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第2章
126.鼻歌。
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次の場所に着くのにものすごく時間のかかる俺のペースに、俺自身嫌気がさしてきた。なんか辛気臭いなって。でも、ガイさんやアミュートは嫌な顔せず、むしろニコニコで着いてきてくれて優しいな~と思う。ほんと優しい。
でもなんだか歩くのに飽きてきたので、そろそろアミュートに提案をしようと思う。
『アミュート』
『ん?どうしたの?』
『アミュートの上に乗っていい?』
『いいよ?だけど、ユキはそれでいいの?さっきその人に嫌だって言ってたじゃん』
『アミュートの上に乗るのは探検感を失わないからいいんだよ』
『なるほど…?ま、僕は別にいいよ!ほら、乗って』
そう言ってアミュートは俺の前に伏せてくれた。ガイさんは急になんだ?といった顔をしていたけれど、俺がアミュートに跨るとなるほど、と納得していた。
「ユキ、アミュートに乗るのはいいのか?」
「いーにょ!」
「そうか」
「うん!あみゅーちょ、いっちぇ!」
『りょ~かい!』
アミュートの上に乗れば、やっぱりペースが全然違う。アミュートは、走る?と聞いてきたが、早歩き程度のペースで、とお願いした。急に走り出せばガイさんはビックリするだろうし、なにより俺が落ちそうで怖い。
走ってなくても落ちそうで怖いが、動物の上に乗っての移動は前世からの夢だったので、とても嬉しいし楽しい。昔本で小さな子供が犬の上に乗って移動するシーンを見てから1度やって見たかったんだ。犬に限らず、馬にも乗ってみたかった。アミュートは犬ではなく狼だが、同じイヌ科だから夢クリアだ。
「~~🎼.•*¨*•.¸¸♬」
無意識に漏れる鼻歌は、前世でよく聞いていたクラシックだ。
「ユキは歌上手だな」
「え?」
「鼻歌」
「え?」
完全に無意識だった鼻歌を褒められ、恥ずかしいやら嬉しいやらで顔が赤くなる。
「また体調悪いのか?」
「え?」
「顔、赤いぞ。照れてるだけか?」
「う……しょ、しょう……」
恥ずかしくてアミュートの背中に顔を埋める。
「ハハ!可愛いな、ユキ」
「ふぅぅ……」
恥ずかしいからそれ以上はやめて欲しい。けど待って?そういえば俺子供だ。2歳児だ。褒めるのなんて普通じゃん。お世辞率高いのが子供相手への褒め言葉だ。真に受けてどうする。
なんだ、そう思えば全然恥ずかしくないや!
「ありあちょ!」
「お……おう…」
そのリアクション、やっぱりお世辞だったんだね。思いの外喜んだような笑顔を向けられてタジタジになっているんだよね?あ~恥ずかし!お世辞なのに真に受けるとか…はぁあ…。
「そ、そういえばユキ、あっちに確か楽器部屋があったぞ…?」
「え?!」
「歌が好きなら行ってみるか?」
「いく!!」
「案内は、しない方がいいんだよな?」
「うん!れも、ろっちのほうか、おちえて?」
「……お、おう、あっちだ」
「あい!あみゅーちょ!あっちらって!」
「わんっ!『は~い』」
そうしてガイさんに指し示された方向へアミュートに乗って進んで行った。
でもなんだか歩くのに飽きてきたので、そろそろアミュートに提案をしようと思う。
『アミュート』
『ん?どうしたの?』
『アミュートの上に乗っていい?』
『いいよ?だけど、ユキはそれでいいの?さっきその人に嫌だって言ってたじゃん』
『アミュートの上に乗るのは探検感を失わないからいいんだよ』
『なるほど…?ま、僕は別にいいよ!ほら、乗って』
そう言ってアミュートは俺の前に伏せてくれた。ガイさんは急になんだ?といった顔をしていたけれど、俺がアミュートに跨るとなるほど、と納得していた。
「ユキ、アミュートに乗るのはいいのか?」
「いーにょ!」
「そうか」
「うん!あみゅーちょ、いっちぇ!」
『りょ~かい!』
アミュートの上に乗れば、やっぱりペースが全然違う。アミュートは、走る?と聞いてきたが、早歩き程度のペースで、とお願いした。急に走り出せばガイさんはビックリするだろうし、なにより俺が落ちそうで怖い。
走ってなくても落ちそうで怖いが、動物の上に乗っての移動は前世からの夢だったので、とても嬉しいし楽しい。昔本で小さな子供が犬の上に乗って移動するシーンを見てから1度やって見たかったんだ。犬に限らず、馬にも乗ってみたかった。アミュートは犬ではなく狼だが、同じイヌ科だから夢クリアだ。
「~~🎼.•*¨*•.¸¸♬」
無意識に漏れる鼻歌は、前世でよく聞いていたクラシックだ。
「ユキは歌上手だな」
「え?」
「鼻歌」
「え?」
完全に無意識だった鼻歌を褒められ、恥ずかしいやら嬉しいやらで顔が赤くなる。
「また体調悪いのか?」
「え?」
「顔、赤いぞ。照れてるだけか?」
「う……しょ、しょう……」
恥ずかしくてアミュートの背中に顔を埋める。
「ハハ!可愛いな、ユキ」
「ふぅぅ……」
恥ずかしいからそれ以上はやめて欲しい。けど待って?そういえば俺子供だ。2歳児だ。褒めるのなんて普通じゃん。お世辞率高いのが子供相手への褒め言葉だ。真に受けてどうする。
なんだ、そう思えば全然恥ずかしくないや!
「ありあちょ!」
「お……おう…」
そのリアクション、やっぱりお世辞だったんだね。思いの外喜んだような笑顔を向けられてタジタジになっているんだよね?あ~恥ずかし!お世辞なのに真に受けるとか…はぁあ…。
「そ、そういえばユキ、あっちに確か楽器部屋があったぞ…?」
「え?!」
「歌が好きなら行ってみるか?」
「いく!!」
「案内は、しない方がいいんだよな?」
「うん!れも、ろっちのほうか、おちえて?」
「……お、おう、あっちだ」
「あい!あみゅーちょ!あっちらって!」
「わんっ!『は~い』」
そうしてガイさんに指し示された方向へアミュートに乗って進んで行った。
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