髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第3章

168.性別の仕組み。

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人型のアミュートは、今は俺と同い年設定にされてはいるが、年齢を操作することも可能だそうで、大人の姿になってもらうとそれはもう美形だった。ケインと俺に似せて造られただけはある。元々俺の容姿もケインに似せられているのだから当たり前とも言える。

そしてそんな美形の顔に、濃紺の髪に濃紺の瞳。耳には獣の時と同様に白いピアスがつけられていた。
耳としっぽが獣仕様になると、獣の耳に白いピアスが刺さっている。

子供設定のアミュートはめっちゃ可愛い。滅茶苦茶可愛い。

ちなみに大人の姿でも子どもの姿でも、男か女か微妙に分からない容姿をしていた。
一人称が基本“僕”だからオスだと思ってスルーしていたが、実際はどっちなのだろうか?

「アミュート、アミュートって、男の子?女の子?」
『ん?……どっちだろね?』
「え、問題?」
『ちがうちがう!僕もわかんない。』
「え?」

助けを求めてアミュートと一緒にケインに目をやると、困ったような表情をしていた。

『性別は無いのじゃ。』
「『え?』」
『え?ってアミュート、お主は知っておるじゃろ』
『……どっちか決めるならばどっち、というのがあると思っておりました。』
『…なるほど。実はないのじゃ。まぁお主の一人称は“僕”じゃし、ユキの傍におるし、男としておって問題ないじゃろう』
「そんな感じでいいの?」
『精霊や妖精、神にとって、性別はただの概念じゃからな』
「そ、そうなんだね…」

ケインも男と断定されているわけじゃないってことだよね……

「お、俺は男だよね?」
『男じゃろ?』
「うん。なんか、不安になって……」
『安心せぇ、男じゃ。』
「よ、よかった……」

ケインは俺の頭を優しく撫でながら、微笑んでいた。

『まぁ、女になりたいのなら、女にしてやるがな。性別不詳になりたければそうしてやっても良いぞ』
「け、結構です。」
『今でも十分見た目不詳だと思うけどね……』
「え?!」
『だってケイン様に似せてるんだよ?』
「ケインはおじいちゃん感あるから男感ありますよ?」
『今はね?でも基本神って性別不詳な見た目してるものよ。私のように女の見た目とかはっきりしてるものも結構いるけど、私も元はどっちとも言えない見た目だったわ』
「え、それはどうして変わったんですか?」
『簡単に言えばキャラ付けね。』
「キャラ付け?」
『そう。信仰してくる者たちがイメージを固めてくることで見た目の性別が左右されるの。そこによりイメージを持って貰えるようにと私たち神が見た目を定めるのよ』
「な、なるほど…?」
『だからあなたは若干性別不詳な見た目よ。子供だってことも相まってね』
「な、なるほど……」

神様の見た目設定にそんなに仕組みがあったとは…

『アミュートがオスよりなのもお主が最初にオスをイメージしたからじゃよ』
「え?!」
『そうじゃよ』
「そ、そうなんだね……なんか、アミュート、ごめんね」
『え?いや、いいよ?』

アミュートは全く気にしていなかったが、なんとも言えない気持ちになってしまった。










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