髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

文字の大きさ
上 下
85 / 218
第1章

85.思い出したから真似しないで…。

しおりを挟む
「ん……」

『ユキ、起きた?』
『あれ、アミュート?』
『うん』
『なんで?』

さっきまでケイン達と一緒にいて、出来事を話してたのに…?

『ユキがテンション高すぎて、後々恥ずかしがるだろうな~ってテンションになっちゃったから、現実に帰したんだよ』

……俺そんなにテンション高かった?まて…思い出そう……


『それでね!楽しくてね!だからね!』

あ゛~~ダメだやらかしてる~やめてアミュート~!!思い出したから真似しないで~~……

『思い出した?』
『思い、出した……』
『まぁ、とっても可愛かったから!僕達的には良かったよ!でもこれ以上は、ユキが嫌がるかな~って』
『そうですね……ありがとう…まじで……』

これ以上醜態を晒す前に返してもらって正解だ。

しかしまだ現実では夜みたいだった。3人の姿を探すが見当たらない。
……どこだ?

『アミュート、3人がいない…』
『3人なら下にいるっぽいよ安心して』
『そっか…ならいいや』

それより、なんで俺はあんなに幼い態度になってしまっていたんだろう……?
身体に精神が引っ張られてる?魂と完全に混ざったから。

『ねぇアミュート』
『ん?』
『みんなが下にいるなら、出てきてくれない?』
『あぁ、そうだね、いいよ』

聞きたいことはもふもふして心を落ち着かせてからにしようと思い、アミュートに出てきてもらう。
ベッドの上では少し狭かった為、床へ移動し、俺はアミュートのお腹にまるまる。
そんな俺を温めるように、アミュートも俺を囲う。しっぽがお布団みたいになって、ふさふさでもふもふで幸せだ。
……何聞こうとしてたっけ。あ!そうだ思い出した!

「ねぇ、アミュート」
『なぁにユキ』
「俺の精神も、幼くなったのかな?身体と完全に馴染んだから…」
『んー多少引っ張られちゃうところはあると思うけど、今回のは単純に、あそこまで興奮することがなくて、幼くなっちゃったって感じだと思うよ?』
「?」

意味わからんのだけど?

『ユキって、前世、今回みたいに、誰かに必死に話したいって思う楽しい事ってあった?』
「……なかった、と思う」
『でしょ。だからね、きっと初めてのことで幼い風になっちゃっただけだよ』
「そ、かな?」
『うん。それに、僕たちの前だからあまり気にしないで』
「まぁ……それも、そう、かな…?」

なんかそんなふうに言われるとそうなのかなと思えてくる。

『そうだよ!』
「そ、そっか~」
『うん!ところでさ、ユキ』
「ん?」
『もう、身体は平気?熱は…微妙?よくわかんないや……』
「ん~言われてみれば…まだ若干しんどいかも」
『そうなの?大丈夫?』
「うん!別に気にする程じゃないよ!大丈夫!」

なんとな~くだるいくらいだから、別に気にするほどのことでもない。

『やっぱりベッド行く?』
「いや!こっちがいい!」
『でも、冷やすと良くないでしょ?』
「じゃ、お布団!お布団とってくるから待ってて!」

1人で暗い部屋のベッドに寝かされるより、アミュートのお腹の中でもふもふふわふわしながら寝る方がはるかに幸せだ!
慌ててベッドへいって、布団を引っ張りとり、アミュートの元へと戻る。
そしてまたさっきと同じ位置へ寝転がり、アミュートの体温と布団で暖を取る。

「はぁ~あったかもふもふ~」
『暖かい?』
「うん!」
『そう、なら良かった!また少し寝る?』
「そうだね…暇だし…ちょっとまだやっぱりしんどいし…」
『いいよ。ゆっくり休んでね』
「おやすみ……」


今度はケインの元へ行くことはなく眠りについた。







しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。

白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?  *6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」 *外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。 飲めないお酒を飲んでぶったおれた。 気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。 その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

処理中です...