髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第4章

216.赤面と座席の取り合い。

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教室にたどり着き、扉をガラッと開けて中へ入ると教室に既にいた子たちが一斉に俺たちを見る。

「ユキくん!」
「え、あ、おはようございます!」

女の子が一人駆けてきて、俺に声をかけてくれる。駆けて来た女の子の後ろからその女の子と初めに話していた子達が数名やってくる。
俺はそんな彼女たちに驚いたが、フレンドリーに話しかけてくれたのが嬉しくて、初めは戸惑ってしまったが笑顔できちんと挨拶をした。
俺が挨拶をすると、声をかけてきた女の子は口元を手で覆い顔を赤らめていて、その子の友達と思われる女の子達も顔を赤らめて固まってしまった。

「えっと…?大丈夫?」
「……」
「あの…?」
「ユキ、しばらくそっとしてあげた方がよさそうだ」
「え?そうなの?」
「そう思います。」
「「うん」」
「そう?」

彼女達の顔の前で手を振ったりしてみたが、なんの反応も帰って来ず戸惑っていると、ケル達が放っておいたほうがいいと言ってきたので、「席、いくね?」と一応声をかけて俺たちは席へついた。

「自由席なんだよね」
「はい。隣に座れるので嬉しいですね」
「そうだね。……それより、このふたりは何を言い争っているの?」
「……さぁ。気持ちはわかりますが私には関係がないので」
「…そぅ…」

俺たちは後ろの方の席へ向かったのだが、俺の左側にルルが座り、右側にどちらが座るかとケルとマフィが言い争いを始めてしまった。
ルルは我関せずだし、2人はそんなルルに対して特に何か思う訳でもないようなので気にする必要は無いが、俺としては、どっちでもいいから早く座ってくれ、と言った感じだった。しかし、この様子を見ているとなんだか、昔の父さんたちを思い出す。いや、昔ではないな。今も割とことある事に3人で争っている気がする。どうやら俺はここでも取り合いをされるほど人気なようだった。

少しして、ようやく俺の右側に座る人が決まったようだった。
今日はケルで明日はマフィ。日毎に席を変えるらしい。まぁまだ良かったと思う。父さんたちならきっと、休み時間ごとに席替えをするとか言い出しそうだから。クス…

「ねぇ、ルル…クスクス」
「…そうですね、クスクス」

ルルも俺の考えがわかったのか、共感するように笑ってくれた。

「ん?なんだ?」
「ん?いや、なんでもないよ…クスクス」

ケルが不思議そうにこちらを見たが、なんでもないと誤魔化した。
2人の様子を見ていると早速父さんたちに会いたくなってしまうから困る。俺は普通に寂しいが、あんなに俺にべったりだったあの3人は大丈夫だろうか?と寂しさと同時に心配になってしまった。












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