髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第1章

60.アミュートとケインのおもい。

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どうやら異世界転生のお決まり物は付いているらしい。しかし新たに付いてしまった虚弱体質。正直これは不要だが仕方ない。今回のことは諦めるしか無さそうだ。

別にあの3人を責めるつもりはないし、もちろんケインの事も責めるつもりはない。
あの3人は、薬を飲みたがらない子供に工夫して飲ませようとしただけ。俺のためで起きた不慮の事故のようなもの。責めるなんてそんな意味不明なことはしない。もちろん、ケインのこともそうだ。つまり今回の件を誰かのせいにするのはお門違いもいいところということ。
諦める他ないのだ。不慮の事故。というかそういうものだったんだきっと。
力を与えられた俺に不満を抱く、別の神様がそうしたのかもしれない。と言うかもうそういう事にしとこう。

『他にもいろいろ付いておるが、その場その場で発覚した方がワクワクするじゃろ?儂はする。じゃからあとは内緒じゃ。』
「…お茶目だよね」
『それで、虚弱の件、本当にすまんかったな』
「ケイン」
『なんじゃ』
「おバカ」
『なんじゃと?!』

さっきも言ったが誰かを責めるのは間違っているのだ。だから、神様だろうがなんだろうがそんなことを考えるケインはおバカだ。

「誰も悪くないし、本人が気にしてないのに謝るのはおバカだよ。謝る相手の存在しないことに誤ってても仕方ないでしょ」
『……おバカなんて言わなくても良いじゃろうが…』
「それは言いたかったから。」
『はぁ…』
『僕、創造主様と、ユキのやり取り好きだな~』

ずっと存在を消していたアミュートが急に声を出し驚いた。
どうやらすぐ近くにいたようなのだが、完全に存在を消していて、全く気付かなかった。

「アミュート、居たんだね。ごめんずっと気付いてなかった」
『気配消してたから。』
『…正直わしも気にならんかった』
『意識を向けていなかったから気付かなかっただけでしょう?』
『確かにそうじゃが、それでも凄いぞ!』
『光栄です。ありがとうございます!』

元気で明るいアミュートの素の喋りも好きだが、神様に対しての敬語もとっても可愛くてかっこよくて素敵だ。
そう言えば俺はケイン、神様に対しての失礼すぎる言動では?

「ケイン、俺、もしかしなくてもめちゃくちゃ失礼?」
『なんじゃ?』

心配になって思わず質問すれば、なんじゃそれかと、笑われてしまった。

『お主に敬語じゃなくていいし、ケインと呼んでくれて構わんと伝えなかったか?』
「確かに言われたけどさ…でも、でもさ!」
『お主はわしの子だと言ってくれた。嬉しかったし、儂ももうそう思っておる。じゃからきにしなくて良いのじゃぞ』
「……ケイン!!嬉しい、ありがとう!」
『それにじゃ、アミュート、お主も別にそんなにかしこまらんでも良いぞ?』
『いえ、さすがにそれだけは承諾しかねます。』
「…」
『なぜじゃ?』
『創造主様、貴方がいたから私はユキを護ることが出来ますし、ユキに名前をつけてもらい可愛がってもらうことが出来ております。貴方に創っていただいたお陰でそれらがあるのです。ですのでどうかこの言葉遣いのお許しを……』
『…よかろう。お主も幸せになるのじゃよ。ユキに嫌気がさしたらいつでも言ってくるのじゃよ。お主もわしの子供のようなものじゃからな。特別な、わしの子じゃ。』
『ありがとうございます。』
「……ありがとう」

アミュートがそこまで思っていたなんて知らなくて、感動してしまった。
ケインの言葉も俺には失礼だけど、アミュートに対してはあたたかくて、嬉しくて左側がじんわりとあたたかくなる。
アミュートの幸せも願うケイン。アミュートの事を道具として見ていないのが、凄く嬉しい。
ケインが俺を守らせる為にと創造して生まれたから、正直そういう役割を求めていて、そういう役割としか捉えていないんじゃないかと思っていた。だから、そうじゃないとしれたことが凄く嬉しい。
まだこっちに来て2日目。アミュートと知り合って1日満たず。なのに、もう何十年目もの友達のように大好きで少し変な感じだ。







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