髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

第2章

97.それぞれの服装の変化。

コンコン…
「ユキ…？」
「「……」」

「ん…あ、ありあちょう…」

ライさんがご飯を取りに出て行っている間に、どうやら眠ってしまっていたらしい。
ベッドの上で何もせずにいるのは、睡魔に襲われるから宜しくない。まぁ、単純に頭が重いから横になってたら眠ってたってだけなんだけど、でも、そんなのなくても寝てたはずだし…本もらおうかな…
とりあえずご飯か……

「ユキ、調子はどうだ？」
「まだ少し熱があるんだって？」
「にょあしゃん、ぁいしゃん！」

どうやらご飯を取りに行ったライさんに話を聞いて、心配で来てくれたようだ。
それにしても、ガイさんのその服……似合わないな…ノアさんは、冒険者服の時と違って、貴族感が出てかっこいい！

「まりゃね、ちょっちょ、あちゃまおもちゃい……おねちゅ、ありゅって、りゃいしゃん、いっちぇちゃ」
「そうか、まだ頭重たいか…昨日の夜はすごい熱だったからな……」
「しょうにゃにょ？」
「あぁ、まぁ、医者は“ストレスと疲れだろう”と言っていたから、寝てればじきにマシになるさ」
「あい！」

ストレスと疲れ……なんて貧弱な……まぁ、虚弱体質なるよ言われてたしな……なんの対策もしてなかった俺が悪いか。

「あにょ、にょあしゃん！」
「ん？どした？」
「にょあしゃんにょふく、かっくいいにぇ！」
「お、そうか？まぁ普段来てたような安い服じゃないからな…貴族は家で着る服もちゃんとしなきゃいけないのが面倒だったが、そう言われればこれからもちゃんと着替えるよ」
「……いちゅも、きぁえてちゃよ？」
「ん？あーあれは外に出かける時だろ？それまでは部屋着だっただろ」

あ、なるほど…そう言われてみれば、3人とも、朝ごはんを前の日のうちに買ってきてたり持ってきてもらったりしてた日は、ずっとパジャマ…というか寝る時に来てた服のままだったな…。

「家に帰ると毎回、寝間着、家着、外着or来客着、家着2…って着替えさせられるから…疲れるんだよ……昔は何も思わなかったが、冒険者してたついこの間まで楽してたろ？だから、すごく面倒に感じるんだ……
着替えるなら、家着端折って外着でいいだろって思うし、来客着とか、外着のままでいいじゃんって思うし……はぁ……」

そんなに嫌なんだね……ノアさんが着替えに関してどれだけ面倒に感じてるかがよく分かったよ。

「……、ユキ」
「にゃあに？ぁいしゃん」
「俺の服はどうだ？ノアだけ褒められて狡い」
「……ぁいしゃんにょは………に、にあっちぇ、りゅよ…？」
「「「……」」」
「…それ絶対に似合ってないだろ」
「だからさっき言っただろ、お前は似合わないなって。ユキに気を遣わせるなよ！こんなぎこちない笑顔…！」
「……言うてライも似合ってないだろ！」
「私は普通でしょ！」
「……」

喧嘩っぱや過ぎない？
て言うか気を使わせるなって…ぎこちない笑顔って……誤魔化せなかったのね……まぁめっちゃ詰まったしな…しゃーないか……
仲いーねー(棒)

「ユキ、私は別に普通だよね！似合わなくないよね！」
「ん？んー、ふしぎにゃふく！いい！」
「ほら！！」
「似合わねぇとは言われてねぇが、質問に対して微妙にズレた回答されてるあたりお前は似合ってはないんだよ！微妙だ微妙！可もなく不可もないんだよ！」
「な…！」
「まぁまぁ、ユキも体調良くないんだから、ここで喧嘩してたら可哀想だろ。頭重たいって言ってんだから。それに、ご飯も食べれない。落ち着け」
「「ノアは褒められてるからそんなことが言えるの(んだ)！」」
「……」

そんな喧嘩する？俺のせい？おれのせいなの？……いつもそうだよね……。

「あにょね、れもね、みんにゃ、いちゅもちょ、にゃんかちあうかりゃ、しんしぇん！ちあっちぇみえちぇ、かっくいいよ！」
「「……!!」」
「ユキ～！似合う似合わない関係なく褒めてくれてありがとう！」
「……ノアだけ2回褒められてて狡い」
「お前は……はぁ……」

収拾がつかなくなりそうだから、まとめて褒めたら、ライさんは抱きついてきて喜んでたけど、ガイさんだけがまだいじけたようにしていた。なんだかいじけている理由が子供っぽくて可愛いが、ノアさんは呆れてため息をついてしまう。
ノアさんは含めない方が良かったらしい…。