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第1章

15.森抜けとお昼寝。

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魔法を見せてもらい、ガイさんと約束をした後しばらくはガイさんに抱かれていたが、途中でノアさんに変わった。
どうやら2人は子供が大好きなようで、抱き変えの時は軽く争っていた。
『まだもう少し俺が抱っこする!!』
『いや、長い!そろそろ変われ!!』
こんな感じで……。しばらくずっと俺を2人であっちやりこっちやりして取り合いしていた。
俺が疲れてきた頃に、ライさんによってとめられた。できればもう少し早めに止めて欲しかったが、俺が取り合いされてる時のオロオロした様子が可愛くて止めれなかったそうだ。
俺って今どんな容姿してるんだろ……まぁでも子供はみんな可愛いもんな。俺も弟がいたからよくわかる。仕方ない。………理解はしている。

そして今は、ノアさんの腕の中に納まっているという事だ。
ガイさんに抱っこされてた時より、少し短いくらいの時間をノアさんの腕の中で過ごし、俺は少しうとうとしていた。幼児に襲いかかる睡魔と今戦っている。
するとノアさんに、森を抜けたぞと声をかけられ、意識が少しずつ浮上してくる。
そして、辺りを見回してみる。だが、異世界らしさがない。普通に田舎と言った感じだ。森を抜けたのに草原だ。ここへ来る途中も別に魔物に襲われたりもなかったし。いや、別に襲われたかった訳では無いが。
なんか拍子抜けというかなんというか…がっかりだ。
興味が失せてしまったのと、森を抜けたことによる心地よい風によってせっかく目が覚めかけていたのに、またひどい睡魔に襲われる。
ノアさんが何か話している気がして、何となく頭になにかかけられたような気もする。それとなんだか抱かれ心地も変わった気がする。

そして、俺は呆気なく睡魔に負け眠りについた。


「──おい、おきろ、おい」
「ん……にゃに……?」
「起こして悪いな。けど、街の門に着いたんだ。だからちょっと起きてくれ」
「……まち、ちゅいちゃにょ?」
「あぁ。もうすぐで俺達の番だ」 
「ありぇ…?がいしゃん?ろうちて?」

俺はしばらくの間ぐっすりと寝ていたらしい。いつの間にか村の門まで来ていて今は入口前に並んでいた。そしていつの間にか抱っこがガイさんにかわっている。

「あぁ。服が破れているからこのローブを着せる時にな、変わったんだ。」
「こいつ、どさくさに紛れて抱っこしやがったんだ!俺一人でも着せれたってのに!しかもそれからこいつ、離さないんだよ。
でもさっきみたいに無理に取り合って、起こしてしまっても可哀想だからな、諦めたよ。
その代わりもう起きたんだから、今度は俺が抱っこしような~」
「はぁ?絶対渡さんぞ。もう少しで俺たちの番なんだから、もう少し抱かせろ」
「おま……!!」
「はいはいストップ!やめて。この子を起こした意味が無いでしょ!」
「でも…!」
「((キッ!))」
「「…わるい」」

どうやら眠ってる間に布をかぶせてくれていたようだ。ローブと呼んでいるが、これはローブと呼ぶにはあまりにも……布だ。そのまま。バスタオルより少し大きいくらいのサイズの布に包まれ首周りをピン止められているだけだ。
そしてまた、ガイさんとノアさんが僕をめぐって争っている。『やめて~私をめぐって争わないで~』っと言いたくなるシチュエーションだ。ライさんの一睨みで大の男がしゅんとしてるのは少し面白い。

それより、俺が起こされたのにはなにか意味があるらしい。門に着いたからじゃないんだろうか?







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