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第3章
161.明日から頑張るね。
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『人型になるには、長くてあと2日、待って欲しいんだよね』
『そんな早くなれるの?』
『うん。頑張るね』
アミュートは、人型になるには2日しかかからないという。
体の形を作り変えるのだから、大変そうなことなのに、案外しれっとできてしまうんだな。
『2日間、何するの?修行的なことするの?レベル上げみたいなとか。俺の傍から居なくなる?』
『いや!大丈夫だよ!ずっとそばにいるよ!ここにいても全然できちゃうことだからね!ただ、あまりお話はできないかもね』
『え、そうなの?』
『うん。意識を別のところに分散しちゃうから、反応は遅くなるかな~まぁ多少残してるから遅くても返事はできるよ!』
『……ちなみに意識を分散させて何するの?』
『それはね、操るの!イヌ科の生き物を従えたりして、魔物化したものも従えられたら、まぁ、精霊としては大物になるから人化できるようになるよ!』
『……そんな感じなんだね』
うん!と嬉しそうに返すアミュートに、俺はそう言えばアミュートはイヌ科の動物なら従えられるってケインが言っていたなと思い出す。その時ケインは確か、魔物化しちゃうと操りにくくなると言っていた。つまり、そこを克服すればイヌ科のトップオブザトップになるわけで、人型にもなれちゃうと…なるほど。
『だからね、2日間、話すかどうか考えればいいんじゃない?今はまだ、色々あったあとで気持ちの整理とかもできてないかもしれないし、まずは落ち着いて、結論を出せばいいと思うよ。それには2日は充分なんじゃないかな。』
『……そうだね。うん。そうする。ありがとう、アミュート』
『んーん!じゃ、僕、明日の朝から頑張るね!』
『あ、それは今からじゃないんだね』
『うん。今はまだ、ユキ、辛そうだからそばで見守ってるよ!だから、僕のことをもふもふしながら安心して、眠りにつけばいいよ』
『ありがとう』
アミュートは本当に優しい。
緩みきっている涙腺のせいで、思わずアミュートの毛を濡らしてしまう。
『寝れる?』
『……ん』
『泣いてるの?ユキ』『泣いてません!』
『……寝れなかったらお話でもしてる?それとも、創造主様のところ、一緒に行く?』
『……』
ケインのところへ……でもまだ最後に会ってからひと月経っていない。
何かあれば会いにおいでと言われているけど、今会いに行って慰めて欲しいけど、まだ、違う。
『結論を、出したら、父様たちに話す前に、会いに行く』
『…そっか、わかった。なら、僕とお話でもしてようか?』
『……んーん。大丈夫。ありがとう。なんだか眠くなってきたし…大丈夫そう』
『そっか。よかった…おやすみ、ユキ』
『…おやすみ…アミュート…』
寝ることに対する恐怖心が少し薄まっていて、アミュートが人型になる為の行為を今からやらずにそばに居てくれている安心感もあってか、俺の中でとりあえずの結論が出たあたりで急激に眠気が出てきてしまった。
俺はアミュートに抱きついて、再び眠りについた。今は夜だから。
『そんな早くなれるの?』
『うん。頑張るね』
アミュートは、人型になるには2日しかかからないという。
体の形を作り変えるのだから、大変そうなことなのに、案外しれっとできてしまうんだな。
『2日間、何するの?修行的なことするの?レベル上げみたいなとか。俺の傍から居なくなる?』
『いや!大丈夫だよ!ずっとそばにいるよ!ここにいても全然できちゃうことだからね!ただ、あまりお話はできないかもね』
『え、そうなの?』
『うん。意識を別のところに分散しちゃうから、反応は遅くなるかな~まぁ多少残してるから遅くても返事はできるよ!』
『……ちなみに意識を分散させて何するの?』
『それはね、操るの!イヌ科の生き物を従えたりして、魔物化したものも従えられたら、まぁ、精霊としては大物になるから人化できるようになるよ!』
『……そんな感じなんだね』
うん!と嬉しそうに返すアミュートに、俺はそう言えばアミュートはイヌ科の動物なら従えられるってケインが言っていたなと思い出す。その時ケインは確か、魔物化しちゃうと操りにくくなると言っていた。つまり、そこを克服すればイヌ科のトップオブザトップになるわけで、人型にもなれちゃうと…なるほど。
『だからね、2日間、話すかどうか考えればいいんじゃない?今はまだ、色々あったあとで気持ちの整理とかもできてないかもしれないし、まずは落ち着いて、結論を出せばいいと思うよ。それには2日は充分なんじゃないかな。』
『……そうだね。うん。そうする。ありがとう、アミュート』
『んーん!じゃ、僕、明日の朝から頑張るね!』
『あ、それは今からじゃないんだね』
『うん。今はまだ、ユキ、辛そうだからそばで見守ってるよ!だから、僕のことをもふもふしながら安心して、眠りにつけばいいよ』
『ありがとう』
アミュートは本当に優しい。
緩みきっている涙腺のせいで、思わずアミュートの毛を濡らしてしまう。
『寝れる?』
『……ん』
『泣いてるの?ユキ』『泣いてません!』
『……寝れなかったらお話でもしてる?それとも、創造主様のところ、一緒に行く?』
『……』
ケインのところへ……でもまだ最後に会ってからひと月経っていない。
何かあれば会いにおいでと言われているけど、今会いに行って慰めて欲しいけど、まだ、違う。
『結論を、出したら、父様たちに話す前に、会いに行く』
『…そっか、わかった。なら、僕とお話でもしてようか?』
『……んーん。大丈夫。ありがとう。なんだか眠くなってきたし…大丈夫そう』
『そっか。よかった…おやすみ、ユキ』
『…おやすみ…アミュート…』
寝ることに対する恐怖心が少し薄まっていて、アミュートが人型になる為の行為を今からやらずにそばに居てくれている安心感もあってか、俺の中でとりあえずの結論が出たあたりで急激に眠気が出てきてしまった。
俺はアミュートに抱きついて、再び眠りについた。今は夜だから。
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