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第1章
91.暇すぎてなめ茸。
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あれから馬車で移動をし、現在3日目朝の移動中である。
ノアさんは“今回は最低でも2日はかかるだろうな”と言った。そう。最低でもと。
だから、まだ到着していないのだ。
「……」
「ユ、ユキ~、…あ、この本読んであげようか?」
「……」
俺は暇で暇で仕方がなくて、絶賛不機嫌中だ。
ガイさん優秀!なんて思っていた時期が俺にもありました。そりゃ初めの日は余裕があるから、本を持ってきてくれてたら嬉しいですよ、すごいって思いますよ。
でもね、最低2日かかる旅程で本1冊て…。おもちゃもなにもないから暇です。
リスさんの腕も可愛そうになって途中からピコピコできるものも無くなり、本も内容を記憶してしまい、特に代わり映えの無い景色にはとうの昔に興味が失せました。
暇です。ひ!ま!!です!!!ひまでーーす!!!
「ユキ、寝るか?」
「……」
3人との会話もほとんど無くなった。それは俺が不機嫌だからというのもあるが、話題が無くなったというのもある。
初めは暇潰しに、向かっているノアさんの家のある地域のことを沢山聞いて、次に家のことを聞いて…それなりに楽しみにしていて気になる点を質問して答えてもらっていたけど、それも2日目の朝が最後だった。
「ユ、ユキ…?」
「……」
移動の暇も大変な苦痛だが、そんな精神的苦痛と同じだけ、この馬車は身体的苦痛を負わせてくる。
ガタガタと揺れるし酔う。おしりは痛いし酔う。耳は痛いし酔う。換気とかできるような窓でもないし酔う。空気が悪いし酔う。
最悪。
「おーい、ユキ?」
「……」
馬車に抱いていたワクワクは乗った瞬間崩れ去った。
おしり痛いし身体が安定しないからぽてぽてと転けてしまうし、見かねた3人に順番交代で膝の上に乗せてもらうがそれでもおしり痛いし酔う。特にガイさんノアさんの膝の上。ライさんは程よく柔らかいけど、ガイさんノアさんはその鍛えられた逞しい筋肉により俺のおしりクッションには不向きだった。
「ユキー…?」
「……」
それでも俺を安定させるためにわざわざ乗せてくれているわけで、文句なんて言えるはずもなくて……。だから言ってはいない。思ってるだけ。そしてそれが顔に出ないように、出てもバレてしまわないように、リスさんの後頭部に顔を埋めて隠していた。それもあって鼻は痛いし、たまにちょっと酸欠になる。
「ユキくーん…?」
「……」
俺はね、ちょっと所じゃないくらい楽しみにしてたんだよ。馬車での旅。乗ったことないし、実物を見た事もなかったから。
でも、ちょっと考えればわかったかもしれない。整備されていない、人々が使い踏み固められただけの道を通るのだから、揺れるし、酔うのは考えたらわかったかもしれない。思慮の足らなかった俺にも責任があるのかもしれない。
でも、でもね。楽しみを苦痛によって壊された俺の気持ちも誰かわかって欲しい。
「ユキさーん…?」
「……」
同情するなら整備後の道をくれ!!(人ダメクッションでも可)
………はぁ。
おしり痛い。気持ち悪い。でも吐く程じゃないって言う絶妙に嫌な酔い。
暇で暇で頭バカになりそう。爆発しそう。なめ茸。
「「「……」」」
「……」
なめ茸って何。急に何。あーーダメだもうとうとうバグってしまった。どうしよう。これからどんどんバグっていくかも……うわーーん!!
「ユキ!!!」
「ふぇぁ!」
頭がついにバグってしまったと、ひとり心の中で嘆いていると、急にノアさんに肩をがしっ!と掴まれ割と張った声で呼ばれてついつい変な声を上げてしまう。
慌てて口を手で押え、なぁに?と、小首を傾げて見つめてみる。
「………あ、ユキ、大丈夫か?さっきからずっと声をかけていたが反応がなかったけど…?」
一瞬ノアさんも、フリーズしてしまいどうしたのかと思ったが、自力で復活したノアさんはずっと声をかけていたといった。
なにそれ。俺知らないよ?ほんに呼んだ?心の中でとかではなく?
𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
更新止まってしまってて申し訳ありません…
ノアさんは“今回は最低でも2日はかかるだろうな”と言った。そう。最低でもと。
だから、まだ到着していないのだ。
「……」
「ユ、ユキ~、…あ、この本読んであげようか?」
「……」
俺は暇で暇で仕方がなくて、絶賛不機嫌中だ。
ガイさん優秀!なんて思っていた時期が俺にもありました。そりゃ初めの日は余裕があるから、本を持ってきてくれてたら嬉しいですよ、すごいって思いますよ。
でもね、最低2日かかる旅程で本1冊て…。おもちゃもなにもないから暇です。
リスさんの腕も可愛そうになって途中からピコピコできるものも無くなり、本も内容を記憶してしまい、特に代わり映えの無い景色にはとうの昔に興味が失せました。
暇です。ひ!ま!!です!!!ひまでーーす!!!
「ユキ、寝るか?」
「……」
3人との会話もほとんど無くなった。それは俺が不機嫌だからというのもあるが、話題が無くなったというのもある。
初めは暇潰しに、向かっているノアさんの家のある地域のことを沢山聞いて、次に家のことを聞いて…それなりに楽しみにしていて気になる点を質問して答えてもらっていたけど、それも2日目の朝が最後だった。
「ユ、ユキ…?」
「……」
移動の暇も大変な苦痛だが、そんな精神的苦痛と同じだけ、この馬車は身体的苦痛を負わせてくる。
ガタガタと揺れるし酔う。おしりは痛いし酔う。耳は痛いし酔う。換気とかできるような窓でもないし酔う。空気が悪いし酔う。
最悪。
「おーい、ユキ?」
「……」
馬車に抱いていたワクワクは乗った瞬間崩れ去った。
おしり痛いし身体が安定しないからぽてぽてと転けてしまうし、見かねた3人に順番交代で膝の上に乗せてもらうがそれでもおしり痛いし酔う。特にガイさんノアさんの膝の上。ライさんは程よく柔らかいけど、ガイさんノアさんはその鍛えられた逞しい筋肉により俺のおしりクッションには不向きだった。
「ユキー…?」
「……」
それでも俺を安定させるためにわざわざ乗せてくれているわけで、文句なんて言えるはずもなくて……。だから言ってはいない。思ってるだけ。そしてそれが顔に出ないように、出てもバレてしまわないように、リスさんの後頭部に顔を埋めて隠していた。それもあって鼻は痛いし、たまにちょっと酸欠になる。
「ユキくーん…?」
「……」
俺はね、ちょっと所じゃないくらい楽しみにしてたんだよ。馬車での旅。乗ったことないし、実物を見た事もなかったから。
でも、ちょっと考えればわかったかもしれない。整備されていない、人々が使い踏み固められただけの道を通るのだから、揺れるし、酔うのは考えたらわかったかもしれない。思慮の足らなかった俺にも責任があるのかもしれない。
でも、でもね。楽しみを苦痛によって壊された俺の気持ちも誰かわかって欲しい。
「ユキさーん…?」
「……」
同情するなら整備後の道をくれ!!(人ダメクッションでも可)
………はぁ。
おしり痛い。気持ち悪い。でも吐く程じゃないって言う絶妙に嫌な酔い。
暇で暇で頭バカになりそう。爆発しそう。なめ茸。
「「「……」」」
「……」
なめ茸って何。急に何。あーーダメだもうとうとうバグってしまった。どうしよう。これからどんどんバグっていくかも……うわーーん!!
「ユキ!!!」
「ふぇぁ!」
頭がついにバグってしまったと、ひとり心の中で嘆いていると、急にノアさんに肩をがしっ!と掴まれ割と張った声で呼ばれてついつい変な声を上げてしまう。
慌てて口を手で押え、なぁに?と、小首を傾げて見つめてみる。
「………あ、ユキ、大丈夫か?さっきからずっと声をかけていたが反応がなかったけど…?」
一瞬ノアさんも、フリーズしてしまいどうしたのかと思ったが、自力で復活したノアさんはずっと声をかけていたといった。
なにそれ。俺知らないよ?ほんに呼んだ?心の中でとかではなく?
𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
更新止まってしまってて申し訳ありません…
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