おれは…もう…」
リリア
「お姉ちゃん!お…おねぇ…」
十花
「俺を見てなんて思うだろうか…
最後にリリアに触れたい。
だけど、もう腕に感覚は無い。」
十花
「リリア…こっちに…きて…」
リリア
「うん!お姉ちゃん大丈夫!?」
十花
「何も言わず頬に手をやる。
ほっぺを優しく触る。
触っても…感触は無いと知っていても。
リリアに触れたかった。」
リリア
「お姉ちゃん!死なないで!嫌だ!嫌だよ!」
十花
「意識が薄れていく中、リリアを見るとリリアは泣いていた。
ホムンクルスも泣くんだな…」
リリア
「嫌だ!お姉ちゃん!お姉ちゃん!行かないで!お願い!」
十花
「これだけは…これだけは言いたい。」
十花
「俺の選んだ服…似合ってるよ、リリア…
ここ…から…に…げて。」
リリア
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
十花
「ごめんね…最後まで守れなくて…」
十花
(十夜お兄ちゃん!お疲れ様!こっちにいこ?)
マミ
「見つけた!連れていきなさい!」
十花
「リリアはマミ率いる組織に捕まり、研究室に連れていかれる。」
リリア
「やめて!嫌だ!嫌だあああ!」
マミ
「暴れないの!あんな記憶いらないわよね。
初期化しよっか」
リリア
「やめて!はなして!」
マミ
「うるさいわね、うるさい子にはこのプラグを刺して。
これで四肢の機能は停止した。
さぁ!ぜんぶさっぱり忘れましょ?」
リリア
「いやだ!」
マミ
「初期化開始!
じゃあ、おやすみなさい。」
十花
「初期化完了」
マミ
「お!おはよう娘ちゃん」
リリア
「あなただれ?」
マミ
「私はあなたのお母さんよ?
あなたのお名前は…んーリリアはあれよね、
そうだ!メイ!いい名前じゃない!
あなたは荒木メイよ!」
メイ
「メイ…うん、わかった。
おはよ、お母さん。」
過去編 完
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