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魔の章 第六節
其ノ九 ごめんなさい
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「アリー、ちょっと降りてて」
フィーネはアリーシャを地面に下ろすと、イリスの手元に集中する。
「何故か標的が変わったらしい。気を付けろよ助手くん」
「大丈夫。アリーも何かあったらすぐ呼んで」
アリーシャから少し離れた場所で、イリスの次の行動を待つ。
フィーネがイリスの手に集中し、イリスもフィーネを睨み続ける。
お互いの睨み合いは長く、その場に静寂の時間が続いていた。
────長い。フィーネが待ち始めてから、それなりに時間が経過したと言うのに、動きは一切ない。
しかし、その間もフィーネの周囲の線は増え続けており、既に十本ずつは出来上がっていた。
その線は増え続け、気づけば少しずつ大きさも増していく。
なるほど、避けられることを警戒し、座標指定の範囲を広げると言うことだろう。
しかし、その意図を汲んだフィーネは、それでもなお、冷静にイリスを見据えている。
「ごめんね、イリスさん」
フィーネは一人呟くと、体勢を下げ下半身に力を入れる。
彼女の動きにイリスが警戒するのを確認すると、思いきり走り出した。
イリスも彼女のその動きを予想していたのだろう。彼女が動いた瞬間には、左手を振り払い、二人の間に炎の壁を創り出す。
「それ、あんまり意味ないんだけどな……」
フィーネはその壁に怯むことなく、さらに速度を上げて、炎の壁に飛び込む。
「……?」
炎の壁を通り抜ける瞬間、わずかに見えた炎とは違う光に反応し、炎の中から軽く跳躍して抜け出す。
「これって……」
空中から彼女が通る予定だった道筋を見ると、炎の壁を抜けた直後の空間に、光魔の楔による防護壁ができていた。
「危なかった……」
「あなたはおかしい」
イリスの声はフィーネの頭の上から聞こえ、彼女が見上げると、イリスが睨んでいた。
「壁は普通に抜けてくるし、罠も直前で見抜く」
フィーネの周りの球はいつの間にか消えていた。あるいは、イリスが動いたことにより、解除されたのかもしれない。
「でも空中なら、避けれない」
イリスがフィーネに向けて手をかざすと、空中に黄色の幾何学模様が浮かび上がる。
フィーネは警戒するが、地面に落ちるまでは何もできない。
幾何学模様が黄色く輝き、大きな矢が精製された。その矢は雷雲のように電気が弾けている。
「それは……?」
「雷魔の怒り。あなたなら受け止めれるかも?」
イリスがそう言うと、その矢はフィーネ目掛けて動き出し、徐々に速度を増していく。
矢が纏う電気はさらに激しさを増し、矢そのものもさらに大きくなっている。
「なにそれ……あなたも大概だと思うんだけど……!」
フィーネは叫びながら、触れる直前の矢を横から掴み、引き離すように力を入れる。
空中で掴んだこともあり、矢の勢いに連れられて、フィーネの体ごと地面に叩きつけられた。
「ふざ──けるなぁ!」
倒れた体勢から体を捻り、矢尻をイリスへ向け直す。矢はそのまま勢いを落とさず、今度はイリス目掛けて飛んでいく。
「──本当に、あなたはおかしい」
イリスは慌てることなく、矢に向かって手をかざした。今度は青色の幾何学模様が浮かび上がる。
「水魔の箍」
幾何学模様が蒼く輝き、蒼い縄が現れ、矢を縛る。縛られた矢は激しく電気を拡散し、霧散する。
「……ずるい」
フィーネがイリスに文句を言いながら、手を握ったり開いたりする。
「なんか動かしにくい……」
おそらく、雷魔の怒りと呼ばれた電気の矢に触れたからだろう。体が麻痺しているようだ。
「次は、避けれない」
いつの間にか地面に着地していたイリスが右手を上げると、もう一度フィーネの周りに線が浮かび上がる。
「甘いよ、イリスさん」
フィーネは足を踏み込み、思いきりイリスに向かって走り出す。
「……むかつく」
イリスが右手にさらに力を入れると、フィーネを囲う線が消える。
「諦めた……?」
フィーネが油断し、イリスに視線を戻すと、何故かイリスの周囲に幾つかの球体がが出来上がっている。
「なにを!」
「来るならこればいい。追えないなら待つ」
おそらく、フィーネの動きについていけないと判断したのだろう。フィーネが自分を攻撃する際に、爆発させるつもりか。
しかし、あれだけの熱量を持った魔法、至近距離でいくつも発動すれば、その体は無事では済まないだろう。
「──もうっ!」
フィーネは、イリスからある程度距離を置いた場所で、一度足を止める。
「怖い?」
「違う」
イリスの問いに即返答し、息を落ち着かせる。
「イリスさん、ごめんなさい」
フィーネはそう呟くと、地面にひびが入るほどに踏み込み、体勢を落とす。
直後、イリスに向かって跳躍する。
「──! 爆え──」
物凄い勢いで飛んでくるフィーネに対応が遅れ、イリスも急いで拳を握るが、間に合わない。
「──っ!」
フィーネがイリスのお腹に激突し、そのままイリスを吹き飛ばした。
イリスは思いきり空を飛び続け、フィーネの勢いが落ちる。
「ん」
「──!」
イリスが拳を完全に握り、唱え終えると、球が全て蒼くなる。
しかし、その内の一つはフィーネの足をしっかりと捉えており、無情にもその足を巻き込んだまま周囲を焼き尽くしていく。
「────っ!」
フィーネの声にならない叫び声が小さく響き、宙で焼かれた足を押さえるフィーネが、地面に叩きつけられた。
叩きつけられた体制から、フィーネはなんとか体を起こす。
「……治るようなものじゃないよね……」
フィーネが確認した右足は、形は残っているものの、黒く焼け焦げ、まともな足の形とは言い難い。
自分がそんな状態にも関わらず、フィーネはイリスの方に視線を向けた。
「──!」
イリスを確認する前に、フィーネの視線に紅い線が浮かび上がった。
間違いなく、爆炎と言われた魔法の座標だろう。無残な右足を考えると、流石のフィーネでも避けることは困難だろう。
「まいったな」
フィーネはあまりに冷静で、その様子からは危機感を一切感じさせない。
「はぁ……はぁ……ばく──」
「イリス、流石にやりすぎだ」
鋭く、大きな破裂音が焼け爛れたその空間に響き渡る。
その音と共に、フィーネを囲う線は消え、彼女は何事かと、イリスに視線を向けた。
「なにをやってるの!」
「……イリスが悪い」
そこには、地面に突っ伏するイリスの姿と、拳銃のようなものの銃口をイリスに向け、引き金に指をかけているルカの姿があった。
「落ち着け助手くん。君も熱くなりすぎだ」
唐突なアリーシャの登場、現状の立ち位置、今回の騒動の元凶。
おそらく、フィーネは今の現状を正しく判断できていないだろう。
「アリー!」
「だから落ち着け。イリス君は死んではいない」
アリーシャの諭すような静かな声に、フィーネも少し冷静になる。
もう一度イリスの方を向き、深く呼吸する。
「じゃあ、あれは……」
「催眠弾のようなものだ。彼ら特有の性質らしいがね」
アリーシャの言葉を聞き、安堵したのかフィーネの体から力が抜け、崩れる体を腕で支えた。
「しかし相変わらずだな君は。お人好しが過ぎる」
「そんなこと……」
「訳もわからず怒り狂った、昨日出会ったばかりの少女に殺されかけ、その結果足を使い物にならなくされた。その上で自分ではなく彼女の心配をしている君を、お人好しと呼ばず何という」
アリーシャにしては珍しく、熱く早口なその口調は、フィーネを諭すのに十分な効果があったようだ。
「それに、あの状況でまだ手加減していただろう。君が全力で殴っていれば、いくら彼女でも無事ではすまなかったろうしな」
「…………」
フィーネはそのまま何度か深呼吸し、最後に安堵のため息を吐いた。
「二人とも! 本当にすまなかった。イリスには後で詫びさせるから、とりあえずもう一度家に招待させてくれるか?」
フィーネとアリーシャが、顔を見合わせ肩を竦めて見せる。
「頼む」
「お願いします」
相変わらず、二人の言葉は綺麗に重なっていた。
フィーネはアリーシャを地面に下ろすと、イリスの手元に集中する。
「何故か標的が変わったらしい。気を付けろよ助手くん」
「大丈夫。アリーも何かあったらすぐ呼んで」
アリーシャから少し離れた場所で、イリスの次の行動を待つ。
フィーネがイリスの手に集中し、イリスもフィーネを睨み続ける。
お互いの睨み合いは長く、その場に静寂の時間が続いていた。
────長い。フィーネが待ち始めてから、それなりに時間が経過したと言うのに、動きは一切ない。
しかし、その間もフィーネの周囲の線は増え続けており、既に十本ずつは出来上がっていた。
その線は増え続け、気づけば少しずつ大きさも増していく。
なるほど、避けられることを警戒し、座標指定の範囲を広げると言うことだろう。
しかし、その意図を汲んだフィーネは、それでもなお、冷静にイリスを見据えている。
「ごめんね、イリスさん」
フィーネは一人呟くと、体勢を下げ下半身に力を入れる。
彼女の動きにイリスが警戒するのを確認すると、思いきり走り出した。
イリスも彼女のその動きを予想していたのだろう。彼女が動いた瞬間には、左手を振り払い、二人の間に炎の壁を創り出す。
「それ、あんまり意味ないんだけどな……」
フィーネはその壁に怯むことなく、さらに速度を上げて、炎の壁に飛び込む。
「……?」
炎の壁を通り抜ける瞬間、わずかに見えた炎とは違う光に反応し、炎の中から軽く跳躍して抜け出す。
「これって……」
空中から彼女が通る予定だった道筋を見ると、炎の壁を抜けた直後の空間に、光魔の楔による防護壁ができていた。
「危なかった……」
「あなたはおかしい」
イリスの声はフィーネの頭の上から聞こえ、彼女が見上げると、イリスが睨んでいた。
「壁は普通に抜けてくるし、罠も直前で見抜く」
フィーネの周りの球はいつの間にか消えていた。あるいは、イリスが動いたことにより、解除されたのかもしれない。
「でも空中なら、避けれない」
イリスがフィーネに向けて手をかざすと、空中に黄色の幾何学模様が浮かび上がる。
フィーネは警戒するが、地面に落ちるまでは何もできない。
幾何学模様が黄色く輝き、大きな矢が精製された。その矢は雷雲のように電気が弾けている。
「それは……?」
「雷魔の怒り。あなたなら受け止めれるかも?」
イリスがそう言うと、その矢はフィーネ目掛けて動き出し、徐々に速度を増していく。
矢が纏う電気はさらに激しさを増し、矢そのものもさらに大きくなっている。
「なにそれ……あなたも大概だと思うんだけど……!」
フィーネは叫びながら、触れる直前の矢を横から掴み、引き離すように力を入れる。
空中で掴んだこともあり、矢の勢いに連れられて、フィーネの体ごと地面に叩きつけられた。
「ふざ──けるなぁ!」
倒れた体勢から体を捻り、矢尻をイリスへ向け直す。矢はそのまま勢いを落とさず、今度はイリス目掛けて飛んでいく。
「──本当に、あなたはおかしい」
イリスは慌てることなく、矢に向かって手をかざした。今度は青色の幾何学模様が浮かび上がる。
「水魔の箍」
幾何学模様が蒼く輝き、蒼い縄が現れ、矢を縛る。縛られた矢は激しく電気を拡散し、霧散する。
「……ずるい」
フィーネがイリスに文句を言いながら、手を握ったり開いたりする。
「なんか動かしにくい……」
おそらく、雷魔の怒りと呼ばれた電気の矢に触れたからだろう。体が麻痺しているようだ。
「次は、避けれない」
いつの間にか地面に着地していたイリスが右手を上げると、もう一度フィーネの周りに線が浮かび上がる。
「甘いよ、イリスさん」
フィーネは足を踏み込み、思いきりイリスに向かって走り出す。
「……むかつく」
イリスが右手にさらに力を入れると、フィーネを囲う線が消える。
「諦めた……?」
フィーネが油断し、イリスに視線を戻すと、何故かイリスの周囲に幾つかの球体がが出来上がっている。
「なにを!」
「来るならこればいい。追えないなら待つ」
おそらく、フィーネの動きについていけないと判断したのだろう。フィーネが自分を攻撃する際に、爆発させるつもりか。
しかし、あれだけの熱量を持った魔法、至近距離でいくつも発動すれば、その体は無事では済まないだろう。
「──もうっ!」
フィーネは、イリスからある程度距離を置いた場所で、一度足を止める。
「怖い?」
「違う」
イリスの問いに即返答し、息を落ち着かせる。
「イリスさん、ごめんなさい」
フィーネはそう呟くと、地面にひびが入るほどに踏み込み、体勢を落とす。
直後、イリスに向かって跳躍する。
「──! 爆え──」
物凄い勢いで飛んでくるフィーネに対応が遅れ、イリスも急いで拳を握るが、間に合わない。
「──っ!」
フィーネがイリスのお腹に激突し、そのままイリスを吹き飛ばした。
イリスは思いきり空を飛び続け、フィーネの勢いが落ちる。
「ん」
「──!」
イリスが拳を完全に握り、唱え終えると、球が全て蒼くなる。
しかし、その内の一つはフィーネの足をしっかりと捉えており、無情にもその足を巻き込んだまま周囲を焼き尽くしていく。
「────っ!」
フィーネの声にならない叫び声が小さく響き、宙で焼かれた足を押さえるフィーネが、地面に叩きつけられた。
叩きつけられた体制から、フィーネはなんとか体を起こす。
「……治るようなものじゃないよね……」
フィーネが確認した右足は、形は残っているものの、黒く焼け焦げ、まともな足の形とは言い難い。
自分がそんな状態にも関わらず、フィーネはイリスの方に視線を向けた。
「──!」
イリスを確認する前に、フィーネの視線に紅い線が浮かび上がった。
間違いなく、爆炎と言われた魔法の座標だろう。無残な右足を考えると、流石のフィーネでも避けることは困難だろう。
「まいったな」
フィーネはあまりに冷静で、その様子からは危機感を一切感じさせない。
「はぁ……はぁ……ばく──」
「イリス、流石にやりすぎだ」
鋭く、大きな破裂音が焼け爛れたその空間に響き渡る。
その音と共に、フィーネを囲う線は消え、彼女は何事かと、イリスに視線を向けた。
「なにをやってるの!」
「……イリスが悪い」
そこには、地面に突っ伏するイリスの姿と、拳銃のようなものの銃口をイリスに向け、引き金に指をかけているルカの姿があった。
「落ち着け助手くん。君も熱くなりすぎだ」
唐突なアリーシャの登場、現状の立ち位置、今回の騒動の元凶。
おそらく、フィーネは今の現状を正しく判断できていないだろう。
「アリー!」
「だから落ち着け。イリス君は死んではいない」
アリーシャの諭すような静かな声に、フィーネも少し冷静になる。
もう一度イリスの方を向き、深く呼吸する。
「じゃあ、あれは……」
「催眠弾のようなものだ。彼ら特有の性質らしいがね」
アリーシャの言葉を聞き、安堵したのかフィーネの体から力が抜け、崩れる体を腕で支えた。
「しかし相変わらずだな君は。お人好しが過ぎる」
「そんなこと……」
「訳もわからず怒り狂った、昨日出会ったばかりの少女に殺されかけ、その結果足を使い物にならなくされた。その上で自分ではなく彼女の心配をしている君を、お人好しと呼ばず何という」
アリーシャにしては珍しく、熱く早口なその口調は、フィーネを諭すのに十分な効果があったようだ。
「それに、あの状況でまだ手加減していただろう。君が全力で殴っていれば、いくら彼女でも無事ではすまなかったろうしな」
「…………」
フィーネはそのまま何度か深呼吸し、最後に安堵のため息を吐いた。
「二人とも! 本当にすまなかった。イリスには後で詫びさせるから、とりあえずもう一度家に招待させてくれるか?」
フィーネとアリーシャが、顔を見合わせ肩を竦めて見せる。
「頼む」
「お願いします」
相変わらず、二人の言葉は綺麗に重なっていた。
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