髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第3章

148.少し背の高い男の子。

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アミュートのふくらはぎの毛をある程度整えたところで、朝食を食べに行き、食堂に既に集まっている人達に遅くなったことと、昨日パーティーを中止させたことを謝った。

「大丈夫よ。それより、体調はもう大丈夫?」
「ん…だいじょ~ぶ…でもまだおひらきじゃ、なかったのに…」
「昨日は楽しかった?」
「うん。とっても」
「そう。ならそれで私達は充分よ」
「ありがと、おばあちゃん」

ドアの近くで謝っていた俺におばあちゃんが近づいてきてくれて、大丈夫よと言いながらテーブルのところまで連れていってくれた。
他のみんなも気にするなと言ってくれて、父様に至っては続きをやりたいならまた改めてやろうとまで言ってくれた。
さすがにそれは手間になるので申し訳なく、お断りした。昨日はケーキも食べ始めてたし、十分に楽しんだからだ。

「あ、そうだユキ」
「なぁに?」
「前に言ってただろう?…本当は昨日紹介するはずだったんだが、今、連れてきてもいいか?それともご飯後にしようか」
「食後の方がいいんじゃないか?時間も取れるし」
「そうね、そうしたらどうかしら?ノア」
「…そうだな。ユキ、わるい。後で談話室に行って紹介するな」
「???………わ、わかった!」

話が見えないが、多分、あの子だ。見習いになるって言ってた子。
昨日から着くと言っていたがまだ紹介されていないし、多分そう。
俺が倒れたから彼の自己紹介のタイミングを奪ってしまうのではと思っていたが、紹介してくれるなら多分そのタイミングは奪っていなかったということだろう。まぁ少しだけタイミングを変えてしまったのは申し訳ない。


その後、朝食を軽く談笑しながら食べ終え、談話室へと向かうと、そこには俺より少しだけ大きい男の子がおじいちゃんの執事のカルマさんに手を繋がれ緊張した様子で立っていた。

「お、こ、お、おはようございます!ハルラルクと申しまっす!!」

男の子は、カルマさんに促されてハルラルクと名乗った。初めの噛み噛みしている時に入った“こ”はなんだったのか…。少し疑問だが恐らく“こんにちは”と言うべきか“おはようございます”と言うべきかで迷ったか、テンパって混じってしまっただけだろうとおもう。そういう所可愛らしいなと思う。そして最後の最後で少し詰まって、元気な感じになってしまっているのもとても可愛らしい。

ハルラルクは5歳という俺と同い歳なのだが、少し俺より背が高いことが悔しい。しかし、顔は5歳児らしくあどけない可愛らしい顔をしていて、どことなくカルマさんにも似ていた。少しだけタレぎみで優しげな輪郭の目が特に似ていた。

「あ、ぼくは、ユキでしゅ!よろしくね?」
「しって…存じてます!こちらこそよろしくお願いいたします!」

俺の様子を伺いモジモジしていたハルラルクに俺も軽くなのって挨拶をすれば、嬉しそうにしながら返事をしてくれて和む。言葉遣いを訂正したあと不安げで、しかし褒めてほしそうに祖父であるカルマさんをもじっと見上げるその仕草が可愛いしこれもまた和む。

一生懸命を全身で表わしているようなその様子に、子供ってやっぱり可愛いよな~と改めて感じて、父様やガイさんライさんからのベタベタスリスリハグハグ攻撃もすこしだけなら許してあげようかなと思った。ほんの少しだけ。

それから、ハルラルクの事をあだ名で呼んでもいいか確認し、許可を得てから沢山考えた。




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