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第3章

188.“あれ”呼び。

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今日は父さんとのお勉強の時間だったのだが、もうこれ以上進めば小等部のみならず中等部までつまらない物になってしまうと言われ、今日のお勉強の時間どころかお勉強の時間その物が無くなると言われてしまった。

だが、父さんが俺との時間を無くすはずもなく、このお勉強をするはずだった時間は父さんの執務室で過ごすことになった。

父さんはこの家、つまり公爵家を継ぐつもりもなければその予定も多分ないとの事だったが、おバカそうな父さんのお兄さん…つまりラルカさんに比べて仕事量が半端ないように感じる。あの人がこの家を継ぐつもりらしく、父さんはそれを補佐するつもりだそうだ。なのにラルカさんは剣ばっかり振って、いつもフラフラしているイメージがある。
父さんは常に仕事がある様なのに、継ぐ予定出ないものよりも少ないラルカさんはなんなのだろうか。

それを父さんに聞けば、父さんはこういった。

「あぁ…あれは、頭を使うことが苦手だからな。体を動かす方が昔から好きなんだ。それでも当主になりたいと言うし、長男だし、俺もなるつもりは無いし、という事で俺が補佐する形になっている。今はあれの補佐と言うより、父さんの仕事の手伝いだな。あれが当主ななってもこういう業務は俺がやる羽目になるだろうしな。」

つまり父さんは表舞台に出たり、でっかい肩書きは面倒でいらないため、ラルカさんに押し付ける…というか欲しがっている人に譲り、家を潰されたくないために仕事はする という事らしい。

なるほど、と思ったが、俺はそれよりラルカさんの話をする時の父さんの冷たい態度が気になってしまった。前々から知ってはいた。俺に絡む度、父さんはそれを知り、俺に何をされたか聞く。その時から知ってはいたが、“あれ”呼ばわりしたり、ニコニコ笑顔が消え去り、無の表情をしていたりなど、露骨な態度に驚いた。

しかしラルカさんは父さんにとって“兄”つまり、どこの家もどの世界も“兄”という存在は性格の宜しくないものなのだろう。

“兄”という存在は父さんも含まれてしまう。弟という存在のマジュナさんがいるので、父さんは“兄”だ。
だが、父さんはマジュナさんのことを嫌ってはいるが、いじめている所なんて見た事ないし、性格も悪くないように思う。だから、すべての“兄”という存在がいけないという訳では無いように思う。所詮“兄”なんて肩書きのようなものなのだから、そこに伴う性格は、環境などが伴うのかなと思う。

そもそもラルカさんもマジュナさんも、父さんにいじめられてると言うか嫌なことはされていない。寧ろしている側のようだ。ガイさんが言っていた。

そんな立場の父さんの膝の上に俺はちょこんと座り、父さんの仕事風景などを観察するのであった。










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