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第1章
21.いざ、門の中へ!。
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ノアさんにしがみついて、ついつい泣いてしまっていると、門の中から呼ばれた。
やっと俺達の番が来たようだ。
しかし、俺今泣き顔なんですが?!
恥ずかしいよ?涙で顔ぐちゃぐちゃで、ノアさんの胸元びっしょり濡らして。
入るの楽しみにしていたけれど、タイミング悪い。
さっきのワックワクの時に呼んでよ!まったく!!
「ユキ。大丈夫か?ごめんな?」
ノアさんが俺のことを心配してくれている。
まぁ、誤魔化すためとはいえ、耳塞がれて怖いみたいなこと言うと、罪悪感湧くよね……子供だし。さすがにちょっと申し訳なくなる。
「こっちこしょ、ぉめんにゃしゃい。ふく、にゅりゃしちゃっちゃ……
そりぇに、めいわく、かけちゃっちゃかりゃ……
おめんにゃしゃい。」
「っ…!い、いいや、俺が悪かったんだ。ごめんな!」
「ぼくあ、わりゅいにょ。
みみ、や、ちあう。へーき。こわうにゃい。」
必死に謝ろうとするけど、滑舌が死んでて、上手く伝わらない。
全然言えないのだが?!この体に馴染んでいないから舌を動かしにくいのか、2歳の体だとそんなものなのか、分からないけれど、話しにくい!
もう途中で、あーとかうーとかだけで話したくなるくらいには、喋りにくい。
「ほらほら、もうユキも泣き止んだっぽいし、中入ろうよ」
ライさんナイス!俺もノアさんも、どっちも謝りたくて、どっちも引かないから、なかなか中へ入れずにいた。
「あ、あぁ、そうだな。入ろうか」
そうして俺たちは小屋の中へ入っていった。
そして入って、俺の機嫌はとても良くなった。
だって、なんか、鎧着た人いるし、水晶みたいなの置いてるし、なんかね、なんか、あれよ、あれ。
簡素な小屋で、一見テンションの上がる要素がないように思えるが、よく見ればテンション上がる要素しかない。
鎧を着た如何にもな兵士。壁には剣が数本かかっていて、受付の様なカウンターがあり、そこには大量のザラザラで書きにくそうな紙!
その傍には生まれたての赤ちゃんの頭のようなサイズの水晶みたいなのが、それに合うサイズの座布団みたいなのに乗せられている。
こんなの見たらさっきの沈んだ気分なんて直ぐに浮上してくるに決まってる。
だって鎧と剣はテンション上がる要素しかなくて、カウンターにはパソコンとかそんなのはなくて、粗悪そうな、縁もボロボロの汚ったない茶色い紙が山積みで、もうそれだけでも異世界感あって、如何にも中世ヨーロッパ感のある異世界感満載で、テンション上がる!!
それに、水晶みたいなの!これはもうテンション上がるでしょ!
だって水晶とか、怪しげな路地の怪しげな占い師が持ってるイメージしかなくて、実物なんて見た事がない。
一体どんな使い道なのかも気になる。でも、異世界を舞台に書かれる漫画やラノベはだいたい、ステータスを見たりするのに使われる。
てことは、てことはだ!俺、今からあれに触るのでは?!身分証ないし!なんか石触るとか言ってたし!水晶って石とか言いそうだし!
ヤバいめっちゃ、テンション上がる!!うわーー!
「ユキ、ちょっと落ち着け。落ちる」
「……」
「ユキ?……これ聞いてねぇな」
「そうね…」
「だな……」
俺はテンションMAXで、興奮状態。
3人が俺に話しかけていたようだがまるで気付かなかった。
そして、俺を持っているのが大変になったノアさんが、俺の事を床へと下ろした。
しかし、周りを見渡すのに夢中で、それにすら気付かず、辺りを見渡す。興奮し、無意識によたよたと前へ進んだりしているようだが、完全に無意識で、全く気にしていなかった。
「ユキ、ユーキ!おーいユキ!」
「…ふぇ?!」
「あ、やっと気が付いた」
興奮してあっちこっち見ていると、ノアさんが俺のことを捕まえ、揺すってようやく気がついた。
俺はノアさんに、肩を掴まれ、ぐわんぐわんと揺すられた。さっきまでワクワクするもので埋め尽くされた視界には今、俺の視線に合わせて屈んだノアさんだけがうつっていた。突然視界にノアさんがうつり揺すられ、びっくりした俺は、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「ユキ、あのな、お前は身分証がないだろ?
だから、この石に手を乗せてくれるか?」
「!! あい!!!」
やっぱり!水晶触るんだね!!わー触れるぅぅ~!
俺はそれだけで大興奮で、係の人が実はちょっと苦笑いしていたらしい。
俺は全然気が付かなかった。だって興奮してるし。
そして係の、というか受付みたいな女の人が、座布団に乗った水晶を俺の高さまで屈み持ってきてくれた。
でも、いざ触るとなると、割れるのが怖くて、そぉっとそぉっと触れる。
並々に注がれ、表面張力でなんとか零れずにいるコップに触れ、運ぼうとする時くらいの緊張感で。
やっと俺達の番が来たようだ。
しかし、俺今泣き顔なんですが?!
恥ずかしいよ?涙で顔ぐちゃぐちゃで、ノアさんの胸元びっしょり濡らして。
入るの楽しみにしていたけれど、タイミング悪い。
さっきのワックワクの時に呼んでよ!まったく!!
「ユキ。大丈夫か?ごめんな?」
ノアさんが俺のことを心配してくれている。
まぁ、誤魔化すためとはいえ、耳塞がれて怖いみたいなこと言うと、罪悪感湧くよね……子供だし。さすがにちょっと申し訳なくなる。
「こっちこしょ、ぉめんにゃしゃい。ふく、にゅりゃしちゃっちゃ……
そりぇに、めいわく、かけちゃっちゃかりゃ……
おめんにゃしゃい。」
「っ…!い、いいや、俺が悪かったんだ。ごめんな!」
「ぼくあ、わりゅいにょ。
みみ、や、ちあう。へーき。こわうにゃい。」
必死に謝ろうとするけど、滑舌が死んでて、上手く伝わらない。
全然言えないのだが?!この体に馴染んでいないから舌を動かしにくいのか、2歳の体だとそんなものなのか、分からないけれど、話しにくい!
もう途中で、あーとかうーとかだけで話したくなるくらいには、喋りにくい。
「ほらほら、もうユキも泣き止んだっぽいし、中入ろうよ」
ライさんナイス!俺もノアさんも、どっちも謝りたくて、どっちも引かないから、なかなか中へ入れずにいた。
「あ、あぁ、そうだな。入ろうか」
そうして俺たちは小屋の中へ入っていった。
そして入って、俺の機嫌はとても良くなった。
だって、なんか、鎧着た人いるし、水晶みたいなの置いてるし、なんかね、なんか、あれよ、あれ。
簡素な小屋で、一見テンションの上がる要素がないように思えるが、よく見ればテンション上がる要素しかない。
鎧を着た如何にもな兵士。壁には剣が数本かかっていて、受付の様なカウンターがあり、そこには大量のザラザラで書きにくそうな紙!
その傍には生まれたての赤ちゃんの頭のようなサイズの水晶みたいなのが、それに合うサイズの座布団みたいなのに乗せられている。
こんなの見たらさっきの沈んだ気分なんて直ぐに浮上してくるに決まってる。
だって鎧と剣はテンション上がる要素しかなくて、カウンターにはパソコンとかそんなのはなくて、粗悪そうな、縁もボロボロの汚ったない茶色い紙が山積みで、もうそれだけでも異世界感あって、如何にも中世ヨーロッパ感のある異世界感満載で、テンション上がる!!
それに、水晶みたいなの!これはもうテンション上がるでしょ!
だって水晶とか、怪しげな路地の怪しげな占い師が持ってるイメージしかなくて、実物なんて見た事がない。
一体どんな使い道なのかも気になる。でも、異世界を舞台に書かれる漫画やラノベはだいたい、ステータスを見たりするのに使われる。
てことは、てことはだ!俺、今からあれに触るのでは?!身分証ないし!なんか石触るとか言ってたし!水晶って石とか言いそうだし!
ヤバいめっちゃ、テンション上がる!!うわーー!
「ユキ、ちょっと落ち着け。落ちる」
「……」
「ユキ?……これ聞いてねぇな」
「そうね…」
「だな……」
俺はテンションMAXで、興奮状態。
3人が俺に話しかけていたようだがまるで気付かなかった。
そして、俺を持っているのが大変になったノアさんが、俺の事を床へと下ろした。
しかし、周りを見渡すのに夢中で、それにすら気付かず、辺りを見渡す。興奮し、無意識によたよたと前へ進んだりしているようだが、完全に無意識で、全く気にしていなかった。
「ユキ、ユーキ!おーいユキ!」
「…ふぇ?!」
「あ、やっと気が付いた」
興奮してあっちこっち見ていると、ノアさんが俺のことを捕まえ、揺すってようやく気がついた。
俺はノアさんに、肩を掴まれ、ぐわんぐわんと揺すられた。さっきまでワクワクするもので埋め尽くされた視界には今、俺の視線に合わせて屈んだノアさんだけがうつっていた。突然視界にノアさんがうつり揺すられ、びっくりした俺は、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「ユキ、あのな、お前は身分証がないだろ?
だから、この石に手を乗せてくれるか?」
「!! あい!!!」
やっぱり!水晶触るんだね!!わー触れるぅぅ~!
俺はそれだけで大興奮で、係の人が実はちょっと苦笑いしていたらしい。
俺は全然気が付かなかった。だって興奮してるし。
そして係の、というか受付みたいな女の人が、座布団に乗った水晶を俺の高さまで屈み持ってきてくれた。
でも、いざ触るとなると、割れるのが怖くて、そぉっとそぉっと触れる。
並々に注がれ、表面張力でなんとか零れずにいるコップに触れ、運ぼうとする時くらいの緊張感で。
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