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第3章

178.号泣。

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号泣する父さんに釣られて泣いているリスが1匹、俺の腕の中にいる。

『良かったのぉ…ほんとに…よ゙がっだのぉ゙…』
『…ケインも、ありがとう、わざわざ来てくれて』
『登場の仕方が愉快で最高でした!』
『アミュート、それほめてるの?』
『吹き出すユキを見られたんだから褒めてるよ』
『なんでも良いわ。ユキが少しずつ成長しておるようで安心した…ほんとうに、よかったのぉ……』
『…ケインが泣くとリスくんも泣くから、そろそろ泣き止んで?リスくんのどこから涙が生成されているのかものすごく気になってくるし』
『…すまん、もう少し待ってくれ。まだ泣きやめん。それに、細かいことは気にするものでない』
『……』

なんだかんだ言っても、わざわざここまで来て号泣してくれるケインが大好きなわけで、リスくんの涙を拭ってあげる。ぎゅーっと抱きしめて、父さんの涙も拭い、リスくんケインどうようぎゅーっと抱きしめる。

ぎゅーっと強く抱き締め返してくれる父さんは未だに泣いている。嬉し泣きだから、無理に止める必要は無いけど、なんだか落ち着かない。リスくんも泣くし父さんも泣く。挙句の果てに、アミュートまでつられ泣きし始めてしまった。カオスだ。なんか泣いてない俺が変みたいじゃんか。

「み、みんななきやんでぇ~~!」

すると、コンコンと、ノックの音がしておばあちゃんが入ってきた。
きっと談話室で待っていたがなかなか戻ってこないため来たのだろう。

「あらあらまぁまぁ…何事?」
「えっと…」
「がぁ゙ざん……ズビ」
「あらあら…どうしたの?ノア」
「ユキが…」

俺を抱きしめたまま、父さんはこっちに向かって歩いてくるおばあちゃんに振り向き、泣き声で応えになってない応えを返した。
そうして傍までやってきたおばあちゃんはアミュートも泣いていることに気づいて、ぎょっとしていた。

「あらあら本当に何事?何があったか説明出来る?ユキちゃん」
「えっとね……」

どこから話せばいいのか…全部、話すか?

「ユキが…」

俺が詰まると父さんが話そうとしたが、次の言葉が頭の中でまとまらないのか詰まってしまう。

「…とりあえずノア、落ち着きましょうか」

そういっておばあちゃんは号泣する父さんから俺を離し、父さんの隣に座って頭を撫でたり背中を摩ったりして落ち着かせる。
その間、俺はアミュートとケインを泣き止ませるべくあやす。

漸く父さんとケインが泣きやみ、つられ泣きしていたアミュートも泣き止んだ。









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