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第2章

116.アホそうな人。

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「ユキ、起きろ……」
「………もっ!……」
「…も?……どんな夢見てたんだ?」
「………」

俺は、ガイさんに揺すり起こされた時に思わず寝ぼけて発した言葉が自分でも意味不明で赤面して俯く。

赤面タイムを自主的に終了させ周りを伺えば、知らない人達が沢山いて、頭の上には疑問符しか思い浮かばず思わずボソッと声に出してしまう。

「……たれ?」

俺はガイさん抱っこから地面にそっと下ろされ、誰に聞くでもなく思わず発してしまった言葉の答えは無いのか?と、さらに頭に疑問符をうかべ誰か答えてくれる人はいないのかと辺りをキョロキョロと見回す。

「ユキ、急にごめんな?ちょっと俺の家族に紹介させてくれるか?」
「あ………あい!こにょひちょちゃちは、にょあしゃんにょ、かろく?」
「あぁ」

不安げにキョロキョロとしていた俺の前に屈んだノアさんが答えをくれ、俺はほっとする。なるほどっと納得したが、ノアさんの表情がなんとなく引っかかった。そして、2人いる女性のうちの1人は、ケインから与えられたオーラの力は発動していなさそうだが、なんとなく、笑顔に嫌な感じがして、思わずノアさんの足に隠れてしまう。

ケインのオーラ判定では何も反応していないが、俺の本能的な何かは一人の女性に嫌悪感を抱いてしまう。これは…あれだ!ストーカー予備軍チックな女の子とエンカウントしてしまった時のあれだ。なんていうか、経験上危険を察知しているようなあの感じ。

とにかくこの人にはあまり関わりたくないが、ノアさんの家族ならお姉さんかお母さん…だと思う。見た目的にはこの人はお母さんで隣の人がお姉さん…かな?似てるからこっちの人がお母さん?嫌な感じの人とは全然似てないし、んーでも貴族って複雑そうだしな……もうわからん。

そんなふうに勝手に想像して勝手に諦めていると、少しやつれたような男性が入ってきて、ノアさんは「揃ったな…」と呟いた。


「……とりあえず、みんな、座ってくれ。」

なんとなく気まずそうにそう皆に言ったノアさんの言葉に知らない皆がソファーへと腰かけていく。

そして誰だか知らないおバ……えっと、頭より体を動かす方が好きそうな若いお兄さんが態度デカ目に口を開いた。

「おい、そのちっこいのがお前の連れてきたガキか?なぜ家の中なのに顔を隠してるんだ?」

言われて気付いたが俺は再びローブを被せられていて、髪を隠されていた。最近視界の景色がそんな感じだったからうっかり気付かなかった。
しかしなんでノアさんの家族なのに髪を隠す必要があるんだろう?意味わからんくない?俺ってもしかして一生この格好?この前買ってもらったマリン服セットの帽子を堂々と使える時はないの?

そんな不安で悶々としていると、ノアさんに頭にポンッと手をのせられ、なんだかほっとした。

「……母から話が言っているはずなのですが…?」
「は?知らね。マジュナ、なんか聞いてるか?」
「ん?んーどうだろ…あの人とは関わりたくないから、何か聞いてても頭に残らないんだよね~」
「そうか。らしいぞ!伝わってないから説明しろ!」
「……はぁ~…………そうですか……」

ノアさんは頭を抱えて深い溜息をつき、マジュナと呼ばれた人はにやにやとしていた。あの顔はわざと知らないふりをしてノアさんをイラつかせてる人の顔だ。それから、もう1人のア…えっと、運動が好きそうな人は、何故かひたすら態度がでかい。この人の印象をおバ……えっと、運動が好きそうな人からやたら態度がでかいア…やたら態度がでかい人に変えようと思う。
というかもう言いたい。……アホそうだ。やたら態度のでかいアホ……失礼、スッキリしました。
 







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