上 下
1 / 2

最後の星

しおりを挟む
「光牙!前を向け!1人で挫折するな!」
1人の青年が声高々に僕に叫んだ
燃える業火の中、その青年は光の巨人と
姿を変え、空に飛ぶ飛行船へと飛んでいく。

2053年、平和だったこの街(エルド)に突如と現れた飛行船の襲来を受け、街は火の海になった。
空部軍が飛行船めがけて突撃していく。
だが、その飛行船は変形しビームのような
光線を放ったのだ。
空部軍は避けようとするがビームは追尾式で
逃げても逃げても追いかけ撃ち落としていく。

街の人は皆恐怖し始める。

空部軍が戦争の最中、ビームは僕らの地上にも降り注ぐ。

「きゃあああああああ」
「こっちだ!こっ」
「くそ!こんな街にいなっ」

つぎつぎとビームに巻き込まれ死んでいく。

「光牙!」

僕はお母さんの声で危険が迫っているのを
知った。
僕の頭上にビームがあった。

「光牙は死なせない!」

お母さんは僕を抱き抱え走った。

「光牙!立派に育ちなさい!そして…仇を」

そう言ってお母さんは僕を投げた。

「うわっ」

僕は空を舞いながらお母さんが光の中に消えてくのを見た。

「お母さん」

お母さんの消えていく姿を見ても僕は不思議と涙がでなかった。

「うぐっ…痛った。」

目の前の何も無い空洞に僕は何も考えれなくなっていた。

「お母さん、ママ!」

空洞に近づいたが何も無かった。

「ママは?ママどこ!」

消えていくお母さんがフラッシュバックする

「ままああああああああああ」

僕は叫んだ。だれも反応してくれない。

「うぅままぁ」

僕は立ち上がり、後ろを見た。そこには
家が無くなり、火がついている場所
倒れている人。家に潰されている人。
体の一部がない人。人を探している人。

飛行船の攻撃は平和な街を崩壊の街へと変えた。

僕は上を見た。

空には無数の飛行船 

奴らの狙いは…

「おい!大丈夫か!って光牙じゃないか!」

誰かに呼ばれ、顔を見たら十夜兄ちゃんがいた。

「いきていたのか!お母さんは?」

僕は穴を指さした。

「まさか…死んだのか…」

「僕を投げて、光の中に消えていった。」

「そ、そうなんだな…光牙!よくいきていてくれた!ありがとう」

十夜兄ちゃんは僕を抱きしめてくれた。

そして立ち上がり

「いくぞ!光牙!」

「ありがとう母さん、光牙を守ってくれて」

兄ちゃんはそう言って僕を抱きしめ走り出した。

「兄ちゃん、あれはなに?」

十夜にだっこされながら、光牙はきいた。

「わからない、だが悪い奴らに変わりはないさ」

僕は空を見た。
ビームは僕らの近くにおちた。

「うわああああ」
「ああああああああ」

僕らは飛ばされた。

「光牙!光牙!」

僕はゆっくりと目を開けた。
僕は飛ばされた衝撃で気絶していたらしい。

「よかった、怪我とかないか?」

「足が…」

僕は倒れた際に足を切ったらしい

「今治すからな、ヒール」

お兄ちゃんは回復魔法でなおしてくれた。

「ありがとう兄ちゃん!」

「あぁ!急ぐぞ!」

「うん!」

お兄ちゃんは僕を抱っこし、走り始めた。

空から降り注ぐビームの嵐

それは止むことなく、ぼくらのまわりにおちてくる。

「あれをつかうしかないか…」

僕は兄さんを見た。

「光牙」

兄ちゃんは僕を下ろし背中を向けた。

「この先、すぐの所に避難所がある。そこまで走ろ!後ろを向くな、わかったな」

僕は頷いた。

「光牙!前を向け!1人で挫折するな!」

兄ちゃんは叫んだ。

「何かあったら相談しろ。約束だ」

兄ちゃんの背中がかっこよく見えた。

「行け!早く」

僕は立ち上がり走り出した。だが、兄ちゃんが気になり後ろを見た。

「はああああ」

周りの炎がどんどん兄ちゃんに入っていく。

「うぉぉぉぉ」

兄ちゃんが炎に包まれ巨大化していく。

「お兄ちゃん」

光輝く巨人は上を見て、飛行船に向かいジャンプした。

「おっきい、すごい」

周りの炎は消え、巨人は飛行船にぶつかると
大爆発を起こした。

「うわあああああああああ」

強い風邪が僕を飛ばす。

壁に当たり動けなくなっていた。

「いたい」

起き上がるのがやっとだったが泣かなかった

僕は歩き始め何とか避難所を見つけた。

「おい!子供だ!子供だぞ!」

一人の男が僕を指さす。

その時ビームが僕付近に落ちた。

「そんな…」
「幼い子が…」

2人は固まっていた

砂煙が舞い、視界が悪かったが徐々に消えていき

スタ…スタ…

「救えなかった…幼い子を」
「あなたは悪くないわ」

スタ…スタ…

「ん?あれ!みて!あなた!」
「ん?なんだよ…あ、あれは!!」

砂煙の中から僕は生還したのだ

「す、すごい!」
「奇跡よ!あなた!!」

2人は大喜びした
そして僕の所へ走って来たのだ

「こんな危ないところを1人で」
「もう、私死んだんじゃないかと」

僕を抱きしめ2人は泣いていた…

しおりを挟む

処理中です...