自由に、そして幸せに。

あめ

文字の大きさ
上 下
22 / 44

21

しおりを挟む
「次ね」
「…え、まだあんの?」
「そ。2個目の方」
「あー……それは…」
「ダメだよ。」

僕がそう言うとユウは勢いよく上体を起き上がらせた。

「ミカ!ダメダメ言い過ぎ。それはいいだろ!ミカのしたいことが俺のしたいことなんだから!」
「んーちょっと違う。全部がダメって言ってるんじゃないの。
本当にちゃんとやりたいならいいけど、ユウのやりたいことを曲げてまで僕についてくるのはダメ。ってこと」

ユウが起き上がったので、僕もそれに続き起き上がり、きちんと説明しようとする。

「……ミカと離れてまでやりたいことなんてない」 
でしょ。将来どうなるかなんて分からないよ。
僕達まだ5歳だよ。childだよ!ピチピチのよちよちだよ!人生長いでしょ、きっと!いや、長くないと困るよ。前世今世含め2度の人生短命とか嫌だよ、僕。長生きしたい。」
「…それは俺もしたい。ミカと長く一緒にいたい。」

「ユウ。仮にね?想像してね。
ユウは剣術を極めたいので、剣術の学校に通いたいと考えています。でも、僕は魔法を極めたいので、魔法の学校に通いたいと考えています。僕はその事をユウに相談します。さて、ユウはどうしますか?」
「ミカについて魔法学校に行く。剣術なんて自分で練習しまくればいいし、なんなら休みの日に誰か教えてくれる人を見つけて教えてもらえばいいだけだ」
「でもそれじゃ、極められないとしたら?」
「それでもいい。ミカと一緒に魔法を極めればいい。別に剣術にこだわる必要は無い。自衛やミカを守れたらそれでいい」

……ダメだ。魔法だけじゃ近距離戦に困るって考えにはならないのだろうか…?ユウはここまで僕のひっつき虫をしていたとは……。
自分の考えはちゃんと持ってるくせに、僕のためなら何でも曲げられるんだね……はぁ

「ユウ。それを僕が許すと思う?その場合はちゃんと剣術の学校へ通って。
僕が魔法を極めたとて近距離は苦手かもしれないよね?魔力が切れてしまったらどうするの?お互いがお互いを守るって思考にはならないの?2人で同じことが苦手でどうするのさ。支え合おうよ。
それに僕さっき言ったよね?
自分のやりたいを曲げてまで僕に着いてくるのはダメだって。」
「ミカのやりたいことが俺のやりたいことだから、問題ないと思う。……その近距離がダメだって言うのは方法を考える。」
「はぁーーーっ。」
「!!((ビクッ))」

僕が大きなため息を着くとユウはビクッと肩を少し跳ねさせた。

「あのね、この場合ユウは剣術を極めたいと1度考えているんだよ?」
「そうだな」
「1度極めたいとまで考えたのに、簡単に投げ出せれるの?」
「その後も剣術は続ける」
「……そういう問題じゃなくてさ。

はぁ~もうわかった、わかったよ!じゃあ、こうしよう。僕の後出し提案にする。」
「?後出し提案?」
「そう。僕が今後に影響し、僕たちの関係に関わるようなことでなにか決断をする時は先にユウの考えを聞くよ。ユウの考えを聞いた後に僕の意見を言う。
それで意見が食い違ってユウが僕の意見に合わせる場合、納得する理由を言うこと。僕が納得しなかったらお互いの意見を尊重した別の案を2人で考えること!
これでどう?」
「………」
「どう?」
「はい。分かりました。」

ユウがなかなか答えない為もう一度聞くと、何故か敬語で了承した。

「ねぇ。」
「……なに?」
「これだけはちゃんと分かってね?僕はちゃんとユウのこと大好きで、できることならずっと一緒にいたいからね?」
「俺も。」
「ただ、僕のせいでユウが我慢してるって思うと、僕は悲しいから我慢しないで欲しいだけ」
「……わかった。ミカに合わせるにしてもちゃんと考えるよ。ちゃんと相談する。ミカを悩ませたくはない」
「ありがとう!!」

2個目の問題もちゃんと解決したようだ!後半は若干泣き落とし感あったけど、100%の本心だしまぁいいか!ふふっ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!

黒木  鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。

乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について

はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?

「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。 王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り 更新頻度=適当

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜

車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第2の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

処理中です...