自由に、そして幸せに。

あめ

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「じゃあ、もう1回お布団入って寝よ?」
「ああ。悪い…俺が起きたからミカも起きたんだよな……冷えたろ…ほら、あったまろ」

そう言うとユウはぴっとりくっ付いて温めてくれた。
僕はユウちゃんへ抱きついた。

「こっちのがぽかぽかだよ~ふふっ」
「そうだな、ぽかぽかだな」
「じゃあおやすみ~」
「おやすみ。…ミカがいい夢見れますように((チュッ))」

ユウは優しい声音で呟きおでこにチュッと優しく唇を落とした。
これはいつものおまじない。僕が悪夢ばかり見るからって今までも一緒に寝る時はしてくれていた。
でも今日は大丈夫な気がする。
もう、前世のことだから。引きずってないと思う。夢にまでは出ないと思う。そう信じたい。

「……いつもありがとう、ユウちゃん。
今日はいい夢見れそうだよ~だってもう身体が別物だからね~魂も違うんじゃない?記憶引き継いだってだけかもだし」
「それでも。おまじない、ある方が安心だろ。
まぁいつもそんなに効かないけどな……」
「そんなことないよ?ユウちゃんと一緒に寝る時と寝ないときで全然夢見が違うからね!ユウちゃん効果とおまじない効果は絶大なのだよ((フンスッ!))」
「あははっそうか。ならいいんだけどな~」
「そうだよ!((フンスッ!))」
「わかったわかった。((クスクス))
ほらもう寝よ?明日も沢山歩く。」
「そうだね!おやすみ~」
「おやすみ」
「………もっかい」
「え?」
「………もっかい、して?」
「…おまじない?」
「そう。」
「さっきもしたろ?」
「………もっかい。」
「……いい夢見れますように((チュッ))」
「えへへっ…///
おやすみなさい。」
「ん。おやすみ(何回やるんだよこのやり取り…まぁ可愛いからいいけど)」

そうして僕達はくっつきながらお布団で暖を取り、異世界に来て初めの一日を終えるため眠りについた。

もう悪夢に魘されることはないだろうと思いながら。

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