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第3章

184.ルルの存在。

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俺が舌っ足らずな発音で、子供らしい考え方を混じえ入学理由を説明し、説得する。
父さんは俺と離れて暮らすのが嫌らしく、すごい抵抗するが、周りも俺の意見を尊重するよう言ってくれ、何とかなった。

「……俺は別にユキの意見を蔑ろにしたい訳じゃない。なんなら尊重してやりたいんだ。だが、身体が弱いユキが心配なんだ……離れるのも嫌だし……」

最後のぼそっと言ったセリフが本心な気がするが、俺を心配してくれているのもよく分かる。なんなら、ルルが俺のそばにいるのも多分これが理由だろうと俺は考えている。

「とうさん、ルルがあのとしでぼくのそばにいるのも、それがりゆうでしょ?」
「……気付いてたのか」
「うん。さっきね、がくえんのりょうにはじゅうしゃをひとりつれていけるって、いってたでしょ?それで、そういうことか~って」
「……その通りだよ」

さっき父さんを説得する時にネクラスさんが言っていたのだ。“寮には従者を1人連れて行けるのだからそんなに心配しなくても良くないか?”と。それを聞いてピーンときた。
父さんは心配症だ。俺が熱を出せば熱が引いたあともしばらくは庭へ出してくれなかったり、あんまり走り回らないで欲しいとかお願いしてくるし…。だから俺の身体が弱くても、学園へ通わなければならないのだから誰かが学園に通う間傍に居てくれないか…そう考え、丁度同い年で従者になりたいと言っていたルルがこの歳で見習いをしているのだろうと俺は考えた。聞けば従者を連れて行けるのは別に貴族に限らないことらしく、連れてこれる人がいるのなら平民でも連れてくるらしい。たまに家族のひとりを連れてきて、学んだ事を従者代わりの人に教え、1人分の授業料で2人分の学びを得て行く者もいるという。

そんなだから、俺に1人とルルに1人の従者がつき、寮は基本2人部屋で申請を出せば同室にも出来るそうなので、ルルと同室にすれば俺には実質3人着くということになる。こうすれば従者は学園に入れず寮のみという決まりをルルの存在がカバーするし、寮ではルルは見習いとして学びを続けることが出来る。さすが過保護の父さんだ。

そこまでガチガチに俺の周りを固めれば、不安も消えるだろうに、まだ学園に入る必要が無くなるようにと俺の学力面に力を入れるつもりだったという。実際は父さんが入れるより前に俺が力を入れてしまっていたが。

そして俺の入学に許可を出したはいいものの、まだ納得しきれていないのかうじうじ言っている父さんにアミュートがある提案をした。











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